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第7章 耽溺の刑
第46話 醜い家畜の少女
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その後、監禁部屋の前に戻った僕に対し、葵は激しい禁断症状の中であっても覚醒剤の投与を断った。
再び投与すれば、瞬間的でも苦痛が和らぎ、脳内が快楽に満たされる事は葵自身が一番よく知っているだろう。
けれど、葵はそれでも断った。僅かに残った人間としての倫理と正義感が葵をそうさせたのだ。
生真面目な葵はこれ以上、自分が人間としての道を外れていく事が許せなかったのだろう。朦朧とする意識の中、薬に頼らず、自力で苦痛に耐える事を選んだ。
こういう正義感が強く、生真面目な部分は茜に似たのだろうか、等とぼんやりと考えながら僕は葵の監禁部屋の前に立っていた。
……そして、それから更に一時間が経過した頃、葵の呻き声はピタリと止み、周辺は静寂に包まれる。
「そろそろ、頃合いか……」
葵の反応が途絶えたのを確認し、僕は監禁部屋のドアを何度かノックする。
「葵、体調はどうだい? 随分と大人しくなった様だが……」
葵からの応答は無い。虚しく僕の声だけが廊下に反響する。
「死んだ訳じゃないんだろう、返事くらいしてくれ」
それでも葵の応答は無い。あるのは静寂だけ。
僕は監禁部屋の鍵を開け、ゆっくりと室内へと足を踏み入れる。
そして、予想通りの光景を目にして安堵する。
部屋の中心には、細かく痙攣を繰り返しながら床に伏した葵の姿。僕はひとまず葵の口の拘束を解いてやり、押し込んだ布を吐かせる。
「……ァ……」
口に押し込んだ布は血と涎でべっとり湿っていた。見開かれた目からは涙が流れ、鼻と口からも下品に液体が垂れ流し。
最早、苦痛に喘ぐ気力すら葵には残っていなかった。屍の様に床に転がり、今でも激しい禁断症状による苦痛に全身を侵されている事だろう。
僕はそんな葵を足で小突き、僅かな温度と痙攣を感じた事で生存を確認する。
「死んでいる訳では無さそうだが……今にも死んでしまいそうだね。もう声を上げる気力すら残っていないのか? 葵」
僕の声に、ようやく葵が反応を示した。眼球だけが生々しく僕の方へ向けられ、僕と葵の視線が交差する。
「……く……」
「何だい、はっきりと話してくれないと分からないよ。薬漬けの脳味噌でも人間の言葉くらいはまだ話せるだろう?」
掠れきった葵の声に、僕は耳を貸さない。それでも、葵は力を振り絞って僕に訴えかける。
「……く、ださぃ……うっ、て……」
「うん?」
「くすり……ぅって……おねがい、します……っ」
涙と鼻水と涎で顔面を汚しながら、葵は僕に懇願する。
それに対し、僕は葵の要求に呆れた様に溜息を吐いた。そして、軽蔑と侮蔑の視線を葵に向ける。
「それは無理だ、葵。一時間前に君が僕に言ったばかりだろう? 二度と薬なんて必要無い、治療も必要無い、と。君がそう望んだ以上、僕はそれに従わなければならない。そういう約束だからね」
一時間前、葵は確かに僕の薬の投与を断った。苦痛の中、僕を突き放す様に。
そして、今……葵は僕に真逆の要求をしている。醜く掌を返し、恥も知らずに僕に薬の投与を懇願している。つまり、それ程までに葵の肉体と精神は薬に侵され、崩壊していたのだった。
「もぅ……いい、いい……からぁ……ッ」
「君から僕に命令しておいて、都合が悪くなったら『もう良い』だって? 随分と都合が良いとは思わないか? 実験動物の分際で」
苦痛の中、葵はとうとう限界に達したのだ。人間としての倫理、正義……そんなものを足蹴にしてでも快楽を求め、恥知らずの卑しい表情を浮かべながら、僕に投薬を懇願している。
「ごめん、っなざぃ……すぃま、せん……ッ、ごめん……なざィ……いっ……」
それは既に人間の表情ではなく、餌を下品に求める家畜の表情だった。
薬の圧倒的な快楽により、葵は既に身も心も人間から家畜へと惨めに堕落したのだ。
「それで、何が欲しいって? 僕は頭が悪いからさ、はっきりと教えてくれないと困るんだ」
「くすり……クス、リ……っ、しろい……こなの……っ、きもち、よく……なるや……っ」
数日前までは平凡な少女だった吹山 葵。それが今では覚醒剤に溺れ、家畜の様に卑しく惨めな姿で僕の目の前に床を這っている。
平凡な葵を破壊し、僕は新たな葵を造り出した。惨めな実験動物へと葵を造り替え、新たに生み出した。
「全く、最近の少女は恐ろしいよ。一回キマった程度でこの様とは。酷く無様で、醜く、卑しいものだね」
僕は葵を見下した様に吐き捨てたが、葵の耳には届いていない。
既に葵の全意識は、僕がポケットから取り出した、白い粉の入った小袋に注がれていた。涎を垂らしながらその小袋に全意識を集中させていた。
「ほら、吸いたければ吸うと良い」
僕は小袋を開け、中身の粉末を床へ散乱させる。白い粉が空中を舞い、やがて床へと広がる。
「あッ……ありが、とう……ござい……」
葵はそれでも構わない。床に散乱した粉末を下品に舌で舐め取り、醜く鼻で吸引しようと無様に床を這う。床を粘液で汚しながら、葵は床を這う。
その姿はまさに家畜。その姿は何時間でも眺めていられそうな程に愉快だったが、まだ無能な家畜に餌を与えるには早い。
僕は葵の艶のある髪を乱暴に鷲掴みにし、床を這う葵の動きを封じる。
「が……ァ……」
「存分に召し上がれ……と、言いたいところだが……まだ駄目だ。君にまだ餌を与える訳にはいかない」
「へ……ぇ……っ?」
葵は餌を目にして歓喜の表情を浮かべていたが、それは即座に崩壊し、苦悶の表情が蘇る。
「悪い子にタダであげられる程コレも安くないんだ。だから、コレが欲しいのなら……相応の誠意を僕に見せてくれ。家畜らしく、醜くね」
そして、僕は更に葵に残酷な要求を求めた。
再び投与すれば、瞬間的でも苦痛が和らぎ、脳内が快楽に満たされる事は葵自身が一番よく知っているだろう。
けれど、葵はそれでも断った。僅かに残った人間としての倫理と正義感が葵をそうさせたのだ。
生真面目な葵はこれ以上、自分が人間としての道を外れていく事が許せなかったのだろう。朦朧とする意識の中、薬に頼らず、自力で苦痛に耐える事を選んだ。
こういう正義感が強く、生真面目な部分は茜に似たのだろうか、等とぼんやりと考えながら僕は葵の監禁部屋の前に立っていた。
……そして、それから更に一時間が経過した頃、葵の呻き声はピタリと止み、周辺は静寂に包まれる。
「そろそろ、頃合いか……」
葵の反応が途絶えたのを確認し、僕は監禁部屋のドアを何度かノックする。
「葵、体調はどうだい? 随分と大人しくなった様だが……」
葵からの応答は無い。虚しく僕の声だけが廊下に反響する。
「死んだ訳じゃないんだろう、返事くらいしてくれ」
それでも葵の応答は無い。あるのは静寂だけ。
僕は監禁部屋の鍵を開け、ゆっくりと室内へと足を踏み入れる。
そして、予想通りの光景を目にして安堵する。
部屋の中心には、細かく痙攣を繰り返しながら床に伏した葵の姿。僕はひとまず葵の口の拘束を解いてやり、押し込んだ布を吐かせる。
「……ァ……」
口に押し込んだ布は血と涎でべっとり湿っていた。見開かれた目からは涙が流れ、鼻と口からも下品に液体が垂れ流し。
最早、苦痛に喘ぐ気力すら葵には残っていなかった。屍の様に床に転がり、今でも激しい禁断症状による苦痛に全身を侵されている事だろう。
僕はそんな葵を足で小突き、僅かな温度と痙攣を感じた事で生存を確認する。
「死んでいる訳では無さそうだが……今にも死んでしまいそうだね。もう声を上げる気力すら残っていないのか? 葵」
僕の声に、ようやく葵が反応を示した。眼球だけが生々しく僕の方へ向けられ、僕と葵の視線が交差する。
「……く……」
「何だい、はっきりと話してくれないと分からないよ。薬漬けの脳味噌でも人間の言葉くらいはまだ話せるだろう?」
掠れきった葵の声に、僕は耳を貸さない。それでも、葵は力を振り絞って僕に訴えかける。
「……く、ださぃ……うっ、て……」
「うん?」
「くすり……ぅって……おねがい、します……っ」
涙と鼻水と涎で顔面を汚しながら、葵は僕に懇願する。
それに対し、僕は葵の要求に呆れた様に溜息を吐いた。そして、軽蔑と侮蔑の視線を葵に向ける。
「それは無理だ、葵。一時間前に君が僕に言ったばかりだろう? 二度と薬なんて必要無い、治療も必要無い、と。君がそう望んだ以上、僕はそれに従わなければならない。そういう約束だからね」
一時間前、葵は確かに僕の薬の投与を断った。苦痛の中、僕を突き放す様に。
そして、今……葵は僕に真逆の要求をしている。醜く掌を返し、恥も知らずに僕に薬の投与を懇願している。つまり、それ程までに葵の肉体と精神は薬に侵され、崩壊していたのだった。
「もぅ……いい、いい……からぁ……ッ」
「君から僕に命令しておいて、都合が悪くなったら『もう良い』だって? 随分と都合が良いとは思わないか? 実験動物の分際で」
苦痛の中、葵はとうとう限界に達したのだ。人間としての倫理、正義……そんなものを足蹴にしてでも快楽を求め、恥知らずの卑しい表情を浮かべながら、僕に投薬を懇願している。
「ごめん、っなざぃ……すぃま、せん……ッ、ごめん……なざィ……いっ……」
それは既に人間の表情ではなく、餌を下品に求める家畜の表情だった。
薬の圧倒的な快楽により、葵は既に身も心も人間から家畜へと惨めに堕落したのだ。
「それで、何が欲しいって? 僕は頭が悪いからさ、はっきりと教えてくれないと困るんだ」
「くすり……クス、リ……っ、しろい……こなの……っ、きもち、よく……なるや……っ」
数日前までは平凡な少女だった吹山 葵。それが今では覚醒剤に溺れ、家畜の様に卑しく惨めな姿で僕の目の前に床を這っている。
平凡な葵を破壊し、僕は新たな葵を造り出した。惨めな実験動物へと葵を造り替え、新たに生み出した。
「全く、最近の少女は恐ろしいよ。一回キマった程度でこの様とは。酷く無様で、醜く、卑しいものだね」
僕は葵を見下した様に吐き捨てたが、葵の耳には届いていない。
既に葵の全意識は、僕がポケットから取り出した、白い粉の入った小袋に注がれていた。涎を垂らしながらその小袋に全意識を集中させていた。
「ほら、吸いたければ吸うと良い」
僕は小袋を開け、中身の粉末を床へ散乱させる。白い粉が空中を舞い、やがて床へと広がる。
「あッ……ありが、とう……ござい……」
葵はそれでも構わない。床に散乱した粉末を下品に舌で舐め取り、醜く鼻で吸引しようと無様に床を這う。床を粘液で汚しながら、葵は床を這う。
その姿はまさに家畜。その姿は何時間でも眺めていられそうな程に愉快だったが、まだ無能な家畜に餌を与えるには早い。
僕は葵の艶のある髪を乱暴に鷲掴みにし、床を這う葵の動きを封じる。
「が……ァ……」
「存分に召し上がれ……と、言いたいところだが……まだ駄目だ。君にまだ餌を与える訳にはいかない」
「へ……ぇ……っ?」
葵は餌を目にして歓喜の表情を浮かべていたが、それは即座に崩壊し、苦悶の表情が蘇る。
「悪い子にタダであげられる程コレも安くないんだ。だから、コレが欲しいのなら……相応の誠意を僕に見せてくれ。家畜らしく、醜くね」
そして、僕は更に葵に残酷な要求を求めた。
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