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今は駄目
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堂崎の待つ自宅マンションに帰り着くと、しばらくしてスマホにメールが入った。相手は三田だ。
『前払い』とだけ本文に書かれたメールには、一枚の画像が添付されている。さっき話していた、例の女装写真か。
俺は一度ちらりとキッチンにいる堂崎を見てから、表情を覚られないように画像を開いた。
そこにはピンクのフリル付きメイド服に白のニーハイソックス、背中まであるさらさら黒髪のかつらにピンクのリボンを付けた堂崎が、全身写真で写っていた。
童顔に化粧をしているせいもあって、全然違和感がない。お遊びレベルかと思ったが、さすが三田、こだわりの変態クオリティ。
これ、めっちゃ可愛い。
少し若い堂崎の容姿に、つい表情が緩む。その姿もさることながら、頬を染めて眉をハの字にして、写真を撮られることを恥じらっているらしいさまがまたそそる。
こんなのが百枚くらいあるわけだ。
うわあ、めたくそ欲しい。パンチラも欲しい。やるしかないのか、これは。
俺はとりあえずその画像を保存して、スマホをポケットに突っ込んだ。代わりにポケットに折りたたんで入れていた、三田に渡されたリストを取り出す。
堂崎の性感帯とか、あれやこれやのサイズとか。
正直あんまり他人に漏らしたくないけれど、背に腹は代えられない。どうせ実際に見たり触ったりしなければ、これはただの記号みたいなものだ。自分にそう言い聞かせて、先に知り得る情報を記入する。
しかしこうして改めてチェックしていくと、結構分からないことが多いことに気付いた。
例えば堂崎の弱いところ。ち○こや乳首やア○ルは当然分かるけれど、耳、首筋、脇腹などはどうだったろうか。考えてみたら単品で攻めたことがない。
なるほど、俺はS○Xに慣れてしまっていてそんなところに目が行ってなかったのだ。このリスト、面倒だとばかり思っていたが自分の抜けを見つけて網羅するのに役立つかもしれない。
俺は立ち上がると、キッチンで夕飯を作っている堂崎の元に寄って行った。
おもむろに彼の背後に立って、サラダ用のレタスをちぎっているそのうなじに、ちゅっと唇を落としてみる。
「ふあ!? わ、何、由利さん!?」
驚いて振り向いたその首筋をぺろりと舐めると、堂崎はくすぐったそうに首を竦めた。
うん、感度はいい。でも弱いと言うほどではないか。
「おなか空いたな、ご飯まだ?」
言いつつ今度はその耳殻を甘噛みする。すると今度は明らかに反応が違った。びくんと大きく身体が強張る。
「も、もう少しでできますから、向こうで待っててくださ……やっ、ん」
耳の穴に軽く舌を突っ込むと、それだけで声を跳ね上げた。
ほう、なるほど、堂崎は耳が弱いのか、気付かなかった。
「ゆ、由利さん、駄目ですっ、ご飯作れなくなるから、やめてくださいっ」
その耳たぶを口に含んで舐ると、耳まで赤くなった堂崎が困ったような声を出す。力の入らない腕が俺に縋ってくるのが可愛い。
ただの確認のつもりだったのに、つい喉がこくりと鳴る。
「こっちも食べたいなあ」
そのお尻の谷間に指を滑らせた俺を、彼は慌てて押し退けた。
「い、今は駄目です! 今したら食事の準備も片付けも、できなくなっちゃう!」
「いいじゃん、今は一回しかしないから」
「この間も一回って言って、結局めちゃめちゃ焦らされて翌日腰が立たなくなっちゃったもん! 今したらもう今週はしませんからね!」
「……わかったよ」
渋々と引き下がる。最近の俺は堂崎にすこぶる弱いのだ。
だって嫌われたくないのはもちろんだけれど、一日夜のお預けを食らうことだけでも相当辛い。俺にとって彼と抱き合うことは日々の癒やしなのだから。
かと言って、俺だけが弱い立場なのかというとそうでもない。
こうして俺が素直に譲歩をすると、堂崎も同等の譲歩をくれるのだ。
「い、今は駄目だけど、家事全部終わってからなら、明日は仕事休みだしいいですけど……」
「だったら今日は一緒に風呂入ろうぜ? 背中流してやるよ」
もちろん一緒に風呂に入って背中を流すだけで終わったためしなどない。しかしそれを分かった上でも彼が躊躇いがちに頷いてくれるのにニンマリする。
結局俺たちはラブラブで、互いのことが大好きなのだ。
三田のリストを埋めつつ今日はこの身体を隅々まで確認していこう。それもまた新鮮で楽しいかも知れないと、俺は少し浮かれた気分でリビングに戻った。
『前払い』とだけ本文に書かれたメールには、一枚の画像が添付されている。さっき話していた、例の女装写真か。
俺は一度ちらりとキッチンにいる堂崎を見てから、表情を覚られないように画像を開いた。
そこにはピンクのフリル付きメイド服に白のニーハイソックス、背中まであるさらさら黒髪のかつらにピンクのリボンを付けた堂崎が、全身写真で写っていた。
童顔に化粧をしているせいもあって、全然違和感がない。お遊びレベルかと思ったが、さすが三田、こだわりの変態クオリティ。
これ、めっちゃ可愛い。
少し若い堂崎の容姿に、つい表情が緩む。その姿もさることながら、頬を染めて眉をハの字にして、写真を撮られることを恥じらっているらしいさまがまたそそる。
こんなのが百枚くらいあるわけだ。
うわあ、めたくそ欲しい。パンチラも欲しい。やるしかないのか、これは。
俺はとりあえずその画像を保存して、スマホをポケットに突っ込んだ。代わりにポケットに折りたたんで入れていた、三田に渡されたリストを取り出す。
堂崎の性感帯とか、あれやこれやのサイズとか。
正直あんまり他人に漏らしたくないけれど、背に腹は代えられない。どうせ実際に見たり触ったりしなければ、これはただの記号みたいなものだ。自分にそう言い聞かせて、先に知り得る情報を記入する。
しかしこうして改めてチェックしていくと、結構分からないことが多いことに気付いた。
例えば堂崎の弱いところ。ち○こや乳首やア○ルは当然分かるけれど、耳、首筋、脇腹などはどうだったろうか。考えてみたら単品で攻めたことがない。
なるほど、俺はS○Xに慣れてしまっていてそんなところに目が行ってなかったのだ。このリスト、面倒だとばかり思っていたが自分の抜けを見つけて網羅するのに役立つかもしれない。
俺は立ち上がると、キッチンで夕飯を作っている堂崎の元に寄って行った。
おもむろに彼の背後に立って、サラダ用のレタスをちぎっているそのうなじに、ちゅっと唇を落としてみる。
「ふあ!? わ、何、由利さん!?」
驚いて振り向いたその首筋をぺろりと舐めると、堂崎はくすぐったそうに首を竦めた。
うん、感度はいい。でも弱いと言うほどではないか。
「おなか空いたな、ご飯まだ?」
言いつつ今度はその耳殻を甘噛みする。すると今度は明らかに反応が違った。びくんと大きく身体が強張る。
「も、もう少しでできますから、向こうで待っててくださ……やっ、ん」
耳の穴に軽く舌を突っ込むと、それだけで声を跳ね上げた。
ほう、なるほど、堂崎は耳が弱いのか、気付かなかった。
「ゆ、由利さん、駄目ですっ、ご飯作れなくなるから、やめてくださいっ」
その耳たぶを口に含んで舐ると、耳まで赤くなった堂崎が困ったような声を出す。力の入らない腕が俺に縋ってくるのが可愛い。
ただの確認のつもりだったのに、つい喉がこくりと鳴る。
「こっちも食べたいなあ」
そのお尻の谷間に指を滑らせた俺を、彼は慌てて押し退けた。
「い、今は駄目です! 今したら食事の準備も片付けも、できなくなっちゃう!」
「いいじゃん、今は一回しかしないから」
「この間も一回って言って、結局めちゃめちゃ焦らされて翌日腰が立たなくなっちゃったもん! 今したらもう今週はしませんからね!」
「……わかったよ」
渋々と引き下がる。最近の俺は堂崎にすこぶる弱いのだ。
だって嫌われたくないのはもちろんだけれど、一日夜のお預けを食らうことだけでも相当辛い。俺にとって彼と抱き合うことは日々の癒やしなのだから。
かと言って、俺だけが弱い立場なのかというとそうでもない。
こうして俺が素直に譲歩をすると、堂崎も同等の譲歩をくれるのだ。
「い、今は駄目だけど、家事全部終わってからなら、明日は仕事休みだしいいですけど……」
「だったら今日は一緒に風呂入ろうぜ? 背中流してやるよ」
もちろん一緒に風呂に入って背中を流すだけで終わったためしなどない。しかしそれを分かった上でも彼が躊躇いがちに頷いてくれるのにニンマリする。
結局俺たちはラブラブで、互いのことが大好きなのだ。
三田のリストを埋めつつ今日はこの身体を隅々まで確認していこう。それもまた新鮮で楽しいかも知れないと、俺は少し浮かれた気分でリビングに戻った。
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