処女壊体-the making of a saint-

柘榴

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第15章 生誕の刑

第118話 悲劇の終焉

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 通報をしてしばらくすると、何人かの警察官達が僕の家を訪ねて来た。
 絶え間無く僕の名を呼び続け、扉を何度も蹴り上げている。

 通報をした時、最初は悪戯だと思われたのだろう。電話口ではまともに取り合ってくれなかったが、僕が行方不明になっているはずの『吹山 茜』『吹山 葵』の名前を出すと、あちらの対応も変わった。

 そして、その通報者が容疑者の人であった僕……『高城 亮』だったというのが決定的だったのだろう。
 家の扉を開けた途端、僕は複数人の警察官に取り押さえられ、残りの者達は家の中、そしてガレージへと降りて行く。

 しばらくすると、ガレージから警察官達の凄まじい悲鳴が聞こえてきた。ガレージの中の光景は、彼らの想像以上に陰惨で、残酷な光景だったらしい。
 血と精液で制服を汚した警察官達が腰を抜かした状態でガレージから逃げ出してくる姿を僕は目にした。

 そして、僕にはすぐに手錠がかけられ、拘束させる。
 手錠をかける時、警察官がその瞬間の日時を声に出すのだけれど、その時に初めて時の流れを実感した。

 何故ならば、最初の妊娠を確認してから、既に八ヶ月の時間が経過していたという事だ。
 各々で妊娠の時期に多少のズレはあるものの、いずれにしろどの子供も半年は母親の腹の中で成長を遂げているという事実を僕は知った。

 既に逃げ出している葵の近況は分からないものの、茜とティエラの中の子は順調に育ってきている事は明白であった。
 それは、彼女達の膨らんだ腹を見れば分かる。

「これで、良い」

 僕はパトカーに乗せられた後、静かにそう呟いた。

 僕の逮捕と引き換えに茜、葵、ティエラの全員がようやく保護され、十分な治療を受ける事が出来るきっかけを作る事が出来た。

 そして、その中に宿る子供達が……健やかな姿で産まれるきっかけも。

 それが保証されるのなら、僕が逮捕される事など全く問題になどならないのだ。

 連行をされている最中も、僕の笑みが絶える事は無かった。

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