処女壊体-the making of a saint-

柘榴

文字の大きさ
46 / 125
第7章 耽溺の刑

第46話 醜い家畜の少女

しおりを挟む
 その後、監禁部屋の前に戻った僕に対し、葵は激しい禁断症状の中であっても覚醒剤の投与を断った。

 再び投与すれば、瞬間的でも苦痛が和らぎ、脳内が快楽に満たされる事は葵自身が一番よく知っているだろう。
 けれど、葵はそれでも断った。僅かに残った人間としての倫理と正義感が葵をそうさせたのだ。
 生真面目な葵はこれ以上、自分が人間としての道を外れていく事が許せなかったのだろう。朦朧とする意識の中、薬に頼らず、自力で苦痛に耐える事を選んだ。
 こういう正義感が強く、生真面目な部分は茜に似たのだろうか、等とぼんやりと考えながら僕は葵の監禁部屋の前に立っていた。

 ……そして、それから更に一時間が経過した頃、葵の呻き声はピタリと止み、周辺は静寂に包まれる。

「そろそろ、頃合いか……」
 葵の反応が途絶えたのを確認し、僕は監禁部屋のドアを何度かノックする。
「葵、体調はどうだい? 随分と大人しくなった様だが……」
 葵からの応答は無い。虚しく僕の声だけが廊下に反響する。
「死んだ訳じゃないんだろう、返事くらいしてくれ」
 それでも葵の応答は無い。あるのは静寂だけ。
 僕は監禁部屋の鍵を開け、ゆっくりと室内へと足を踏み入れる。
 そして、予想通りの光景を目にして安堵する。
 
 部屋の中心には、細かく痙攣を繰り返しながら床に伏した葵の姿。僕はひとまず葵の口の拘束を解いてやり、押し込んだ布を吐かせる。
「……ァ……」
 口に押し込んだ布は血と涎でべっとり湿っていた。見開かれた目からは涙が流れ、鼻と口からも下品に液体が垂れ流し。
 最早、苦痛に喘ぐ気力すら葵には残っていなかった。屍の様に床に転がり、今でも激しい禁断症状による苦痛に全身を侵されている事だろう。
 僕はそんな葵を足で小突き、僅かな温度と痙攣を感じた事で生存を確認する。
「死んでいる訳では無さそうだが……今にも死んでしまいそうだね。もう声を上げる気力すら残っていないのか? 葵」
 僕の声に、ようやく葵が反応を示した。眼球だけが生々しく僕の方へ向けられ、僕と葵の視線が交差する。
「……く……」
「何だい、はっきりと話してくれないと分からないよ。薬漬けの脳味噌でも人間の言葉くらいはまだ話せるだろう?」
 掠れきった葵の声に、僕は耳を貸さない。それでも、葵は力を振り絞って僕に訴えかける。

「……く、ださぃ……うっ、て……」
「うん?」
「くすり……ぅって……おねがい、します……っ」

 涙と鼻水と涎で顔面を汚しながら、葵は僕に懇願する。
 それに対し、僕は葵の要求に呆れた様に溜息を吐いた。そして、軽蔑と侮蔑の視線を葵に向ける。
「それは無理だ、葵。一時間前に君が僕に言ったばかりだろう? 二度と薬なんて必要無い、治療も必要無い、と。君がそう望んだ以上、僕はそれに従わなければならない。そういう約束だからね」
 一時間前、葵は確かに僕の薬の投与を断った。苦痛の中、僕を突き放す様に。
 そして、今……葵は僕に真逆の要求をしている。醜く掌を返し、恥も知らずに僕に薬の投与を懇願している。つまり、それ程までに葵の肉体と精神は薬に侵され、崩壊していたのだった。

「もぅ……いい、いい……からぁ……ッ」
「君から僕に命令しておいて、都合が悪くなったら『もう良い』だって? 随分と都合が良いとは思わないか? 実験動物の分際で」
 苦痛の中、葵はとうとう限界に達したのだ。人間としての倫理、正義……そんなものを足蹴にしてでも快楽を求め、恥知らずの卑しい表情を浮かべながら、僕に投薬を懇願している。

「ごめん、っなざぃ……すぃま、せん……ッ、ごめん……なざィ……いっ……」
 それは既に人間の表情ではなく、餌を下品に求める家畜の表情だった。
 薬の圧倒的な快楽により、葵は既に身も心も人間から家畜へと惨めに堕落したのだ。
「それで、何が欲しいって? 僕は頭が悪いからさ、はっきりと教えてくれないと困るんだ」
「くすり……クス、リ……っ、しろい……こなの……っ、きもち、よく……なるや……っ」
 数日前までは平凡な少女だった吹山 葵。それが今では覚醒剤に溺れ、家畜の様に卑しく惨めな姿で僕の目の前に床を這っている。
 平凡な葵を破壊し、僕は新たな葵を造り出した。惨めな実験動物へと葵を造り替え、新たに生み出した。
「全く、最近の少女は恐ろしいよ。一回キマった程度でこの様とは。酷く無様で、醜く、卑しいものだね」
 僕は葵を見下した様に吐き捨てたが、葵の耳には届いていない。

 既に葵の全意識は、僕がポケットから取り出した、白い粉の入った小袋に注がれていた。涎を垂らしながらその小袋に全意識を集中させていた。
「ほら、吸いたければ吸うと良い」
 僕は小袋を開け、中身の粉末を床へ散乱させる。白い粉が空中を舞い、やがて床へと広がる。
「あッ……ありが、とう……ござい……」
 葵はそれでも構わない。床に散乱した粉末を下品に舌で舐め取り、醜く鼻で吸引しようと無様に床を這う。床を粘液で汚しながら、葵は床を這う。
 その姿はまさに家畜。その姿は何時間でも眺めていられそうな程に愉快だったが、まだ無能な家畜に餌を与えるには早い。

 僕は葵の艶のある髪を乱暴に鷲掴みにし、床を這う葵の動きを封じる。
「が……ァ……」
「存分に召し上がれ……と、言いたいところだが……まだ駄目だ。君にまだ餌を与える訳にはいかない」
「へ……ぇ……っ?」
 葵は餌を目にして歓喜の表情を浮かべていたが、それは即座に崩壊し、苦悶の表情が蘇る。
「悪い子にタダであげられる程コレも安くないんだ。だから、コレが欲しいのなら……相応の誠意を僕に見せてくれ。家畜らしく、醜くね」
 
 そして、僕は更に葵に残酷な要求を求めた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...