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第15章 生誕の刑
第120話 示された運命
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「……分かりました」
北条は自信を落ち着かせるかの様に一息を吐き、僕の提案をあっさりと了承した。
落ち着きを取り戻し、再び僕と目を合わせる。
「何だ、随分とあっさりとしているね。君は新米なんだろう? 上に確認を取ってからじゃなくても良いのか?」
「上からは……何をしてでも貴方の口を割らせろと命じられています。不本意ですが、貴方が話すというのなら、私も全てを……お話します」
何とか落ち着きを取り戻し、北条はあくまで事務的な対応で僕に接する。
感情を表に出しても、僕に小馬鹿にされるだけだとようやく理解したのだろう。
だが、その不安や緊張感はやはり隠しきれず、彼女の表情や口調から確実に漏れ出していた。
「ああ、分かった。こちらとしても、それさえ聞ければ無意味に抵抗するつもりは無い。では、早速聞こう……一番最初に保護されたであろう『吹山 葵』の近況からだ。彼女は僕の素材の中でも最も幼いからね、逃した後も心配をしていたんだ」
僕の口から被害者の一人の名が出た事で、再び北条の表情は曇る。
被害者の中で最も幼く、内気な少女。最も早く保護された筈の葵だが、僕の手を離れてからの様子はまるで分からない。
「……っ」
葵の凄惨な現状を知っているであろう北条は目を背け、口を中々開こうとしない。
頭では言うべき内容を理解しているのに、思い通りに口が動かない、そんな様子だった。
「どうした? 話してくれないのか?」
「あの子は……」
そして、僕が急かすと北条は重々しく口を開き、葵の近況についてゆっくりと、静かに語り出す。
「彼女は……『吹山 葵』は憔悴しきった状態で保護されました。保護された時の彼女は……酷い様子だったと、聞いています……」
「重度の薬物中毒で意思疎通すら困難。それに加え……もう一つ、あるのだろう? 君がそこまで僕に怒りを露にする理由が」
北条の表情を見て、僕は確信した。
物事は、僕の思い通りに進んでいる。
北条が怒りを露わにしてるのは、他でも無いこれが一番の理由だろう。
「……彼女は、あの幼い身体に……望みもしない子を、孕まされていた……あなたの、思惑通りに……」
女性だからこそ、この現実の残酷さをより深く理解出来ているのだろう。
僕の様な異常者との間の望まぬ子を孕み……その成長を日々、感じ取る事の残酷さを。
「ああ、安心した。上手く孕んでいた様だね。薬漬けの身体だったから、心配していたんだ。それで? どのくらい育っている?」
「……何て、醜悪な事を」
北条は拳を握り、怒りに震えている。
「つまり、順調に葵の腹は膨れているという事だね。意思疎通も取れない状態では、中絶の同意も得られていないのだろうからね。同意を得られているのなら、とっくにそうしている……そうだろう?」
葵はあの後、すぐに保護され、しばらくした後に妊娠をしている事も判明した。
だが、肝心の本人と意思疎通が取れなければ中絶は行えない。重度の薬物中毒に陥った葵は、既に他人へ意思表示を行う事すら困難という事。
形はどうあれ、葵は僕からの『刷り込み』を遵守している様で一先ずは安心だ。
「それに、人工中絶が許可されているのは妊娠から二十一週目まで何だろう? 正確では無いが、三人とも既に妊娠から半年~八ヶ月は経過している。どちらにしろ……彼女達が正攻法で子を堕ろす事は出来ない」
そして、僕の言葉に北条の顔からは更に血の気が引いていく。
「貴方は……それを知っていたから……今更になって、自首を……」
「いいや、単なる偶然だ。余りにも君たち警察が愚鈍だったものでね、気付いた時には……そうなっていたんだ」
北条の目線は、軽蔑から畏怖へと変わった。僕という異常者を目にし、心の底から嫌悪感を抱いていると感じ取れる。
「残念だったね。警察がもう少し僕を捕まえていれば……彼女達の未来も変わっただろうに」
そう、これは運命が導いているのだ。
彼女達三人は……僕の子を孕み、産むべきであると。
北条は自信を落ち着かせるかの様に一息を吐き、僕の提案をあっさりと了承した。
落ち着きを取り戻し、再び僕と目を合わせる。
「何だ、随分とあっさりとしているね。君は新米なんだろう? 上に確認を取ってからじゃなくても良いのか?」
「上からは……何をしてでも貴方の口を割らせろと命じられています。不本意ですが、貴方が話すというのなら、私も全てを……お話します」
何とか落ち着きを取り戻し、北条はあくまで事務的な対応で僕に接する。
感情を表に出しても、僕に小馬鹿にされるだけだとようやく理解したのだろう。
だが、その不安や緊張感はやはり隠しきれず、彼女の表情や口調から確実に漏れ出していた。
「ああ、分かった。こちらとしても、それさえ聞ければ無意味に抵抗するつもりは無い。では、早速聞こう……一番最初に保護されたであろう『吹山 葵』の近況からだ。彼女は僕の素材の中でも最も幼いからね、逃した後も心配をしていたんだ」
僕の口から被害者の一人の名が出た事で、再び北条の表情は曇る。
被害者の中で最も幼く、内気な少女。最も早く保護された筈の葵だが、僕の手を離れてからの様子はまるで分からない。
「……っ」
葵の凄惨な現状を知っているであろう北条は目を背け、口を中々開こうとしない。
頭では言うべき内容を理解しているのに、思い通りに口が動かない、そんな様子だった。
「どうした? 話してくれないのか?」
「あの子は……」
そして、僕が急かすと北条は重々しく口を開き、葵の近況についてゆっくりと、静かに語り出す。
「彼女は……『吹山 葵』は憔悴しきった状態で保護されました。保護された時の彼女は……酷い様子だったと、聞いています……」
「重度の薬物中毒で意思疎通すら困難。それに加え……もう一つ、あるのだろう? 君がそこまで僕に怒りを露にする理由が」
北条の表情を見て、僕は確信した。
物事は、僕の思い通りに進んでいる。
北条が怒りを露わにしてるのは、他でも無いこれが一番の理由だろう。
「……彼女は、あの幼い身体に……望みもしない子を、孕まされていた……あなたの、思惑通りに……」
女性だからこそ、この現実の残酷さをより深く理解出来ているのだろう。
僕の様な異常者との間の望まぬ子を孕み……その成長を日々、感じ取る事の残酷さを。
「ああ、安心した。上手く孕んでいた様だね。薬漬けの身体だったから、心配していたんだ。それで? どのくらい育っている?」
「……何て、醜悪な事を」
北条は拳を握り、怒りに震えている。
「つまり、順調に葵の腹は膨れているという事だね。意思疎通も取れない状態では、中絶の同意も得られていないのだろうからね。同意を得られているのなら、とっくにそうしている……そうだろう?」
葵はあの後、すぐに保護され、しばらくした後に妊娠をしている事も判明した。
だが、肝心の本人と意思疎通が取れなければ中絶は行えない。重度の薬物中毒に陥った葵は、既に他人へ意思表示を行う事すら困難という事。
形はどうあれ、葵は僕からの『刷り込み』を遵守している様で一先ずは安心だ。
「それに、人工中絶が許可されているのは妊娠から二十一週目まで何だろう? 正確では無いが、三人とも既に妊娠から半年~八ヶ月は経過している。どちらにしろ……彼女達が正攻法で子を堕ろす事は出来ない」
そして、僕の言葉に北条の顔からは更に血の気が引いていく。
「貴方は……それを知っていたから……今更になって、自首を……」
「いいや、単なる偶然だ。余りにも君たち警察が愚鈍だったものでね、気付いた時には……そうなっていたんだ」
北条の目線は、軽蔑から畏怖へと変わった。僕という異常者を目にし、心の底から嫌悪感を抱いていると感じ取れる。
「残念だったね。警察がもう少し僕を捕まえていれば……彼女達の未来も変わっただろうに」
そう、これは運命が導いているのだ。
彼女達三人は……僕の子を孕み、産むべきであると。
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