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5 カトリーヌはヴァサンが嫌い
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全裸でぐちゃぐちゃになっている私と対照的にヴァサンは漸く服を寛がす。その服は私と彼から出た水分でぐっしょりと濡れていた。
服で隠されていたずるりと下半身から出される彼のそれは、色は赤黒く硬そうな血管が竿の部分に走っており、目を逸らしたくなるほど凶悪で淫靡であった。
ヴァサンの手で私の足元を大きく開かせられると、彼の体が膝の間に割入ってくる。彼はその動きの流れで自身の男根を掴み、私の秘部へ押し当てた。
「カトリーヌ、息を吐いてくれ」
「えっ、あっ、い、っ」
彼の言葉が聞こえた瞬間、口を塞がれ、ヴァサンの陰茎が私の奥へ奥へとゆっくり突き立てる。
それはカトリーヌが痛くないように。辛くないように。自身の快楽は他所に置きカトリーヌを優先していた。
そうするにつれてお腹に感じる圧迫感と痛みは苦しくなっていくが、それと同時に自身も満たされていく。
口付けで挿入への意識を逸らされているのも、ヴァサンがしたいというだけでなくカトリーヌを思っての行動のようだった。
自身の汗と私の痛みから漏れ出た涙を彼は拭う。私の視界には下腹部のピッタリと合わさっている部分が見えていた。
最奥に着いた彼は動きを止めている。私の許しを待っている。
「……動いては嫌か?」
私はその声にぶんぶんと頭を振り、反対の気持ちを示す。それを見て彼は躊躇いながら再び動きを始める。
次第に激しくなる抽挿は、体液が絡む水音だけでなく肉が叩き合う卑猥な音を生み出した。私の乳房が揺れ、腰が逃げ、足先がシーツを蹴る。
「あ、ぅ、ああっ……イっちゃ、ああっ!イっ、あ!」
「く……うっ……」
ヴァサンは呻き声を出し始め、最後とでも言うように彼は低く苦しげな声で本心を囁く。
その声と同時に一番奥を突かれた。
「愛して、る、カトリーヌ」
「……っ、ああっ!!」
中に吐き出された白濁と全身を巡る絶頂に喉を逸らし、膣を収縮させる。
ヴァサンのグリグリと腰を押し付ける様に、私の彼を搾り取る様に互いにぎゅうぎゅうと体を抱きとめる。
「……はぁ。カトリーヌ」
「ええ。なんでしょう」
私はもう体に力は入らず、チカチカと白い星が網膜で散っていた。
なのにヴァサンは私から体を離し、再び腰に手を当てる。
「すまない」
「は?」
ふと意識し直すと腹の中にいるそれは入った時と同じくらいに大きく固くあって私を驚かせる。さっき1回出したはずなのにヴァサンはなんでこんなに元気なのか。
どちゅん。
疑問を解消する前に、そんな派手な音を立てられ私は意識を飛ばした。
――――――――――
乱れたベッドの上、ヴァサンが用意してくれた果実水を口に含んだ私は溜息を吐く。
「はぁ……昨夜は一方的過ぎて、貴方の勉強になられていないのではなくて?」
「そうかもな。だが、君についてはゆっくり学べばいいだろう。俺は好かれていなくとも嫌われすぎてもないようだからな。君のことを他人などで勉強しなくても良くなったんだ。必要なのは今後の積み重ねだ」
ヴァサンは以前より緩んだ表情を晒しながら、手早く自分の服を着ていく。その悠々とした姿に私の恨み言は効いていないと知る。
昨夜はする事の何もかもを許していたからだろうか。気絶から覚めた後、何度もするのを許したからだろうか。
理由は幾らでも思いつくが、本質的なことは思いつかなった。だが、彼に自信がついたのだけは確かだった。
「……私、昨日と今のでヴァサン様のこともっと嫌いになりましたわ」
「あぁ。それは困ったな。昨日はかなり気持ち良さそうにしていたが、俺は君を満足させられなかったらしい」
「っ……」
昨夜の痴態をまざまざと思い出した私は布団に顔を埋めた。
恥ずかしい。何処かへ隠れることを許されるなら隠れたかった。
「これからも俺に色々と教えてくれ。カトリーヌ」
「それも、もういやですわ……」
サラサラと髪を撫でるヴァサンに、貴方を嫌いになると脅しても其れすら嬉しそうに返されるので私は膨れるしかなくなってしまった。
「ヴァサン様なんて嫌いよ」
「ふっ、それは大変だな」
(完)
服で隠されていたずるりと下半身から出される彼のそれは、色は赤黒く硬そうな血管が竿の部分に走っており、目を逸らしたくなるほど凶悪で淫靡であった。
ヴァサンの手で私の足元を大きく開かせられると、彼の体が膝の間に割入ってくる。彼はその動きの流れで自身の男根を掴み、私の秘部へ押し当てた。
「カトリーヌ、息を吐いてくれ」
「えっ、あっ、い、っ」
彼の言葉が聞こえた瞬間、口を塞がれ、ヴァサンの陰茎が私の奥へ奥へとゆっくり突き立てる。
それはカトリーヌが痛くないように。辛くないように。自身の快楽は他所に置きカトリーヌを優先していた。
そうするにつれてお腹に感じる圧迫感と痛みは苦しくなっていくが、それと同時に自身も満たされていく。
口付けで挿入への意識を逸らされているのも、ヴァサンがしたいというだけでなくカトリーヌを思っての行動のようだった。
自身の汗と私の痛みから漏れ出た涙を彼は拭う。私の視界には下腹部のピッタリと合わさっている部分が見えていた。
最奥に着いた彼は動きを止めている。私の許しを待っている。
「……動いては嫌か?」
私はその声にぶんぶんと頭を振り、反対の気持ちを示す。それを見て彼は躊躇いながら再び動きを始める。
次第に激しくなる抽挿は、体液が絡む水音だけでなく肉が叩き合う卑猥な音を生み出した。私の乳房が揺れ、腰が逃げ、足先がシーツを蹴る。
「あ、ぅ、ああっ……イっちゃ、ああっ!イっ、あ!」
「く……うっ……」
ヴァサンは呻き声を出し始め、最後とでも言うように彼は低く苦しげな声で本心を囁く。
その声と同時に一番奥を突かれた。
「愛して、る、カトリーヌ」
「……っ、ああっ!!」
中に吐き出された白濁と全身を巡る絶頂に喉を逸らし、膣を収縮させる。
ヴァサンのグリグリと腰を押し付ける様に、私の彼を搾り取る様に互いにぎゅうぎゅうと体を抱きとめる。
「……はぁ。カトリーヌ」
「ええ。なんでしょう」
私はもう体に力は入らず、チカチカと白い星が網膜で散っていた。
なのにヴァサンは私から体を離し、再び腰に手を当てる。
「すまない」
「は?」
ふと意識し直すと腹の中にいるそれは入った時と同じくらいに大きく固くあって私を驚かせる。さっき1回出したはずなのにヴァサンはなんでこんなに元気なのか。
どちゅん。
疑問を解消する前に、そんな派手な音を立てられ私は意識を飛ばした。
――――――――――
乱れたベッドの上、ヴァサンが用意してくれた果実水を口に含んだ私は溜息を吐く。
「はぁ……昨夜は一方的過ぎて、貴方の勉強になられていないのではなくて?」
「そうかもな。だが、君についてはゆっくり学べばいいだろう。俺は好かれていなくとも嫌われすぎてもないようだからな。君のことを他人などで勉強しなくても良くなったんだ。必要なのは今後の積み重ねだ」
ヴァサンは以前より緩んだ表情を晒しながら、手早く自分の服を着ていく。その悠々とした姿に私の恨み言は効いていないと知る。
昨夜はする事の何もかもを許していたからだろうか。気絶から覚めた後、何度もするのを許したからだろうか。
理由は幾らでも思いつくが、本質的なことは思いつかなった。だが、彼に自信がついたのだけは確かだった。
「……私、昨日と今のでヴァサン様のこともっと嫌いになりましたわ」
「あぁ。それは困ったな。昨日はかなり気持ち良さそうにしていたが、俺は君を満足させられなかったらしい」
「っ……」
昨夜の痴態をまざまざと思い出した私は布団に顔を埋めた。
恥ずかしい。何処かへ隠れることを許されるなら隠れたかった。
「これからも俺に色々と教えてくれ。カトリーヌ」
「それも、もういやですわ……」
サラサラと髪を撫でるヴァサンに、貴方を嫌いになると脅しても其れすら嬉しそうに返されるので私は膨れるしかなくなってしまった。
「ヴァサン様なんて嫌いよ」
「ふっ、それは大変だな」
(完)
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