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食いしん坊聖女はプロセルピナ神殿へ行く。
巨大土蟹クラーブン現る。
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「じゃあ、この荒地をどうしていくかね。まず私は魔物をたべ…じゃなかった。観察と討伐に行くわ!どんな魔物がいるか知っておくのは大事だもんね。」
「「「「「(今食べたいって言おうとしただろう。)」」」」」
集まっている5人は同じ事を心の中で突っ込むが、アンネリーゼは気にせず話を続ける。
セラフィエルには強い魔物が存在するがどんな魔物がいるのかまではわかっていない。
というのもこれまで何人かの人が魔物の生態系を探るためこの地に来たが生きて出た人は誰一人としていなかったからだ。
そんな所にアンネリーゼが行って大丈夫か?と思うが、そこはアンネリーゼ。とだけ言っておこう。
「それでやることだけど。取りあえずこの辺りに畑を作ってみるわ!そのためにエリザベッタにはいつものやつをお願いしてもいい?」
エリザベッタはいつものと聞いて理解したのか、親指と人差し指をくっつけて丸を作り「オッケ~」と返事をする。
「おい、ちょっと待て。いつものやつってなんだ?」
全てを話したつもりになっていたアンネリーゼは、ケルネリウスにまだ話していないことがあることを思い出した。
「その辺は後で説明するわ!!取りあえずキャスバルは上下水道の設置をお願い。それと、オレールは神殿を住めるように修繕を、アレットはいつものように魔石を使えるようにしておいてちょうだい。」
ケルネリウスの聞いたことのない言葉が次々と呪文のように出てくるが、他の3人も理解しているのか、「りょ~か~い!」と返事をしてこの場を去っていった。
この4人…というよりは4人の兄弟たちも含めて、アンネリーゼやイアンと歳が近かったこともあり昔から何かと一緒に行動することが多かった。
その為、色々な所でアンネリーゼたちの実験に付き合わされていたのである。
とある時は魔石の実験。事の発端は、アンネリーゼが「前世の世界では魔力がこもると言われていることが多かったから絶対使えるはずよ!!」という一言からだった。
そして、それから色々実験を試した結果、魔石を浄化し浄化した水につけておけば電池のように貯めておくことができることがわかったのだ。
それ以外にも沢山あるのだが、言い出したらキリがない。
常にアンネリーゼに振り回されてきたからこそ、4人はアンネリーゼの事を手に取るように分かる。
アンネリーゼは全員が部屋から出ていくのを確認すると嬉々とした表情をしてこちらを見つめてきた。
「じゃあ、私達も行きましょうか!!」
先ほど後で話すと言った言葉はすっかり忘れているのか、そのまま執務室を出ていこうとするがそれはケルネリウスによって止められた。
「ゔ…ぐる゙じい゙…」
背後から無造作に襟首を掴まれ、強く引っ張られる。ドレスの襟が食い込み、呼吸が一瞬止まるような苦しさが走った。
「ちょっと待て!!行くのはいいが、先に話してから行け。」
ごもっともである…
先ほど自分が話すと言っていたくせに、すっかり忘れて自分が魔物を見に行こうとしていたのだ。
ケルネリウスでなくたって同じ反応をしたことだろう。
「ふ、う、ふふ…?」
上目遣いで笑って終わらせようとしているアンネリーゼを見てケルネリウスはもう一度ため息を吐く…
「はぁ…(この顔に俺は弱いんだよな…。)わかった。じゃあ、魔物が出てくるまでの間に話してくれ。食料が確保できるかも知っておきたいからな。」
「うん!ありがとう~!リース!!」
抱きつきながら感謝を伝えれば、肋骨の辺りからミシミシという音が聞こえた。
「ゔ…い、いたい。わかったから…それ以上やったら折れるから離れてくれ!!」
アンネリーゼの額に手を当てて無理矢理離そうとするケルネリウスだったが、恥ずかしがっていただけと勘違いしているアンネリーゼはなかなか離れない。
「(うっ…折れるから…早く離れてくれ…)そ、そうだ。アンナ。早く魔物を食べたいだろう?神殿の外へ行かないか?」
早く離れてほしいあまりに、魔物を探しに行こうと言えばパッと身体から離れて、上目遣いで「いいの!?」と聞いてくる。
「あぁ…いこうか。(やっと息ができる。危なく俺が死ぬところだった…)」
それから2人は準備をして神殿の外へと出た。
***
「なんか、この辺大きな穴が多くない?」
神殿を出て1時間くらい経っただろうか。
この当たりは陽の光ひとつ当たらないからか時間の感覚が狂いやすい。
歩きながら4人の役割について話をしていれば、少し変わった地面の形をしているところに辿り着いていた。
「確かに…大きな穴ばかりだな。この中に落ちれば戻ってくることは難しいだろう。」
試しに1番近くにある穴を覗きこめば底は見えない。それどころかどこからか分からない風が下から上へと登ってきてウォーウォーと低い唸り声をあげていた。
そして次の瞬間…
"ジョキン、ジョキン"
土の中から大きなハサミのような形をした何かが顔を出したのだ。
「あぶなぁ~!!大丈夫??(あれは蟹?きっと蟹よね!?きゃああああ蟹が食べられるなんて最高じゃない!!!)」
ケルネリウスの首がハサミによって切られそうになった瞬間、頭を掴んで勢い良く後ろ引っ張る高台になっているところに着地すると同時に、地面に身体が投げつけられた。
「(ア、アンナに…)こ、殺されるかと思った…」
はぁはぁ息をするケルネリウスを心配そうに見つめるアンネリーゼだったが、アンネリーゼの頭の中は今出てきたはさみのようなものに興味津々だ。
ケルネリウスはケルネリウスで魔物に殺されるのではなくいつかアンネリーゼに殺されるのではないかと1人不安を募らせていた。
(もう少し加減というものを知ってほしいものだな…)
目の前にある穴を高台からのぞき込めば蟹のような形をした魔物が姿を現す。
「ふふふ。あれ名前あるのかしら?」
初めて見る魔物に心躍らせるアンネリーゼ。それを見たケルネリウスは遠い目をしながら、「いや、初めて見るし…ないんじゃないか?」と返した。
「そう…?じゃあ、私が考えてもいいわよね。ん~…そうね。巨大蟹のクラーブンにしましょうか。」
その言葉と同時に大きなフライパンを取り出せば、クラーブンが出てきた穴に向かってフライパンを大きく上から下へと振り下ろした。
その瞬間、クラーブンは土の中に潜り込み、また別の穴から出てきてアンネリーゼを攻撃した。
空を飛ぶことは出来ないアンネリーゼだがフライパンを振った時の風圧と、自分の跳躍力でジャンプをしながら高く飛び上がった。
大きい割に素早い動きをするクラーブンを見て楽しそうに笑う。
「ふふふ…いいわね…腕がなるわぁ!!こう見えて私モグラ叩きゲーム得意だったのよ!!あっ、でも目の前にいるのはクラーブンだからモグラ叩きじゃなくてクラーブン叩きかしらね!」
ウォーミングアップのように、ヴォンヴォンという音を鳴らしながらフライパンを上下に振り回すアンネリーゼ。
床に着地したときにトントントンと軽く地面を3回蹴った瞬間、空高く飛び上がり、美味しいものを見つけた時のように頬を紅潮させながら、うっとりした目でクラーブンへと話しかけた。
「さぁ、始めましょ?私たちのモグラ叩きゲーム…ならぬ、クラーブン叩きゲームを…」
「「「「「(今食べたいって言おうとしただろう。)」」」」」
集まっている5人は同じ事を心の中で突っ込むが、アンネリーゼは気にせず話を続ける。
セラフィエルには強い魔物が存在するがどんな魔物がいるのかまではわかっていない。
というのもこれまで何人かの人が魔物の生態系を探るためこの地に来たが生きて出た人は誰一人としていなかったからだ。
そんな所にアンネリーゼが行って大丈夫か?と思うが、そこはアンネリーゼ。とだけ言っておこう。
「それでやることだけど。取りあえずこの辺りに畑を作ってみるわ!そのためにエリザベッタにはいつものやつをお願いしてもいい?」
エリザベッタはいつものと聞いて理解したのか、親指と人差し指をくっつけて丸を作り「オッケ~」と返事をする。
「おい、ちょっと待て。いつものやつってなんだ?」
全てを話したつもりになっていたアンネリーゼは、ケルネリウスにまだ話していないことがあることを思い出した。
「その辺は後で説明するわ!!取りあえずキャスバルは上下水道の設置をお願い。それと、オレールは神殿を住めるように修繕を、アレットはいつものように魔石を使えるようにしておいてちょうだい。」
ケルネリウスの聞いたことのない言葉が次々と呪文のように出てくるが、他の3人も理解しているのか、「りょ~か~い!」と返事をしてこの場を去っていった。
この4人…というよりは4人の兄弟たちも含めて、アンネリーゼやイアンと歳が近かったこともあり昔から何かと一緒に行動することが多かった。
その為、色々な所でアンネリーゼたちの実験に付き合わされていたのである。
とある時は魔石の実験。事の発端は、アンネリーゼが「前世の世界では魔力がこもると言われていることが多かったから絶対使えるはずよ!!」という一言からだった。
そして、それから色々実験を試した結果、魔石を浄化し浄化した水につけておけば電池のように貯めておくことができることがわかったのだ。
それ以外にも沢山あるのだが、言い出したらキリがない。
常にアンネリーゼに振り回されてきたからこそ、4人はアンネリーゼの事を手に取るように分かる。
アンネリーゼは全員が部屋から出ていくのを確認すると嬉々とした表情をしてこちらを見つめてきた。
「じゃあ、私達も行きましょうか!!」
先ほど後で話すと言った言葉はすっかり忘れているのか、そのまま執務室を出ていこうとするがそれはケルネリウスによって止められた。
「ゔ…ぐる゙じい゙…」
背後から無造作に襟首を掴まれ、強く引っ張られる。ドレスの襟が食い込み、呼吸が一瞬止まるような苦しさが走った。
「ちょっと待て!!行くのはいいが、先に話してから行け。」
ごもっともである…
先ほど自分が話すと言っていたくせに、すっかり忘れて自分が魔物を見に行こうとしていたのだ。
ケルネリウスでなくたって同じ反応をしたことだろう。
「ふ、う、ふふ…?」
上目遣いで笑って終わらせようとしているアンネリーゼを見てケルネリウスはもう一度ため息を吐く…
「はぁ…(この顔に俺は弱いんだよな…。)わかった。じゃあ、魔物が出てくるまでの間に話してくれ。食料が確保できるかも知っておきたいからな。」
「うん!ありがとう~!リース!!」
抱きつきながら感謝を伝えれば、肋骨の辺りからミシミシという音が聞こえた。
「ゔ…い、いたい。わかったから…それ以上やったら折れるから離れてくれ!!」
アンネリーゼの額に手を当てて無理矢理離そうとするケルネリウスだったが、恥ずかしがっていただけと勘違いしているアンネリーゼはなかなか離れない。
「(うっ…折れるから…早く離れてくれ…)そ、そうだ。アンナ。早く魔物を食べたいだろう?神殿の外へ行かないか?」
早く離れてほしいあまりに、魔物を探しに行こうと言えばパッと身体から離れて、上目遣いで「いいの!?」と聞いてくる。
「あぁ…いこうか。(やっと息ができる。危なく俺が死ぬところだった…)」
それから2人は準備をして神殿の外へと出た。
***
「なんか、この辺大きな穴が多くない?」
神殿を出て1時間くらい経っただろうか。
この当たりは陽の光ひとつ当たらないからか時間の感覚が狂いやすい。
歩きながら4人の役割について話をしていれば、少し変わった地面の形をしているところに辿り着いていた。
「確かに…大きな穴ばかりだな。この中に落ちれば戻ってくることは難しいだろう。」
試しに1番近くにある穴を覗きこめば底は見えない。それどころかどこからか分からない風が下から上へと登ってきてウォーウォーと低い唸り声をあげていた。
そして次の瞬間…
"ジョキン、ジョキン"
土の中から大きなハサミのような形をした何かが顔を出したのだ。
「あぶなぁ~!!大丈夫??(あれは蟹?きっと蟹よね!?きゃああああ蟹が食べられるなんて最高じゃない!!!)」
ケルネリウスの首がハサミによって切られそうになった瞬間、頭を掴んで勢い良く後ろ引っ張る高台になっているところに着地すると同時に、地面に身体が投げつけられた。
「(ア、アンナに…)こ、殺されるかと思った…」
はぁはぁ息をするケルネリウスを心配そうに見つめるアンネリーゼだったが、アンネリーゼの頭の中は今出てきたはさみのようなものに興味津々だ。
ケルネリウスはケルネリウスで魔物に殺されるのではなくいつかアンネリーゼに殺されるのではないかと1人不安を募らせていた。
(もう少し加減というものを知ってほしいものだな…)
目の前にある穴を高台からのぞき込めば蟹のような形をした魔物が姿を現す。
「ふふふ。あれ名前あるのかしら?」
初めて見る魔物に心躍らせるアンネリーゼ。それを見たケルネリウスは遠い目をしながら、「いや、初めて見るし…ないんじゃないか?」と返した。
「そう…?じゃあ、私が考えてもいいわよね。ん~…そうね。巨大蟹のクラーブンにしましょうか。」
その言葉と同時に大きなフライパンを取り出せば、クラーブンが出てきた穴に向かってフライパンを大きく上から下へと振り下ろした。
その瞬間、クラーブンは土の中に潜り込み、また別の穴から出てきてアンネリーゼを攻撃した。
空を飛ぶことは出来ないアンネリーゼだがフライパンを振った時の風圧と、自分の跳躍力でジャンプをしながら高く飛び上がった。
大きい割に素早い動きをするクラーブンを見て楽しそうに笑う。
「ふふふ…いいわね…腕がなるわぁ!!こう見えて私モグラ叩きゲーム得意だったのよ!!あっ、でも目の前にいるのはクラーブンだからモグラ叩きじゃなくてクラーブン叩きかしらね!」
ウォーミングアップのように、ヴォンヴォンという音を鳴らしながらフライパンを上下に振り回すアンネリーゼ。
床に着地したときにトントントンと軽く地面を3回蹴った瞬間、空高く飛び上がり、美味しいものを見つけた時のように頬を紅潮させながら、うっとりした目でクラーブンへと話しかけた。
「さぁ、始めましょ?私たちのモグラ叩きゲーム…ならぬ、クラーブン叩きゲームを…」
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