処女壊体-the making of a saint-

柘榴

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第7章 耽溺の刑

第41話 甘美なる誘惑

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 首輪を引っ張り回し、ようやくガレージから自宅のとある部屋へとぐったりとした葵を連行する事ができた。

「っご、ほ……はァ……」
 首輪を離すと、葵は力無く咳き込む。ここまで乱雑に引きずられている最中でも葵は痒みと痛みに喘ぎ、肌を掻き毟る事を止めなかった。身体中が血と膿の混合液で汚れ、吐き気を催す程に醜悪な姿になっているのを僕は確認する。

「入るんだ、治療をしてあげよう」
 葵を強引に部屋に押し込む。
 そして、葵を連れてきたこの部屋。ここは僕の計画を担うためには不可欠な聖域だった。
 他の部屋以上に厳重に施錠がされ、僕以外が立ち入る事はまず無いと思っていた。
 その部屋は茜の進化の為に必要な器具、設備などを管理する為の部屋だった。具体的には茜の四肢を切り落とした際の電動ノコギリ、抜歯を行った際の開口器、ペンチなどのその他にもあらゆる事態を想定して刃物、凶器、医療器具などが一括で管理・保存されている。
 つまり、この部屋では治療も含めあらゆる『実験』が可能という事である。

「……何を、するつもりなんですか……?」
 部屋中に保管された器具の存在に気付き、葵は血の気の引いた様子で僕に問う。
「治療だよ。君のお姉さんに頼まれたからね、信用できない?」
 葵は返事はしなかったが、明らかに不安そうな様子だった。
「まぁ、僕が君たち姉妹にしてきた仕打ちを考えれば無理も無いか。別に無理にとは言わないよ、僕は君に手は出さないという約束だしね。あくまで君の意思を尊重しなければならない」
 だが、僕は実験では無くあくまで治療を勧めるという体を崩さず振る舞う。あくまで葵自身の意思を尊重する事を前提としなければ、茜との約束を破ってしまう事になる。
 僕は、愛する人との約束を簡単に破るような軽薄な男ではない。それに、そちらの方が茜に対しても『効果』がある。
「……っく」
「ただ……今後、更に悪化するであろうその身体で君が耐えられるとは思えないけれどね」
 だが、葵が治療を断れないことは予測していた。彼女の様子を見れば、それは明らかだ。
 血と膿に塗れ、常に身体中を痒みと痛みが支配している。そんな状態からは直ぐにでも抜け出したいに決まっている。 
 今後、この苦しみが更に増すなど考えただけで背筋が凍るはず。
 葵に選択肢など最初から無かったのだ。

「……治して、治して……ください。もう、頭がおかしくなりそう……っ」
 そして、葵は予想の通り僕に助けを求めた。葵自身の意思で僕に。
「分かった。まずはその身体中の痒みと炎症を抑える為の治療から始めよう」
 そして、僕はその答えを待っていたかのように注射器を取り出し、その中を粉末で溶かした薬品で満たしていく。この薬品を葵の体内に注入する事が僕にとっての『治療』であり『実験』となる。
「さぁ、手を出して」
 しかし、注射器を見て葵は大きく取り乱す。葵の身体を穴だらけにに、傷付け、今の苦しみを生み出したその器具を見て、悪夢がフラッシュバックしたのだろう。
「っひ……いや、や、です……もう……っ」
 だが、僕は柔和な態度を崩さない。あくまで葵の意思を尊重する事を優先する。震える茜を落ち着かせる様に優しく抱く。
「心配しなくて良い。もう君の血を抜き取ろうなんてつもりは無い」
 だが、葵が取り乱す事も僕は想定済みだ。計算通り、優しく葵の肩を抱き耳元で優しく囁く。
「これで体内に薬を注入して内部から炎症と痒みを抑えるんだ。なぁに、一瞬だけ我慢してくれればすぐに終わる。けれど、ここで何もしなければ……苦しみはもっと続く、我慢できるかい?」
 葵は幼い子供の様に首を横に振る。苦痛に歪んだ表情が同情を誘う。
「む……り……っ」
「なら、どうしたい?」
「は、やく……ください……っ、お薬……っ」
 僕の口角は自然に吊り上がった。
 茜は僕の期待通りの言葉を発してくれた。それで良い。
「……良い子だ。すぐに気持ちが良くなって、痒みも何も感じなくなる。怖い事も、悲しい事も全て」
 僕は静かに葵の静脈に注射器を差し込み、そして内容物をゆっくりと注入していく。
 葵の血管に薬が溶け込み、流れ込む。
「ほんと……です、か? 私の身体……ちゃんと元通り、綺麗に戻ります……よね?」
 
 葵の問いに対し、僕は何も言わずに笑みを浮かべた。
 それに対し、葵も安堵した様に微かな笑みを浮かべた。

 だが、葵は何も気付いていなかったのだ。自分の身体に入り込んだ薬が何なのか。それによって自分がどうなるのかも全て。

 そして、薬を注射された葵の様子に異変が現れるの時間は殆どかからなかった。
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