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食いしん坊聖女はプロセルピナ神殿へ行く。
アンネリーゼの秘密。
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里帰りをして1ヶ月。
アンネリーゼ達はラファリエール領を出てプロセルピナ神殿へと向かっていた。
プロセルピナ神殿はラファリエール領から近く、馬車で2日ほどの距離にある。
2日も長いんじゃないか…なんて言われがちだが、馬車で移動する以上この世界では当たり前のことだった。
「リース。ここ何日か何か聞きたそうな顔をしてるわね。」
普段アンネリーゼと一緒の馬車に乗ることはせず、ほとんど馬で行動するケルネリウスが馬車に乗っているのは珍しい。
「いや…そこまで大事な話ではないんだが…。」
大事な話でないのであればさっさと聞いてしまえば良いものを、何をそんなに戸惑う必要があるのだろうか。
「そう…ならさっさと話してちょうだい?その方がリースも楽になると思うわ。それに一応婚約者なんだから隠し事はしたくないのよ。」
首を傾げて見る姿はあどけなさの残る可愛らしい女の子だ。
そんな子が突然言った"40歳"という言葉。気にならないといえば嘘になる。
ケルネリウスは意を決してアンネリーゼに尋ねた。
「以前、中身は40歳だと言ったが…あれはどういう事なんだ?」
そんな事?というように口をポカンと開けて唖然とするアンネリーゼ。
…
……
………
話し始めてくれるのを待っているがなかなか話し出そうとしない。
(まさか、聞いてはいけないことだったのか!?)
沈黙の時間は10秒くらいのはずなのだが、やたらと長く感じる。
アンネリーゼを見れば今度はお腹と口を抑え始めた。
「だ、大丈夫か??」
馬車に酔ったのかと思って声をかければ肩が小刻みに震え出すと同時に笑い声が聞こえた。
「ふふ…んふふふ…ふはははは!!なんだぁ。そんな事?凄い真剣な顔しているんだもの。もっと大事な話かと思っちゃったじゃない。」
人差し指で自分の涙を拭うアンネリーゼを見て、ほっとため息を吐いた。
と、同時にふつふつと怒りが込み上げてくる。
「いや、そんな事ってな…こっちがどれだけ心配したかわかってるのか?あんな風にサラリと言っていなくなるんだ。聞き間違いかとか色々考えて当然だろうが!!」
お返しとばかりに頬をつねればビョーンと頬が伸びる。
「い、いひゃい…いひゃいわ!!はなひゅから…はなひてひょーらい!!」
つねっている手をバシバシ叩くアンネリーゼを見て考えていたことが馬鹿らしくなったケルネリウスはつねっていた手を離した。
つねられた頬を軽くさすりながら、ぽつりぽつりとアンネリーゼが話し出す。
「私ね、前世の記憶があるのよ。というよりは私だけじゃないわね。私のお母様も前世の記憶があったと言うし…ルシフェール国が出来る前の話は聞いたことあるでしょ?」
「あぁ、この国の歴史については家庭教師から教えてもらったからな。」
ルシフェール国ができる前。
セラフィエル帝国という大きな国が存在した。
その中でもルシフェールとウリエーラ、ラファリエールはそれそれ広大な領地を有しており権力も高く帝国の中で代表的な領地だった。
しかし突然、ウリエーラとラファリエールが手を組みルシフェールを襲ったのだ。
「というのがルシフェール国の話になっていると思うけど、本当は逆なのよ。ルシフェールがセラフィエル帝国を自分の物にしようと反乱を起こしたの。」
元々ルシフェール家は傲慢な部分があった。常に自分が正しいと思っており、周りの言うことはほとんど聞かない。自分の利益しか考えておらず、自分達が一番偉いと考えていて、民の事は奴隷のようにしか思っていかった。
そんなルシフェール家だが一つだけ得意なことがあった。何故か周りを従わせるのがうまかったのだ。
知能が高いというのもあるのだろう。
(今のルシフェール家はそんなことないけど…。)
「上手く口車に乗せられた大半の人たちはルシフェールについたわ。そのおかげでセラフィエル帝国は滅亡。そしてルシフェール家を王族としたルシフェール国が出来上がったの。」
「なっ…聞いた話と全然違うじゃないか。」
「まぁ、歴史なんてそんな物よ。自分達がいいように書かれることが多いもの。特にルシフェール王家みたいな人たちはね…。」
セラフィエル帝国が滅亡したあとラファリエールはルシフェールの下に付くことで難を逃れたが、ウリエーラは最後までルシフェールと戦った。
そのせいでほとんどの領地が消えてしまい、なんとか逃げ切った人達はラファリエール領へと亡命したのだ。
「結局、セラフィエルの領土を奪おうとしていたルシフェール国だったけど、何故かそのあと荒地となり、瘴気を発する魔物ばかりが増えて…結局そのままになってしまっているってわけ。」
ケルネリウスは少し混乱していた。
自分が知っていた歴史と全く違うこともそうだが、機密情報とも言える内容を顔色一つ変えずにペラペラと話すアンネリーゼに対しても「本当にここまで話していいのか?」と思ってしまう。
「ちょっと、前置きが長くなってしまったけど、お母様はその亡命したウリエーラの領主の血縁なの。それでね…ウリエーラの血を受け継ぐ者の中に、たまに生まれるのよ。私みたいな転生者が…しかも他の世界での記憶を持ったまま生まれる転生者がね。」
この世界で生を受ける前。
アンネリーゼは地球という別の世界で生きていたという記憶があった。
その世界での名前は栗花落 杏菜。
「地球という世界では、私40歳だったの。結婚目前だったんだけど、相手が浮気してるのが発覚してね。しかも相手の女はお腹に子供までいるって言うし…今思えば結婚する前にわかってよかったけど。あの時は自暴自棄になっていたのよね。」
結婚式の準備も終わって、あとは結婚式をあげるだけだった。相手の男の方が5つも年下だったし、自分の方が年上だからと我慢していたら婚期を逃し、40歳まで独身ということになってしまった…。
やっと結婚できると思っていた矢先、まさかの浮気が発覚。しかも結婚式はそのまま挙げたいから花嫁を杏菜から浮気相手に変えて欲しいと言われた。
本来であれば慰謝料をふんだくってやりたかった所だが、浮気女のお腹を見ると…子供に罪は無いと思ってしまい、口に出すことは出来ず…
仕方なく結婚式の手続きすればプランナーから同情される目で見られるは、両親や弟!友人には「杏菜は期待を裏切らないな」と大笑いされるはで気分は最悪。
しかも気持ちを切り替えようと新婚旅行を急きょ傷心旅行に変えて行ったヨーロッパ一周旅行…始めてみる街並みに感動していたら、ものすごいスピードで下ってくる自転車に勢いよくぶつかられた。
「…で、現在に至るというわけ!!」
話し続けるアンネリーゼに、思わずケルネリウスが「ちょっと待ってくれ!」とストップをかける。
その姿を見てアンネリーゼは少し首を傾げたが、何となく察してくれたようで、整理が落ち着くまでの間ゆっくり外を眺めていた。
「すまない…あまりの情報量に…」
それから暫くして状況を整理できたケルネリウスがアンネリーゼに声をかける。
「まっ、そうよね。知らないことばかりだし…仕方が無いと思うわ!!」
「えっと…どこまで話したかしら」と話の続きを思い出そうとするアンネリーゼ。
「まっ、いっかー。取りあえず私には別の国の記憶があってーだから中身は40歳っていったのよ!!」
思い出すのが面倒になったのか、最後は適当に話をまとめられて終わってしまったのだった。
(まぁ、40歳の理由はわかったし…これからゆっくり聞いていけばいいか…)
こうして馬車の旅は終わりを迎え、プロセルピナ神殿へと到着したのだった。
アンネリーゼ達はラファリエール領を出てプロセルピナ神殿へと向かっていた。
プロセルピナ神殿はラファリエール領から近く、馬車で2日ほどの距離にある。
2日も長いんじゃないか…なんて言われがちだが、馬車で移動する以上この世界では当たり前のことだった。
「リース。ここ何日か何か聞きたそうな顔をしてるわね。」
普段アンネリーゼと一緒の馬車に乗ることはせず、ほとんど馬で行動するケルネリウスが馬車に乗っているのは珍しい。
「いや…そこまで大事な話ではないんだが…。」
大事な話でないのであればさっさと聞いてしまえば良いものを、何をそんなに戸惑う必要があるのだろうか。
「そう…ならさっさと話してちょうだい?その方がリースも楽になると思うわ。それに一応婚約者なんだから隠し事はしたくないのよ。」
首を傾げて見る姿はあどけなさの残る可愛らしい女の子だ。
そんな子が突然言った"40歳"という言葉。気にならないといえば嘘になる。
ケルネリウスは意を決してアンネリーゼに尋ねた。
「以前、中身は40歳だと言ったが…あれはどういう事なんだ?」
そんな事?というように口をポカンと開けて唖然とするアンネリーゼ。
…
……
………
話し始めてくれるのを待っているがなかなか話し出そうとしない。
(まさか、聞いてはいけないことだったのか!?)
沈黙の時間は10秒くらいのはずなのだが、やたらと長く感じる。
アンネリーゼを見れば今度はお腹と口を抑え始めた。
「だ、大丈夫か??」
馬車に酔ったのかと思って声をかければ肩が小刻みに震え出すと同時に笑い声が聞こえた。
「ふふ…んふふふ…ふはははは!!なんだぁ。そんな事?凄い真剣な顔しているんだもの。もっと大事な話かと思っちゃったじゃない。」
人差し指で自分の涙を拭うアンネリーゼを見て、ほっとため息を吐いた。
と、同時にふつふつと怒りが込み上げてくる。
「いや、そんな事ってな…こっちがどれだけ心配したかわかってるのか?あんな風にサラリと言っていなくなるんだ。聞き間違いかとか色々考えて当然だろうが!!」
お返しとばかりに頬をつねればビョーンと頬が伸びる。
「い、いひゃい…いひゃいわ!!はなひゅから…はなひてひょーらい!!」
つねっている手をバシバシ叩くアンネリーゼを見て考えていたことが馬鹿らしくなったケルネリウスはつねっていた手を離した。
つねられた頬を軽くさすりながら、ぽつりぽつりとアンネリーゼが話し出す。
「私ね、前世の記憶があるのよ。というよりは私だけじゃないわね。私のお母様も前世の記憶があったと言うし…ルシフェール国が出来る前の話は聞いたことあるでしょ?」
「あぁ、この国の歴史については家庭教師から教えてもらったからな。」
ルシフェール国ができる前。
セラフィエル帝国という大きな国が存在した。
その中でもルシフェールとウリエーラ、ラファリエールはそれそれ広大な領地を有しており権力も高く帝国の中で代表的な領地だった。
しかし突然、ウリエーラとラファリエールが手を組みルシフェールを襲ったのだ。
「というのがルシフェール国の話になっていると思うけど、本当は逆なのよ。ルシフェールがセラフィエル帝国を自分の物にしようと反乱を起こしたの。」
元々ルシフェール家は傲慢な部分があった。常に自分が正しいと思っており、周りの言うことはほとんど聞かない。自分の利益しか考えておらず、自分達が一番偉いと考えていて、民の事は奴隷のようにしか思っていかった。
そんなルシフェール家だが一つだけ得意なことがあった。何故か周りを従わせるのがうまかったのだ。
知能が高いというのもあるのだろう。
(今のルシフェール家はそんなことないけど…。)
「上手く口車に乗せられた大半の人たちはルシフェールについたわ。そのおかげでセラフィエル帝国は滅亡。そしてルシフェール家を王族としたルシフェール国が出来上がったの。」
「なっ…聞いた話と全然違うじゃないか。」
「まぁ、歴史なんてそんな物よ。自分達がいいように書かれることが多いもの。特にルシフェール王家みたいな人たちはね…。」
セラフィエル帝国が滅亡したあとラファリエールはルシフェールの下に付くことで難を逃れたが、ウリエーラは最後までルシフェールと戦った。
そのせいでほとんどの領地が消えてしまい、なんとか逃げ切った人達はラファリエール領へと亡命したのだ。
「結局、セラフィエルの領土を奪おうとしていたルシフェール国だったけど、何故かそのあと荒地となり、瘴気を発する魔物ばかりが増えて…結局そのままになってしまっているってわけ。」
ケルネリウスは少し混乱していた。
自分が知っていた歴史と全く違うこともそうだが、機密情報とも言える内容を顔色一つ変えずにペラペラと話すアンネリーゼに対しても「本当にここまで話していいのか?」と思ってしまう。
「ちょっと、前置きが長くなってしまったけど、お母様はその亡命したウリエーラの領主の血縁なの。それでね…ウリエーラの血を受け継ぐ者の中に、たまに生まれるのよ。私みたいな転生者が…しかも他の世界での記憶を持ったまま生まれる転生者がね。」
この世界で生を受ける前。
アンネリーゼは地球という別の世界で生きていたという記憶があった。
その世界での名前は栗花落 杏菜。
「地球という世界では、私40歳だったの。結婚目前だったんだけど、相手が浮気してるのが発覚してね。しかも相手の女はお腹に子供までいるって言うし…今思えば結婚する前にわかってよかったけど。あの時は自暴自棄になっていたのよね。」
結婚式の準備も終わって、あとは結婚式をあげるだけだった。相手の男の方が5つも年下だったし、自分の方が年上だからと我慢していたら婚期を逃し、40歳まで独身ということになってしまった…。
やっと結婚できると思っていた矢先、まさかの浮気が発覚。しかも結婚式はそのまま挙げたいから花嫁を杏菜から浮気相手に変えて欲しいと言われた。
本来であれば慰謝料をふんだくってやりたかった所だが、浮気女のお腹を見ると…子供に罪は無いと思ってしまい、口に出すことは出来ず…
仕方なく結婚式の手続きすればプランナーから同情される目で見られるは、両親や弟!友人には「杏菜は期待を裏切らないな」と大笑いされるはで気分は最悪。
しかも気持ちを切り替えようと新婚旅行を急きょ傷心旅行に変えて行ったヨーロッパ一周旅行…始めてみる街並みに感動していたら、ものすごいスピードで下ってくる自転車に勢いよくぶつかられた。
「…で、現在に至るというわけ!!」
話し続けるアンネリーゼに、思わずケルネリウスが「ちょっと待ってくれ!」とストップをかける。
その姿を見てアンネリーゼは少し首を傾げたが、何となく察してくれたようで、整理が落ち着くまでの間ゆっくり外を眺めていた。
「すまない…あまりの情報量に…」
それから暫くして状況を整理できたケルネリウスがアンネリーゼに声をかける。
「まっ、そうよね。知らないことばかりだし…仕方が無いと思うわ!!」
「えっと…どこまで話したかしら」と話の続きを思い出そうとするアンネリーゼ。
「まっ、いっかー。取りあえず私には別の国の記憶があってーだから中身は40歳っていったのよ!!」
思い出すのが面倒になったのか、最後は適当に話をまとめられて終わってしまったのだった。
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