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3章:3歳になったらしい
21話:空桜の屋敷見回り
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夜 23:18
廊下に点々と灯る蝋燭。
その廊下を音もなく駆ける人影がひとつ。
その影が向かう先は・・・・・・・・書庫だ。
キィィ
扉をゆっくり開け足音がならないよう人影は書庫の中に入っていく。
カチッ
手探りで電気のスイッチを探し電気を付ける。
「よし、これでみつけられる。」
そう言って人影は書庫の奥へと進んでいく。
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ
靴音が廊下に響く。
僕、百織空桜は夜間の見回りをしている。
僕が雇われている月鍵家の騎士団『月騎士団』は訓練や門番としての活動は勿論、専属守護騎士になって指名された相手を守ったり夜間の見回りをしたりしている。
部屋を一つ一つ見回り安全を確認する。
キィィ
懐中電灯を隅から隅まであて誰もいないか見渡す。
「・・・・・・よし。大丈夫だ。最後は書庫の確認だよね。」
僕はそう呟きながら歩き出した。
そして、ふと璃杏様の事が頭をよぎる。
銀色の珍しい髪に強力な魔力がある。
あんなに小さな体にこの事はとても重すぎる気がする。
珍しい髪に強い魔力この事でほかの家の者達にはきっと白い目で見るんだろうな。
社交界の場で生きていくのはもしかしたら難しいかもしれない。
そうなったら・・・・璃杏様はどうなるんだろう。
僕は何も助けられずに璃杏様を見捨ててしまうのかな。
それは、嫌だな。
せっかく心からお傍で守りたいと思えてきたのに何も出来ないなんて・・・・そんなの悔いしか残らない。
でも、璃杏様ならきっと大丈夫。
璃杏様の事が分かったわけじゃないけどなんかそんな感じがする。
そんな璃杏様を一生とまではいかなくても想い人や婚約者そんな方と共に歩まれるまで僕は璃杏様にお役に立てる守護騎士でいたい。
まあ、まだ、璃杏様専属の守護騎士じゃないだけどね。
そんなことを考えているあいだに書庫が見えてきた。
「・・・・・・ん?・・・誰かいるのか?」
普通ならこの時間帯はどの扉も閉まっていて開いていることは無い。
まさか、泥棒?
いや、でも、こんな間抜けな泥棒いるか?
書庫の扉は開けっぱなしで電気漏れてる。
普通泥棒だったら開けっぱなしにはしないし電気もつけないで懐中電灯を使う・・・と思う。
僕は慎重に書庫に近づき中を覗く。
だけど、人のいる気配はない。
書庫の中を探してみるけれどいない。
「消し忘れた・・・・のかな?」
僕はそう思って電気を消そうと引き返そうとした時・・・・・・バサバサバサバサッ
本が落ちる音がどこからが聞こえてきた。
「!!や、やっぱり誰かいるのか?でも、どこから・・・・。」
周りをキョロキョロ見回すと奥の方に扉が見えた。
しかも、その扉は少し空いている。
もしかして・・・やっぱり泥棒!?
月鍵家には古くからある品物や本が沢山ある。
その分厳重に管理はされているけれど。
でも・・・・どうやって入ってきたんだ?
月鍵家の門は結構ガードが固いし柵も入るには困難な高さにある。
もしかして、ベテランだったりするのか?
僕は緊張しながら慎重な足取りでもうひとつの書庫の扉に近づく。
扉のドアノブに手をかけゆっくり開ける。
キィィ
「・・・・・・あ。」
声を発したのは僕ではない。
目の前にいる人だ。
そこに居たのは・・・・・何故か布巾を頭につけた璃杏様がいた。
「な、何・・・しているんですか?璃杏様。」
予想外の人がいて噛んでしまった。
けど、本当に何しているんだこの子は。
廊下に点々と灯る蝋燭。
その廊下を音もなく駆ける人影がひとつ。
その影が向かう先は・・・・・・・・書庫だ。
キィィ
扉をゆっくり開け足音がならないよう人影は書庫の中に入っていく。
カチッ
手探りで電気のスイッチを探し電気を付ける。
「よし、これでみつけられる。」
そう言って人影は書庫の奥へと進んでいく。
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ
靴音が廊下に響く。
僕、百織空桜は夜間の見回りをしている。
僕が雇われている月鍵家の騎士団『月騎士団』は訓練や門番としての活動は勿論、専属守護騎士になって指名された相手を守ったり夜間の見回りをしたりしている。
部屋を一つ一つ見回り安全を確認する。
キィィ
懐中電灯を隅から隅まであて誰もいないか見渡す。
「・・・・・・よし。大丈夫だ。最後は書庫の確認だよね。」
僕はそう呟きながら歩き出した。
そして、ふと璃杏様の事が頭をよぎる。
銀色の珍しい髪に強力な魔力がある。
あんなに小さな体にこの事はとても重すぎる気がする。
珍しい髪に強い魔力この事でほかの家の者達にはきっと白い目で見るんだろうな。
社交界の場で生きていくのはもしかしたら難しいかもしれない。
そうなったら・・・・璃杏様はどうなるんだろう。
僕は何も助けられずに璃杏様を見捨ててしまうのかな。
それは、嫌だな。
せっかく心からお傍で守りたいと思えてきたのに何も出来ないなんて・・・・そんなの悔いしか残らない。
でも、璃杏様ならきっと大丈夫。
璃杏様の事が分かったわけじゃないけどなんかそんな感じがする。
そんな璃杏様を一生とまではいかなくても想い人や婚約者そんな方と共に歩まれるまで僕は璃杏様にお役に立てる守護騎士でいたい。
まあ、まだ、璃杏様専属の守護騎士じゃないだけどね。
そんなことを考えているあいだに書庫が見えてきた。
「・・・・・・ん?・・・誰かいるのか?」
普通ならこの時間帯はどの扉も閉まっていて開いていることは無い。
まさか、泥棒?
いや、でも、こんな間抜けな泥棒いるか?
書庫の扉は開けっぱなしで電気漏れてる。
普通泥棒だったら開けっぱなしにはしないし電気もつけないで懐中電灯を使う・・・と思う。
僕は慎重に書庫に近づき中を覗く。
だけど、人のいる気配はない。
書庫の中を探してみるけれどいない。
「消し忘れた・・・・のかな?」
僕はそう思って電気を消そうと引き返そうとした時・・・・・・バサバサバサバサッ
本が落ちる音がどこからが聞こえてきた。
「!!や、やっぱり誰かいるのか?でも、どこから・・・・。」
周りをキョロキョロ見回すと奥の方に扉が見えた。
しかも、その扉は少し空いている。
もしかして・・・やっぱり泥棒!?
月鍵家には古くからある品物や本が沢山ある。
その分厳重に管理はされているけれど。
でも・・・・どうやって入ってきたんだ?
月鍵家の門は結構ガードが固いし柵も入るには困難な高さにある。
もしかして、ベテランだったりするのか?
僕は緊張しながら慎重な足取りでもうひとつの書庫の扉に近づく。
扉のドアノブに手をかけゆっくり開ける。
キィィ
「・・・・・・あ。」
声を発したのは僕ではない。
目の前にいる人だ。
そこに居たのは・・・・・何故か布巾を頭につけた璃杏様がいた。
「な、何・・・しているんですか?璃杏様。」
予想外の人がいて噛んでしまった。
けど、本当に何しているんだこの子は。
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