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第5章 (1)バロンの観察日記
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しおりを挟む「!……ロ、ローザ?」
「私共の配慮が悪く、この一週間お嬢様にはたくさん嫌な思いをさせてしまい……。
本当に、申し訳御座いませんでした!」
ーーへ?
思いもよらないローザの言葉に、緊張感に包まれていた空気が変わる。
いつも毅然と涼しい顔をした彼女の謝罪の言葉と行動。
こんなローザを、私は初めて見た。
「使用人を代表致しまして、この度の不手際は全て私が責任を取ります。
……処分を、お申し付け下さいませ」
「!……しょ、処分?!」
処分なんてそんな事考えた事もなければ、私はローザ達の配慮が悪いなんて一度も思った事がない。
いつも綺麗にされた別荘内。
私に必要な物は全て用意されていて。
昨日だって夜中に帰ってきた私をみんな寝ずに迎えてくれて、それがどれだけ嬉しくて暖かいと感じたか。
そうだ。
この時、私はようやく気付く事が出来たんだ。
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