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【約束】
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それからもメールのやり取りは続いた。時々、ごはんを食べに行ったりもした。ある日、
「昔習ってたダンスってもう辞めたの?」
覚えててくれたんだ。私は小学校の頃ダンスを習っていて、大人になっても時々体を動かしに行っていた。
『まだやってるよ、今度発表会があるの。私は出ないけど見に行こうと思ってるんだ』
「いつ?」
…えっ、なんで??率直にそう思って、
『なんで??…クリスマスイヴだけど』
「いやー、そういう舞台とかって無縁だから、見てみたいなーって思って」
『そうなんだ。でもクリスマスイヴだしね、また今度機会があれば』
さすがにイヴに一緒に出掛けるなんてありえないと思った。すると…
「1人で行くの?」
『そうだよ』
「だったら、一緒に行こうよ。見てみたい」
まさかの返事が来た。私は冗談っぽく、
『デートみたいになっちゃうね』
って、勇気を出して伝えてみた。すると、
「そうだね、じゃあクリスマスデートにしよう」
…あっさりと。
いやいや、待って…
デートじゃん!!!
毎日そわそわして過ごした。メールは変わらず送られてくる。何着て行こう、クリスマスプレゼントはいる??なんて、いろいろ考えながら毎日そわそわして過ごした。
約束の2~3日前、
「イヴの日さー、どこで待ち合わせする?よかったら会って決めない??」
毎日そわそわしてるなんて言えるわけもなく、私の車でごはんを食べに出掛けた。今考えると、別にメールや電話でもよかったはずなのに…。待ち合わせ時間と場所なんてあっという間に決まった。そりゃそうだ。
そのあとは、帰りの車の中でいろんなことをしゃべった。…私がしゃべり過ぎたのだろうか、カズトはあんまりしゃべってくれず、ずーっと相槌を打ってくれていた。
『ごめん、なんか私しゃべり過ぎてるね…』
「そんなことないよ、俺の方こそ…」
『ん?…髪、切った??』
あのロン毛だったカズトが短髪になっていた。カズトは照れ臭そうにうつむいて帽子をかぶり直していた。
その後も特に会話が弾むわけではなく、
『帰ろっか…』
カズトの家まで送って行った。
『じゃあまたね』
「…う、うん」
なんか余計なこと言ったかなー。もしかして、クリスマスイヴなんかに私と出掛ける約束なんて間違ったとか思ってたりして…。今さら言えない…とか。
家に着いたと同時にメールが来た。カズトだ。
「ごめん、言い忘れたことがあるから、落ち着いたらメールちょうだい」
ほら、来た…。舞台のチケット代ムダになるけど仕方ない。
『帰り着いたから今でもいいよ』
私は返事をした。
「いや、もう寝る準備とかしちゃってからでいいよ。俺もお風呂入ってくるから」
なんかモヤモヤするけど仕方ない。私もお風呂に入ることにした。
遅くまで外にいたから、お風呂から出たら日が変わっていた。もう寝てしまってるかもと思いながら…
『遅くなってごめんね、もう寝ちゃったかな??』
すぐに電話が鳴った。
「ごめん、さっき言いそびれたことがあって…」
『うん、何??』
「・・・」
そんなに言いにくい??
…とは言えず、とりあえず待った。
「あのさー」
「サヤカ…
俺と付き合ってくれない?」
「昔習ってたダンスってもう辞めたの?」
覚えててくれたんだ。私は小学校の頃ダンスを習っていて、大人になっても時々体を動かしに行っていた。
『まだやってるよ、今度発表会があるの。私は出ないけど見に行こうと思ってるんだ』
「いつ?」
…えっ、なんで??率直にそう思って、
『なんで??…クリスマスイヴだけど』
「いやー、そういう舞台とかって無縁だから、見てみたいなーって思って」
『そうなんだ。でもクリスマスイヴだしね、また今度機会があれば』
さすがにイヴに一緒に出掛けるなんてありえないと思った。すると…
「1人で行くの?」
『そうだよ』
「だったら、一緒に行こうよ。見てみたい」
まさかの返事が来た。私は冗談っぽく、
『デートみたいになっちゃうね』
って、勇気を出して伝えてみた。すると、
「そうだね、じゃあクリスマスデートにしよう」
…あっさりと。
いやいや、待って…
デートじゃん!!!
毎日そわそわして過ごした。メールは変わらず送られてくる。何着て行こう、クリスマスプレゼントはいる??なんて、いろいろ考えながら毎日そわそわして過ごした。
約束の2~3日前、
「イヴの日さー、どこで待ち合わせする?よかったら会って決めない??」
毎日そわそわしてるなんて言えるわけもなく、私の車でごはんを食べに出掛けた。今考えると、別にメールや電話でもよかったはずなのに…。待ち合わせ時間と場所なんてあっという間に決まった。そりゃそうだ。
そのあとは、帰りの車の中でいろんなことをしゃべった。…私がしゃべり過ぎたのだろうか、カズトはあんまりしゃべってくれず、ずーっと相槌を打ってくれていた。
『ごめん、なんか私しゃべり過ぎてるね…』
「そんなことないよ、俺の方こそ…」
『ん?…髪、切った??』
あのロン毛だったカズトが短髪になっていた。カズトは照れ臭そうにうつむいて帽子をかぶり直していた。
その後も特に会話が弾むわけではなく、
『帰ろっか…』
カズトの家まで送って行った。
『じゃあまたね』
「…う、うん」
なんか余計なこと言ったかなー。もしかして、クリスマスイヴなんかに私と出掛ける約束なんて間違ったとか思ってたりして…。今さら言えない…とか。
家に着いたと同時にメールが来た。カズトだ。
「ごめん、言い忘れたことがあるから、落ち着いたらメールちょうだい」
ほら、来た…。舞台のチケット代ムダになるけど仕方ない。
『帰り着いたから今でもいいよ』
私は返事をした。
「いや、もう寝る準備とかしちゃってからでいいよ。俺もお風呂入ってくるから」
なんかモヤモヤするけど仕方ない。私もお風呂に入ることにした。
遅くまで外にいたから、お風呂から出たら日が変わっていた。もう寝てしまってるかもと思いながら…
『遅くなってごめんね、もう寝ちゃったかな??』
すぐに電話が鳴った。
「ごめん、さっき言いそびれたことがあって…」
『うん、何??』
「・・・」
そんなに言いにくい??
…とは言えず、とりあえず待った。
「あのさー」
「サヤカ…
俺と付き合ってくれない?」
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