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第11章 逃避の刑
第99話 心の在処
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「なんで……っ、どうして……」
それから、どれだけの時間をかけ茜を呼びかけても僕へ反応が返ってくることは無かった。
今までの苦痛や絶望に歪んだ表情とは違う……満足をしたような表情を保ったまま、茜は抜け殻となってしまったのだ。
茜は自分が生還する事など既に諦めていた。その茜にとって、最後の望みであったのが実妹である葵の生還。
極限の精神状態の中、僕の言葉を疑う事もせず……茜は最後の望みが叶った事を知り、心は完全に死に絶えたのだ。
心を破壊し、新たな心を植え付けるのが僕の当初の目的だった。だが、茜の肉体には既に心の在処そのものが無い。新たに心を植え付ける余地すら与えられていないのだ。
「くそ、くそくそくそ!」
度重なる苦痛と絶望により、心が荒み、壊れていくのは分かった。けれど、心の在処そのものが消え去ることは無かった。
痛め付けられ、足蹴にされていようとも、確かにそこには心があったのだ。
だが、今の茜には心が無い。魂と共に抜け落ち、それを納める器そのものが存在しない状態。いわば、ただの肉塊なのだ。
僕は君をこんなところで満足させるわけにはいかない。茜と葵……君たち姉妹には、これからもずっと……生の中で極限の絶望を味わい続けてもらうのだから。
僕が茜から離れた事? それとも、ティエラの不始末? 考えられる原因は幾らでもあったが、この際はどうでも良い。
確かなのは、すぐにでも対処をしなければ茜は僕の元へは戻ってこないという事。
その為ならば……僕は、何だってする。
僕は裸足でガレージから自宅へと駆け上がり、僕はティエラに与えている部屋のドアを開き中へ駆け込む。
「おい! ティエラ! 来い、今すぐにだ!」
中に入ると、簡易ベッドの上でティエラは無防備に眠っていた。
部屋の荷物は既に片付いており、荷物もまとめられていた。既に日本を発つ準備は整っているようだった。
「ん……ぅ……?」
目を擦りながら、気の抜けた声でティエラは目を覚ます。
「……この一大事に……何を呑気に」
「あんたこそ、いきなり何のつもり。もう、あたしはあんたの命令なんて」
事の重大性も理解せず、呑気な態度を取るティエラに、僕は苛立ちを隠し切れなかった。
僕は勢い良くベッドの上のティエラを殴りつけ、そのまま馬乗りになり自由を奪う。
「お前……っ! 離れろ! 一体、何……」
護身術を心得ているとはいえ、所詮はティエラも少女だ。僕の力に抗う事も出来ず、口汚く僕を罵るだけだ。
そして……僕は、忍ばせていた注射器の針をティエラの首元へ突き刺し、その中身を躊躇いなく注入する。
「が……っ」
注射器が首元に突き刺さり、ティエラの罵倒は止んだ。
「遅効性の毒だ。苦しんで死にたくなければ僕の命令通りに動け」
「は……っ、ぁ……おま、え……」
「仕事は最後まで全うしてもらう。何があってもね」
そして、僕はテ金髪を鷲掴みにしたティエラを強引に連れ戻す。
かつて『茜だったモノ』が、眠る場所へと。
それから、どれだけの時間をかけ茜を呼びかけても僕へ反応が返ってくることは無かった。
今までの苦痛や絶望に歪んだ表情とは違う……満足をしたような表情を保ったまま、茜は抜け殻となってしまったのだ。
茜は自分が生還する事など既に諦めていた。その茜にとって、最後の望みであったのが実妹である葵の生還。
極限の精神状態の中、僕の言葉を疑う事もせず……茜は最後の望みが叶った事を知り、心は完全に死に絶えたのだ。
心を破壊し、新たな心を植え付けるのが僕の当初の目的だった。だが、茜の肉体には既に心の在処そのものが無い。新たに心を植え付ける余地すら与えられていないのだ。
「くそ、くそくそくそ!」
度重なる苦痛と絶望により、心が荒み、壊れていくのは分かった。けれど、心の在処そのものが消え去ることは無かった。
痛め付けられ、足蹴にされていようとも、確かにそこには心があったのだ。
だが、今の茜には心が無い。魂と共に抜け落ち、それを納める器そのものが存在しない状態。いわば、ただの肉塊なのだ。
僕は君をこんなところで満足させるわけにはいかない。茜と葵……君たち姉妹には、これからもずっと……生の中で極限の絶望を味わい続けてもらうのだから。
僕が茜から離れた事? それとも、ティエラの不始末? 考えられる原因は幾らでもあったが、この際はどうでも良い。
確かなのは、すぐにでも対処をしなければ茜は僕の元へは戻ってこないという事。
その為ならば……僕は、何だってする。
僕は裸足でガレージから自宅へと駆け上がり、僕はティエラに与えている部屋のドアを開き中へ駆け込む。
「おい! ティエラ! 来い、今すぐにだ!」
中に入ると、簡易ベッドの上でティエラは無防備に眠っていた。
部屋の荷物は既に片付いており、荷物もまとめられていた。既に日本を発つ準備は整っているようだった。
「ん……ぅ……?」
目を擦りながら、気の抜けた声でティエラは目を覚ます。
「……この一大事に……何を呑気に」
「あんたこそ、いきなり何のつもり。もう、あたしはあんたの命令なんて」
事の重大性も理解せず、呑気な態度を取るティエラに、僕は苛立ちを隠し切れなかった。
僕は勢い良くベッドの上のティエラを殴りつけ、そのまま馬乗りになり自由を奪う。
「お前……っ! 離れろ! 一体、何……」
護身術を心得ているとはいえ、所詮はティエラも少女だ。僕の力に抗う事も出来ず、口汚く僕を罵るだけだ。
そして……僕は、忍ばせていた注射器の針をティエラの首元へ突き刺し、その中身を躊躇いなく注入する。
「が……っ」
注射器が首元に突き刺さり、ティエラの罵倒は止んだ。
「遅効性の毒だ。苦しんで死にたくなければ僕の命令通りに動け」
「は……っ、ぁ……おま、え……」
「仕事は最後まで全うしてもらう。何があってもね」
そして、僕はテ金髪を鷲掴みにしたティエラを強引に連れ戻す。
かつて『茜だったモノ』が、眠る場所へと。
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