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9.カイⅠ
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「なっダカンの腕が生えている?」
父親のゼンが驚く。
まあそりゃそうだ、普通は生えるとはありえないからだ。
「そうなんだよ偶然にもフェニックスの肉を食べたみたいで、そしたら腕が生えて足も治ったんだよ」
「そっか!よかったな」
「ああ、良かった」
二人は抱きしめ合う。
うん……。ゼンが脳筋タイプで良かった。
もう少しひと悶着あるかと思ったのだが、ゲームの世界なのでそこまで考えないのか?
「うわっグロい」
村が壊滅して死体の後片付け。
ドラゴンにぐちゃぐちゃに踏まれた死体とか、喰われた死体はえぐい。
ゲームの世界なのにリアル過ぎる。
「ゼロは向こうを片付けて、その後墓穴を掘ってくれ」
ゼンがそう言う。
向こうというのは建物がつぶれただけで、死体がない辺りだ。
気持ち悪そうにしている、俺に気を使ってくれたのか……。
冒険者として生活していたダカンならともかく、村人のゼンもこんな死体を触ったりしたことないだろう。
真っ青な顔して吐きそうな顔しているのに、優しすぎるぜ!パパン大好きだ!
「村を捨てるってことですか?」
「悪いが王都にいるワシの娘婿達を頼ろうと思う、息子達も死んだし……もうこの村を立て直すことは無理だ」
村長はやつれていた。
このイベントでこの村に一緒に住んでいた、妻と息子と嫁と孫が全て死んでしまったそうだ。
村の住人の死体を墓に埋葬し、村長としての仕事を終えた後は王都で住むと言う。
「メルカさんもですか?」
ゼンが聞く。
「はい、もう旦那がいないですし、このままでは村での生活も難しいですから、隣の村に住む親戚を頼ろうと思います」
旦那さんが村の入り口で首を斬られ殺され、未亡人になった人だ。幼い子供が3人もいるから一人では生活無理なんだろうな。
この村から出るかそれともこの村を立て直すかと言う苦渋の選択の末、生き残ったほとんどの人が出ると決断をしたのだ。
まだ選んでいないのは父親のゼンぐらいだった。
「ゼンはどうする?息子さんのゼロは勇者として、王都に行くんだろう」
村長がゼンにそう問いかける。
「うーん、他の村に行くあても無いですし、金もないからカイとこの村で細々とやっていくしかないかなと思っています」
村に残るのか……ゼンとカイを心配で残したくないな……。
「オイが隣の村まで護衛する」
ダカンが護衛として、隣の村に移住する人と一緒に行く。
腕が生え怪我が治り、足の後遺症が無くなったダカンなら護衛として優秀だろう。
すると父親のゼンも、隣の村に今後の相談として一緒に行くとなった。
ちなみに他の村人もダカンの生えてきた腕の事は驚いたのだが、誰もが深く突っ込まなかった。
ファンタジーだわ!
だがしかし、俺がもう少し早く気づいて……いや元々わかっていたんだから村の入り口で魔族を待っていれば良かったんだ。
そうすればこの結果は、大きく改変を出来たことだった。
……後悔がすごく残る。
「じゃあ行ってくる」
「「いってらっしゃい」」
俺と弟のカイはお留守番だ。
隣の村とは言え、車のない世界なので往復に丸1日はかかると言っていた。隣の村にはドワーフが多くいる村とだと言っていた。
この世界にはエルフ、ドワーフ、ヒューマン、獣人、そして魔族と存在する。
ちなみに、この世界の人間……ヒューマンと言われる種族は、皆日本人顔だ。
ゲーム画面でも日本人顔で髪の毛だけが、アニメのキャラみたいに赤や青や緑などのいろいろな髪の色をしているだけだ。
俺とゼンとカイは黒い色で純日本人ぽい。ダカンは茶色い髪をしているから、ちょっとヤンチャしている建築系作業員みたいな感じに見える。
……まあダカンは童貞でだったから、ヤンチャしてそうな見かけとは全く違うけどな。
「兄ちゃん僕にも修行して、兄ちゃんみたいに強くなりたい!」
晩御飯が終わると、カイがそう言ってきた。
可愛い顔をしているカイが無邪気に抱きついてきた。
設定ではカイとは、血がつながっている実の兄弟関係だ。
かなり可愛いので襲いたくなってしまうが……さすがに兄弟の上カイが11歳というのは、なかなかとハードルが高いな。
……待てよ、よくよく考えるとゲームの中の世界だしいいよな。俺にとっては実の親子でも兄弟でもなく、ただのイケメンのノンケ達でしかない。
その上この世界では、淫行条例なんかは存在しないはずだ。
そして殺人さえも明白な罪でもない。殺人がバレても警察なんかはいないから、遺族に恨まれて復讐される事ぐらいしか殺人に対する罰にならない。
……幸いにも、今、この村には俺達以外は誰もいない。
「いいよ、教えてやる、まずは風呂に入ってからな」
「やったー!」
魔法を使い、風呂を沸かす。
ダカンと風呂に入る時に火炎球と水弾……良くある漫画や小説でいうなら、ファイアーボールとウォーターボールの魔法を上手く組み合わせて、瞬間で沸かせれるようになった。
リアルな世界だからか色々なことができる。
「兄ちゃんすげー」
魔法を見たことのないカイは大喜びだ。
「風呂に一緒に入るか? 」
「うん、兄ちゃんと入るの久しぶりだ」
俺の思惑の全く知らないカイは、目の前で服を脱いでいった。
父親のゼンが驚く。
まあそりゃそうだ、普通は生えるとはありえないからだ。
「そうなんだよ偶然にもフェニックスの肉を食べたみたいで、そしたら腕が生えて足も治ったんだよ」
「そっか!よかったな」
「ああ、良かった」
二人は抱きしめ合う。
うん……。ゼンが脳筋タイプで良かった。
もう少しひと悶着あるかと思ったのだが、ゲームの世界なのでそこまで考えないのか?
「うわっグロい」
村が壊滅して死体の後片付け。
ドラゴンにぐちゃぐちゃに踏まれた死体とか、喰われた死体はえぐい。
ゲームの世界なのにリアル過ぎる。
「ゼロは向こうを片付けて、その後墓穴を掘ってくれ」
ゼンがそう言う。
向こうというのは建物がつぶれただけで、死体がない辺りだ。
気持ち悪そうにしている、俺に気を使ってくれたのか……。
冒険者として生活していたダカンならともかく、村人のゼンもこんな死体を触ったりしたことないだろう。
真っ青な顔して吐きそうな顔しているのに、優しすぎるぜ!パパン大好きだ!
「村を捨てるってことですか?」
「悪いが王都にいるワシの娘婿達を頼ろうと思う、息子達も死んだし……もうこの村を立て直すことは無理だ」
村長はやつれていた。
このイベントでこの村に一緒に住んでいた、妻と息子と嫁と孫が全て死んでしまったそうだ。
村の住人の死体を墓に埋葬し、村長としての仕事を終えた後は王都で住むと言う。
「メルカさんもですか?」
ゼンが聞く。
「はい、もう旦那がいないですし、このままでは村での生活も難しいですから、隣の村に住む親戚を頼ろうと思います」
旦那さんが村の入り口で首を斬られ殺され、未亡人になった人だ。幼い子供が3人もいるから一人では生活無理なんだろうな。
この村から出るかそれともこの村を立て直すかと言う苦渋の選択の末、生き残ったほとんどの人が出ると決断をしたのだ。
まだ選んでいないのは父親のゼンぐらいだった。
「ゼンはどうする?息子さんのゼロは勇者として、王都に行くんだろう」
村長がゼンにそう問いかける。
「うーん、他の村に行くあても無いですし、金もないからカイとこの村で細々とやっていくしかないかなと思っています」
村に残るのか……ゼンとカイを心配で残したくないな……。
「オイが隣の村まで護衛する」
ダカンが護衛として、隣の村に移住する人と一緒に行く。
腕が生え怪我が治り、足の後遺症が無くなったダカンなら護衛として優秀だろう。
すると父親のゼンも、隣の村に今後の相談として一緒に行くとなった。
ちなみに他の村人もダカンの生えてきた腕の事は驚いたのだが、誰もが深く突っ込まなかった。
ファンタジーだわ!
だがしかし、俺がもう少し早く気づいて……いや元々わかっていたんだから村の入り口で魔族を待っていれば良かったんだ。
そうすればこの結果は、大きく改変を出来たことだった。
……後悔がすごく残る。
「じゃあ行ってくる」
「「いってらっしゃい」」
俺と弟のカイはお留守番だ。
隣の村とは言え、車のない世界なので往復に丸1日はかかると言っていた。隣の村にはドワーフが多くいる村とだと言っていた。
この世界にはエルフ、ドワーフ、ヒューマン、獣人、そして魔族と存在する。
ちなみに、この世界の人間……ヒューマンと言われる種族は、皆日本人顔だ。
ゲーム画面でも日本人顔で髪の毛だけが、アニメのキャラみたいに赤や青や緑などのいろいろな髪の色をしているだけだ。
俺とゼンとカイは黒い色で純日本人ぽい。ダカンは茶色い髪をしているから、ちょっとヤンチャしている建築系作業員みたいな感じに見える。
……まあダカンは童貞でだったから、ヤンチャしてそうな見かけとは全く違うけどな。
「兄ちゃん僕にも修行して、兄ちゃんみたいに強くなりたい!」
晩御飯が終わると、カイがそう言ってきた。
可愛い顔をしているカイが無邪気に抱きついてきた。
設定ではカイとは、血がつながっている実の兄弟関係だ。
かなり可愛いので襲いたくなってしまうが……さすがに兄弟の上カイが11歳というのは、なかなかとハードルが高いな。
……待てよ、よくよく考えるとゲームの中の世界だしいいよな。俺にとっては実の親子でも兄弟でもなく、ただのイケメンのノンケ達でしかない。
その上この世界では、淫行条例なんかは存在しないはずだ。
そして殺人さえも明白な罪でもない。殺人がバレても警察なんかはいないから、遺族に恨まれて復讐される事ぐらいしか殺人に対する罰にならない。
……幸いにも、今、この村には俺達以外は誰もいない。
「いいよ、教えてやる、まずは風呂に入ってからな」
「やったー!」
魔法を使い、風呂を沸かす。
ダカンと風呂に入る時に火炎球と水弾……良くある漫画や小説でいうなら、ファイアーボールとウォーターボールの魔法を上手く組み合わせて、瞬間で沸かせれるようになった。
リアルな世界だからか色々なことができる。
「兄ちゃんすげー」
魔法を見たことのないカイは大喜びだ。
「風呂に一緒に入るか? 」
「うん、兄ちゃんと入るの久しぶりだ」
俺の思惑の全く知らないカイは、目の前で服を脱いでいった。
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