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5話 ドミニク・スローンズ王子殿下 その2
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「おはようございます、ドミニク王子殿下。本日もお早いのですね」
「これはアメリア嬢、お早うございます。本日は少し、図書室に用事がありましてね」
「なるほど、左様でございますか。それではご一緒させていただいても、構いませんか?」
「ええ、もちろん」
違和感を感じ始めたのはいつくらいだっただろうか? あのパーティーでお会いして数週間くらい? それとも……。
------------------------
「ドミニク様は剣術が得意なのですか?」
「ああ、一応は。アメリア嬢の聖女としての能力程ではないと思うがな」
「いえ、そんな……」
それから数週間が経過し、ドミニク様との交流が普通になってきたあたり? いや……。
----------------------
「アメリア嬢も大分元気になったようで安心したよ。もう、ザックス殿との婚約については悲しんでいる様子が見られないな」
「左様でございますね……もう、4か月程経過していますので。私としても完全に見切りを付けられたと思います」
「そうか、それなら良かったよ」
ドミニク王子殿下は私に対して敬語を使わなくなっていた。それだけ、私達の関係性が深くなったと言えるのかもしれない。この4か月の間、彼と会った回数は相当数に上るのだから……。でも、不思議だったことがある。
ドミニク様はこの4か月くらいの間、ほとんど聖女の能力について発言をしなかったのだ。ザックス様との婚約破棄についてもあまり口にはしなかった。彼なりの優しさなのだと思う。最初に彼に持っていた不信感は今では完全に消え去っていた。
「君は聖女として、ザックス・オルタナティブ公爵の領地を守護していたと聞いている。もう、4か月以上前の話だが……会ったこともない人物に私は厚い信頼を寄せていたんだ。ひたむきに頑張っているという、報告が私のところに入って来ていたよ」
「そんな報告が入っていたのですか……? 初めて聞きましたよ?」
「まあ、照れ臭かったからな。あまり本人の前で言うことではないだろう?」
「それはそうかもしれませんが……」
彼は……ドミニク様は私の気持ちを案じてくれていたのかもしれない。このタイミングで言ったのは、ある程度の信頼関係が構築出来たと判断されたからかも。私は自分を恥じないと駄目かもしれない……ドミニク様はただ、私のことを心配して交流を図ってくれただけだったのに。
ザックス様とは根本的に違うお方なのだと改めて思い知らされてしまった。
「そういえば……ザックス様の私設騎士団はどうなったのでしょうか?」
「ん? 私設騎士団? それがどうかしたのか……?」
「いえ、その……」
ふと、頭をよぎってしまっただけだ。確か4か月前にあの方から直接、私設騎士団を強化した旨を聞かされていた。あれから4か月……さらに強くなっている可能性とかがあるのかしら、と。
「これはアメリア嬢、お早うございます。本日は少し、図書室に用事がありましてね」
「なるほど、左様でございますか。それではご一緒させていただいても、構いませんか?」
「ええ、もちろん」
違和感を感じ始めたのはいつくらいだっただろうか? あのパーティーでお会いして数週間くらい? それとも……。
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「ドミニク様は剣術が得意なのですか?」
「ああ、一応は。アメリア嬢の聖女としての能力程ではないと思うがな」
「いえ、そんな……」
それから数週間が経過し、ドミニク様との交流が普通になってきたあたり? いや……。
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「アメリア嬢も大分元気になったようで安心したよ。もう、ザックス殿との婚約については悲しんでいる様子が見られないな」
「左様でございますね……もう、4か月程経過していますので。私としても完全に見切りを付けられたと思います」
「そうか、それなら良かったよ」
ドミニク王子殿下は私に対して敬語を使わなくなっていた。それだけ、私達の関係性が深くなったと言えるのかもしれない。この4か月の間、彼と会った回数は相当数に上るのだから……。でも、不思議だったことがある。
ドミニク様はこの4か月くらいの間、ほとんど聖女の能力について発言をしなかったのだ。ザックス様との婚約破棄についてもあまり口にはしなかった。彼なりの優しさなのだと思う。最初に彼に持っていた不信感は今では完全に消え去っていた。
「君は聖女として、ザックス・オルタナティブ公爵の領地を守護していたと聞いている。もう、4か月以上前の話だが……会ったこともない人物に私は厚い信頼を寄せていたんだ。ひたむきに頑張っているという、報告が私のところに入って来ていたよ」
「そんな報告が入っていたのですか……? 初めて聞きましたよ?」
「まあ、照れ臭かったからな。あまり本人の前で言うことではないだろう?」
「それはそうかもしれませんが……」
彼は……ドミニク様は私の気持ちを案じてくれていたのかもしれない。このタイミングで言ったのは、ある程度の信頼関係が構築出来たと判断されたからかも。私は自分を恥じないと駄目かもしれない……ドミニク様はただ、私のことを心配して交流を図ってくれただけだったのに。
ザックス様とは根本的に違うお方なのだと改めて思い知らされてしまった。
「そういえば……ザックス様の私設騎士団はどうなったのでしょうか?」
「ん? 私設騎士団? それがどうかしたのか……?」
「いえ、その……」
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