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5話 作戦会議 その1
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「今日は非公式の場ゆえ、楽に話してもらって構わない。念のために言っておくが」
「畏まりました、ラクロア王子殿下。シルマールも楽に話すのだぞ? 分かっているな?」
「は、はい……承知いたしました!」
シルマール・レイクス侯爵というのは、私のお父様である。お父様のことを呼び捨てにしていた人物が伯父様のカイマール・レイクスだ。今は公爵家に入ったので、奥様のファミリーネームであるルーラーになっているけれど。
「ラクロア王子殿下、伯父上。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」
「ああ、気にしないでくれ。ジェシカの為だからな」
「私もジェシカの為ならば、喜んで動くとしよう。気にしなくても結構だ」
「ありがとうございます」
私とお父様は同時に頭を下げて、感謝の意を表した。レイクス侯爵家の応接室には現在、王子殿下と大臣参謀の二人が居る。そのように考えるだけでも、奇跡的なメンバーのような気がしてしまった。
これは……流石のブラックル様も驚きの方々ではないかしら。そもそも、お父様のシルマール・レイクス侯爵の時点で相当な権力者なのだし。
「さて、今から作戦会議のようなものを始めるが……まずは、座ろうか」
「そうね、ラクロア。座りましょう」
「ああ」
「……」
「……」
ラクロアはおそらくいつも通りを望んでいるはずなので、私は普通に話し掛けていた。お父様と伯父様は不思議そうに見ていたけれど、やがて二人も応接室のソファに腰を掛けた。
------------------------------
「さて、本題だが……ブラックル・ウォルト大公は、父上にも相談をしているらしい」
「なんと……! 国王陛下にでございますか?」
「ああ、そういうことになるな」
伯父様の表情は特に変わらなかったけれど、お父様は相当に慌てていた。ラーゼフォン国王陛下に助けを求めるとは、私も驚いたけれど、よくよく考えるとそんなことを匂わせていたように思える。
ブラックル様は国王陛下の実の弟になるんだしね。自分が悪いのに、王族に助けを求めるなんてね……。
「とにかく、まずはその事実を受け入れて欲しい。それから対抗策を講じたいと思うが、大臣、話していただけるかな?」
「畏まりました、王子殿下」
ラクロアに促され、伯父様は軽く咳払いをしながら話し始める。作戦会議はこうして幕を開けた。
「畏まりました、ラクロア王子殿下。シルマールも楽に話すのだぞ? 分かっているな?」
「は、はい……承知いたしました!」
シルマール・レイクス侯爵というのは、私のお父様である。お父様のことを呼び捨てにしていた人物が伯父様のカイマール・レイクスだ。今は公爵家に入ったので、奥様のファミリーネームであるルーラーになっているけれど。
「ラクロア王子殿下、伯父上。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」
「ああ、気にしないでくれ。ジェシカの為だからな」
「私もジェシカの為ならば、喜んで動くとしよう。気にしなくても結構だ」
「ありがとうございます」
私とお父様は同時に頭を下げて、感謝の意を表した。レイクス侯爵家の応接室には現在、王子殿下と大臣参謀の二人が居る。そのように考えるだけでも、奇跡的なメンバーのような気がしてしまった。
これは……流石のブラックル様も驚きの方々ではないかしら。そもそも、お父様のシルマール・レイクス侯爵の時点で相当な権力者なのだし。
「さて、今から作戦会議のようなものを始めるが……まずは、座ろうか」
「そうね、ラクロア。座りましょう」
「ああ」
「……」
「……」
ラクロアはおそらくいつも通りを望んでいるはずなので、私は普通に話し掛けていた。お父様と伯父様は不思議そうに見ていたけれど、やがて二人も応接室のソファに腰を掛けた。
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「さて、本題だが……ブラックル・ウォルト大公は、父上にも相談をしているらしい」
「なんと……! 国王陛下にでございますか?」
「ああ、そういうことになるな」
伯父様の表情は特に変わらなかったけれど、お父様は相当に慌てていた。ラーゼフォン国王陛下に助けを求めるとは、私も驚いたけれど、よくよく考えるとそんなことを匂わせていたように思える。
ブラックル様は国王陛下の実の弟になるんだしね。自分が悪いのに、王族に助けを求めるなんてね……。
「とにかく、まずはその事実を受け入れて欲しい。それから対抗策を講じたいと思うが、大臣、話していただけるかな?」
「畏まりました、王子殿下」
ラクロアに促され、伯父様は軽く咳払いをしながら話し始める。作戦会議はこうして幕を開けた。
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