どうやら私(オタク)は乙女ゲームの主人公の親友令嬢に転生したらしい

海亜

文字の大きさ
10 / 123
2章:1歳になったらしい

9話:初めての誕生日

しおりを挟む
あれから1年が経った。

そして、今日は転生してから初めての誕生日だ。

私は春の桜が満開に咲く日に生まれた。

前世は紅葉が綺麗な秋に生まれた。

だから、少し違和感もあるにはある。

それに、不思議なことに私は家族や私がどんな人だったのかというのは覚えているけれど私の名前が何だったのか全然覚えていない。

でも、今は璃杏として転生して第二の人生を生きてるわけだし今度こそ幸せに長生きできるようにしないと!!!

でも、1つ私は気になることがあった。

今まで見えなかった髪の毛が見えてきたんだけど私の髪の色が銀色だった。

瞳の色はお母様と同じ瑠璃色の瞳。

血縁者にいたのかは不明だけど私の両親は銀色の髪の毛の人なんていない。

そう考えると気味悪いとか思われるだろうけれど私は正直言って綺麗だと思う。

銀色の髪と瑠璃色の瞳はよく合うしそれに何より!!

前世より可愛くなっている!!!

ていうのを今日鏡を見て思った。

ここは公爵家。

一般家庭とは違う。

だから、誕生日会みたいなのは規模が違う。

両親は勿論のこと月鍵家にいる人みんなで祝うらしい。

5歳になると他の家の方達も呼んで社交界デビューと同時に誕生日パーティーをするらしい。

その時は、人前で自己紹介みたいなのするらしい。

うぅぅ~人前に出るの苦手な私にとって気が思いやられるよ~!!

でも、4歳までは家の人達みんなでお祝いするから気を張らずに気楽に楽しまないと!

せっかく祝ってくれてる人達に失礼だもんね!!

そんなわけで今、陽夏凛さんにおめかししてもらっている。

化粧はしないけど髪飾りやドレスなどを着る。

私の髪はボブくらいの長さで下ろしてあって右耳に私の瞳と同じ猫型の髪飾りが付けられている。

そして、ドレスは水色の膝丈くらいのレースのついたドレスだ。

「璃杏様ー!出来ましたよ!」

陽夏凛さんはとても嬉しそうにしている。

「陽夏凛さん、なんでそんなに嬉しそうなの?貴女の誕生日ではないでしょう?」

双美さんが不思議そうに陽夏凛さんに聞く。

「だって!今日は天使璃杏様の生まれて初めての誕生日なんですよ!!生まれた証とも言えるこの特別な日!!嬉しいに決まってるじゃないですか!!逆に双美さんは嬉しくないんですか?」

とても嬉しそうにはしゃぐ陽夏凛さん。

なんか嬉しいな~そう言ってもらったことなかったし。

天使って意味はよく分からないけど。

「そ、それはもちろん嬉しいわよ!!可愛い可愛い璃杏様の生まれた日なのよ!」

ガッツポーズしながら言う双美さん。

なんかこのごろ双美さんのテンションが可笑しい気がする。

「では、そろそろ移動しましょうか。」

通常モードに戻った双美さんに促されて私達は移動する。

普通なら食堂で食べるんだけど今日はお庭の大きな桜の木が満開ということでその近くで私の誕生日を祝うことになったと言うことを陽夏凛さんから聞いた。

楽しみだなー!

3分後目的地についた。

満開の大きな桜の木が遠くから見るよりもとても立派にそして、綺麗に咲き誇っている。

パンッパンパンッパン

桜に見とれていると突然クラッカーの音が響いた。

「「「「璃杏/様お誕生日おめでとう/ございます!!」」」」

「「おめでとうございます!!璃杏様!」」

お母様・お父様・侍女さん達・執事さん達・料理人さん達屋敷中の人達が声を合わせてお祝いの言葉をくれた。

遅れて陽夏凛さんと双美さんもお祝いの言葉をくれた。

心がほかほかと暖かくなっていく。

私もなにか言葉を返さなきゃ!!

「あうああう!!」(ありがとう!!)

私はとびっきりの笑顔でみんなにお礼を言った。

言葉はまだ『あ』と『う』しか言えないけど伝わればいいな。

「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」

周りがすごくシーンと静まり返った。

え?え?な、何か悪いことしちゃったかな??

ど、どうしよ「「「「「きゃあああああ!!!璃杏様可愛いですうぅぅ!!!!」」」」」

!!!?突然侍女さん達が悲鳴をあげて頬を赤くしてた。

それに、他の人たちも下を向いていたり赤くなってたり様々な行動をしていた。

?????なにが、起きたんだ?

「璃杏!!!今のはダメよ!お礼は嬉しいけれどダメなのよ!!!」

何故かすごい勢いで近寄ってきて叱って?きたお母様。

え?ええー・・・なにがダメだったんだ??

「マイウルトラスーパーマックスめちゃくちゃキュートエンジェルの璃杏!!!!今日はいつも以上に可愛いなー!お祝いとしてお父様からお祝いのキッスをー!!」

そんなこと言いながらジリジリ近づいてくるお父様。

ひいいいいいいいい!!!!!無理無理無理無理無理無理無理いいいいいいいい!!!!!!

お父様が仕事で帰ってきた時は馬に気を取られていてお父様がどんな人なのか分かっていなかった。

でも、《馬とお父様勘違い事件》が終わって私の気持ちにも余裕も出てきた時だった。

やつは現れたんだ。

この事でお母様が言っていた《アレ》の意味が分かることとなる。

いつものように気持ちよく寝て丁度起きようと目を覚ました時。

目の前にお父様の顔がドーンとそれはもうドーンと出てきたというかあったのだ。

私は驚きすぎて大泣きしてしまった。

そう、私が大泣きした時お父様も私以上に大泣きしながら『り、璃杏はお父様が嫌いなのかい!?でも、僕は璃杏が大好きだよぉぉぉぉ!!!』と言っていた。

私はその時確信した。

───こいつはアレ3連続してるヤバい奴───

だということに。

アレ3連続というのは私が勝手に考えたもので・・・
①変態

②泣き虫

③馬鹿

というものである。

そして、その3つがお父様には兼ね備わっているのだ。

はっきり言って兼ね備わってはいけないものを兼ね備えてる気がする。

でも、嫌っている訳では無い。

確かに屋敷の人達やお母様を大切にして仕事ではとても集中して真剣にやっていて頼りにされている。

そして、何よりお母様と同じく優しい。

まあ、そんなお父様だけど・・・・・今はお願いだから近づいてこないでほしい!!!

すっごい変態の顔しながらこっちに近づいてくるんだよぉぉぉぉ!!!!

ぅぅぅぅ!!!

「あうあ!!!!」(来るな!!!!)

私は嫌そうな顔をしてお父様を拒絶した。

だが、そんな私の様子がわからないらしいお父様。

まだ距離はあるけどジリジリと一歩一歩近づいてくる。

ひいいいい!!怪物スペシャルメガウルトラ変態こっち来るなあああ!!!

キモいいいいい!!

「うへへへへ・・・覚悟するがいい璃杏!!」

ダッシュで近づいてくるお父様。

ひいいいいいぃぃぃぃ!!!!もう無理だああ!!

私はぎゅっと目を瞑る。

ドオオオオオン!!!

すごい音がして目を開けると・・・・・・お父様が逆さまになって庭の草に穴を開けてすっぽりハマっていた。

!?!?なにが、起きたの!?

「あらあらまあまぁ。ごめんなさいね羽琉様。でっかいハエかと思って思いっきり吹き飛ばしてしまいましたわ。」

なんと!お母様がお父様を吹き飛ばしたみたいだ。

黒い笑みを浮かべてお父様の元へ歩み寄るお母様。

あのお母様は全く見たことがない。

「白百合~羽琉様がちょっとほんとーにちょっと可哀想だから出してあげて?」

少し気の毒そうに双美さんはお母様に言った。

「でも、羽琉様のあの顔・・・・気持ち悪かったです!ああなってもちょっと当然だと思います!!」

陽夏凛さんは何処か満足気な顔をしている。

お母様はお父様を土から引っこ抜くと少し乱暴にお父様を置いた。

「ぐえっ!!い、痛いよお!白百合~もっと優しく下ろしてよー!」

涙目でお母様に訴えるお父様。

うん、見た目はいいよねお父様。

「え?何言ってるんですか?無理です。璃杏をあんな変態みたいな顔で見つめるなんて許せないわ!!璃杏が可愛くて天使で天使なのはわかるけれど!いやらしい目であと行動で璃杏に迷惑かけないでください!!あと周りにも迷惑かけないでください!羽琉様は月鍵家の大切な存在なんです!!」

お母様はお父様に叱っていたのだけどだんだん黒いオーラからなんかなんとも言えない可愛らしいオーラに変わった。

お母様になにが、あったのかは不明。

「双美さん。これじゃあ璃杏様の誕生日会始められませんよ?」

陽夏凛さんは双美さんに困った顔をして伝える。

「そうね・・・・・白百合様!!その辺にしといて璃杏様の誕生日会始めますよ!!!ていうか始めないと料理も冷めちゃいますよ!」

双美さんは少し考えたあとお母様に叫んで伝えた。

お母様はこちらに振り向き笑顔で答える。

「分かったわ!では、皆さん!!誕生日会を始めましょう!」

お母様の合図で皆動き出した。

その後いろんな誕生日プレゼントをたくさん貰った。

可愛い髪飾りとかシロクマの人形とか絵本とか色々!!

色々とあったけれどとても楽しい誕生日会になった。

いろんな意味で新鮮だったよ。

お父様とかお父様とかお父様とか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした

エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ 女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。 過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。 公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。 けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。 これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。 イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん) ※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。 ※他サイトにも投稿しています。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました

あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。 どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!

エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」 華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。 縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。 そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。 よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!! 「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。 ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、 「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」 と何やら焦っていて。 ……まあ細かいことはいいでしょう。 なにせ、その腕、その太もも、その背中。 最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!! 女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。 誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート! ※他サイトに投稿したものを、改稿しています。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

処理中です...