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第442話 ゼータちゃんとバンブリアについて話し合おう配信
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「――ご主人様。お呼びにより、このゼータ、参上いたしました」
ペコリと、ゼータちゃんはそう言って頭を下げていた。
どうも、今からバンブーエルフの隠れ里であるバンブリアとやらに行くために、ゼータちゃんを呼び戻した錬金術師ススリアです。
タラッサが、小さな宝石を私の所に持って来ていた。その宝石は、バンブーエルフの隠れ里であるバンブリアの場所が描いてある球体上の地図であった。この宝石を読み解けば、そのバンブリアとやらに辿り着くという地図である。
バンブーエルフと言えば、シュンカトウ騎士団にも1人居る。シュンカトウ騎士団四天王、その1人であるピエームちゃんの事である。
そんなピエームちゃんは、魔王ユギーの五本槍の1人である快感のブラッドと契約して、『回転鋸剣』に自分自身を変化する能力を得た。その代償として、彼女は自分自身に関わる記憶と記録を失ってしまった。彼女がどういう人間なのかというのを彼女は覚えておらず、彼女がどういう経緯で今の騎士団に入ったのかという記録も全て失ってしまった。
今は、シュンカトウ騎士団四天王第五の槍として、騎士の1人として立派に務めを果たしている。
しかしながら、自分の記憶や記録がないというのは、やはり不便だろう。彼女自身はどう思っているかは分からないけれども、それでもそう思ってしまうという者も少なくはない。
私が、バンブリア――バンブーエルフの故郷へと行ける地図を発見したと、シュンカトウ騎士団の所に説明すると、全員がそのバンブリアに行くと言っていた。
まぁ、全員が全員、隠れ里に行ってしまうと、シュンカトウ騎士団が空っぽになってしまうのは、それはそれでヤバイ状況なんで、選出が行われているんだけれども。その選出は時間がかかるそうなので、私はその前に、ゼータちゃんを呼びよせたという訳だ。
『極地活動型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバーΖ』こと、ゼータちゃんん。極地で活動するのに特化している彼女さえいれば、そのバンブリアがどれだけヤバイ地域だとしても、問題ないという訳だ。
「という訳で、ゼータちゃんを道案内。あとデルタちゃんかアレイスター辺りを用心棒という布陣で行こうと思っているんですが」
「ふっ、その心配には及びませんよ」
キランッと、銃を取り出して、私の提案を払いのけるゼータちゃん。
「――なにせ、ガンマンですから」
ばぁんっと、撃つ音を口にして、自信をみなぎらせるゼータちゃん。そんなゼータちゃんを見て、私は「でも……」と不安を口にする。
「ゼータちゃん1人では心配なんだよ。ゼータちゃんは極地活動型で、遠距離攻撃に特化して作り出しているから、相手が仮に近距離とかに長けていたらと思うとね」
「シュンカトウ騎士団の皆様もいらっしゃるのですよね? 流石に過剰戦力すぎると、バンブーエルフの人達に警戒されるのではないでしょうか?」
確かに、シュンカトウ騎士団の同行メンバーを絞っている理由の1つに、そう言った理由もあったはず。相手は隠れ里に住まう希少種族バンブーエルフ、そんな所に余所者である私達が大勢で乗り込んだら、戦争かと思われて反撃されるか、あるいは逃げられてもう二度と捕まらないかのどちらかだからね。
デルタちゃんやアレイスターも戦力としては良いけれども、流石に連れて行くとなると、過剰戦力すぎるか。
「それに、私はガンマンですよ? ガンマンに不可能はありません」
「まぁ、ゼータちゃんがそう自信満々にいうのなら、信じるけどさぁ」
ゼータちゃんは『極地活動型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバーΖ』。つまりは極地活動におけるプロフェッショナル。私が作った時よりも、配信などから情報を常に収集し続けて、今では私よりもそういった地域における対応は凄い事になっているはず。
ここは彼女の言葉を信じてみるのも、ありっちゃあり、なのかもしれない。
「分かって貰えて何よりです。それではご主人様、即座にろ過できる水筒。それから携帯用のサバイバル料理キットの準備をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「――? 基本的に【アイテムボックス】を使えば良いのではないか?」
基本的に、この世界には魔法がある。騎士団の人が自分の身を極限まで追い込んで鍛えたいというのならまだしも、今回は調査目的に行くのだ。普通に、【アイテムボックス】を使っておこうというのは、何もおかしな考えではないように思うのだけど。
「この地図、球体だからこそ分かりづらいのですが、私が思うに、どうもこの辺りが位置的にマズいように思うのです」
ここと、ゼータちゃんはそう言って球体を指差す。とは言え、地図自体が小さな宝石サイズだから、どこを指差されているのかマジで良く分からないのだけど。
けれどもまぁ、彼女を信じると決めたばかりだし、シュンカトウ騎士団の選抜メンバーが決まるまで、まだ少し時間がある事でしょう。
私はそう思って、ゼータちゃんの言うように即座にろ過できる水筒、そして携帯用サバイバル料理キットの開発に着手するのであった。
のちにこの2つは、新生ハンドラ商会の手で、大ヒットする事になるのは、まだ先の話である。
ペコリと、ゼータちゃんはそう言って頭を下げていた。
どうも、今からバンブーエルフの隠れ里であるバンブリアとやらに行くために、ゼータちゃんを呼び戻した錬金術師ススリアです。
タラッサが、小さな宝石を私の所に持って来ていた。その宝石は、バンブーエルフの隠れ里であるバンブリアの場所が描いてある球体上の地図であった。この宝石を読み解けば、そのバンブリアとやらに辿り着くという地図である。
バンブーエルフと言えば、シュンカトウ騎士団にも1人居る。シュンカトウ騎士団四天王、その1人であるピエームちゃんの事である。
そんなピエームちゃんは、魔王ユギーの五本槍の1人である快感のブラッドと契約して、『回転鋸剣』に自分自身を変化する能力を得た。その代償として、彼女は自分自身に関わる記憶と記録を失ってしまった。彼女がどういう人間なのかというのを彼女は覚えておらず、彼女がどういう経緯で今の騎士団に入ったのかという記録も全て失ってしまった。
今は、シュンカトウ騎士団四天王第五の槍として、騎士の1人として立派に務めを果たしている。
しかしながら、自分の記憶や記録がないというのは、やはり不便だろう。彼女自身はどう思っているかは分からないけれども、それでもそう思ってしまうという者も少なくはない。
私が、バンブリア――バンブーエルフの故郷へと行ける地図を発見したと、シュンカトウ騎士団の所に説明すると、全員がそのバンブリアに行くと言っていた。
まぁ、全員が全員、隠れ里に行ってしまうと、シュンカトウ騎士団が空っぽになってしまうのは、それはそれでヤバイ状況なんで、選出が行われているんだけれども。その選出は時間がかかるそうなので、私はその前に、ゼータちゃんを呼びよせたという訳だ。
『極地活動型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバーΖ』こと、ゼータちゃんん。極地で活動するのに特化している彼女さえいれば、そのバンブリアがどれだけヤバイ地域だとしても、問題ないという訳だ。
「という訳で、ゼータちゃんを道案内。あとデルタちゃんかアレイスター辺りを用心棒という布陣で行こうと思っているんですが」
「ふっ、その心配には及びませんよ」
キランッと、銃を取り出して、私の提案を払いのけるゼータちゃん。
「――なにせ、ガンマンですから」
ばぁんっと、撃つ音を口にして、自信をみなぎらせるゼータちゃん。そんなゼータちゃんを見て、私は「でも……」と不安を口にする。
「ゼータちゃん1人では心配なんだよ。ゼータちゃんは極地活動型で、遠距離攻撃に特化して作り出しているから、相手が仮に近距離とかに長けていたらと思うとね」
「シュンカトウ騎士団の皆様もいらっしゃるのですよね? 流石に過剰戦力すぎると、バンブーエルフの人達に警戒されるのではないでしょうか?」
確かに、シュンカトウ騎士団の同行メンバーを絞っている理由の1つに、そう言った理由もあったはず。相手は隠れ里に住まう希少種族バンブーエルフ、そんな所に余所者である私達が大勢で乗り込んだら、戦争かと思われて反撃されるか、あるいは逃げられてもう二度と捕まらないかのどちらかだからね。
デルタちゃんやアレイスターも戦力としては良いけれども、流石に連れて行くとなると、過剰戦力すぎるか。
「それに、私はガンマンですよ? ガンマンに不可能はありません」
「まぁ、ゼータちゃんがそう自信満々にいうのなら、信じるけどさぁ」
ゼータちゃんは『極地活動型アルファ・ゴーレムサポートシステム搭載型ゴーレム・ナンバーΖ』。つまりは極地活動におけるプロフェッショナル。私が作った時よりも、配信などから情報を常に収集し続けて、今では私よりもそういった地域における対応は凄い事になっているはず。
ここは彼女の言葉を信じてみるのも、ありっちゃあり、なのかもしれない。
「分かって貰えて何よりです。それではご主人様、即座にろ過できる水筒。それから携帯用のサバイバル料理キットの準備をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「――? 基本的に【アイテムボックス】を使えば良いのではないか?」
基本的に、この世界には魔法がある。騎士団の人が自分の身を極限まで追い込んで鍛えたいというのならまだしも、今回は調査目的に行くのだ。普通に、【アイテムボックス】を使っておこうというのは、何もおかしな考えではないように思うのだけど。
「この地図、球体だからこそ分かりづらいのですが、私が思うに、どうもこの辺りが位置的にマズいように思うのです」
ここと、ゼータちゃんはそう言って球体を指差す。とは言え、地図自体が小さな宝石サイズだから、どこを指差されているのかマジで良く分からないのだけど。
けれどもまぁ、彼女を信じると決めたばかりだし、シュンカトウ騎士団の選抜メンバーが決まるまで、まだ少し時間がある事でしょう。
私はそう思って、ゼータちゃんの言うように即座にろ過できる水筒、そして携帯用サバイバル料理キットの開発に着手するのであった。
のちにこの2つは、新生ハンドラ商会の手で、大ヒットする事になるのは、まだ先の話である。
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