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第2話 禁じられた遊びⅡ
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真奈と加奈はほとんど気にしていなかったが、由宇は両親に近親相姦が発覚したことが相当ショックだったらしく、親戚に引き取られてからは学校にも行かず、引きこもり同様の生活を送っていたようだ。
そして、それからすぐに由宇が自殺した。
自宅で数々の漂白剤、洗剤、消毒液を数リットル飲み込んだ末に死んでいるのを親戚が発見した。そして、由宇の手には走り書きの遺書が握りしめられ、残されていた。
『僕は汚れています。醜く、歪で、汚らしい、卑しい最低の人間です。何度、身体を洗って消毒しても、その汚れが落ちることはありません。外に出れば、皆が僕を汚いと指差し、笑われます。僕はもうこの汚らわしい自分が嫌いで嫌いでどうしようもありません。もう、疲れてしまいました。さようなら、ごめんなさい』
弟はそう書き残して死んだ。
真奈と加奈はこの遺書を見て自分のしてきたことの愚かさにようやく理解した。自らの性欲を満たすための近親相姦は、由宇の精神をすり減らし、追い詰めていた。
由宇はとても優しい子だった。だから、姉たちを受け入れることを拒否できなかったのだ。
だが、姉たちはそれに付け込み、弟を犯し、そして殺すことになった。
実の姉たちに犯され続けた由宇の心は着実に狂い、こうして壊れた。実の姉たちによる『禁じられた遊び』によって。
近親相姦が発覚してから、由宇は自身が汚された存在であると自身を卑下・否定し始め、それはやがて自身が誹謗中傷される幻覚すら引き起こすようになり、由宇は狂っていった。
そして、とうとう由宇は汚された己の存在を許せなくなり、自ら命を絶った。
由宇の自殺を受け、両親は表向きは持病の悪化による自殺とだけ公表して片を付けた。姉たちからの近親相姦が原因の自殺など、とても世間に公表するわけにはいかなかったからだ。
由宇が死んでから、姉たちは互いに高校も中退し、家に引きこもる生活を始めた。
しかし、部屋に籠っていても考えるは由宇の事ばかり。
そんな中、長女の真奈は逃げるように地元を飛び出し、東京で就職した。そして、自らの罪と由宇の存在を忘れるため、気が狂ったかのように仕事をこなし続けた。
やがて二十台前半の若さで真奈の過去を知らない会社の上司と結婚もし、子供も設けた。姓も小鳥遊と改め、真奈は心機一転、新たな生活と家族を手に入れた。
忙しさが増せば、由宇の事を考える時間も自然と少なくなると考え、真奈はとにかく暇を作らないよう徹底した。
仕事、家事、育児……忙しさで自身の頭の中を塗りつぶす日々、確かに真奈は徐々に由宇の事を忘れ始めていた。それどころか、現在では人並み以上の幸せを謳歌している。
過去の、自らの罪も忘れて。
そして、由宇の自殺から十年が経った頃だった。真奈の元へ、実家の父が亡くなったという報せが母から届いた。
そして、それからすぐに由宇が自殺した。
自宅で数々の漂白剤、洗剤、消毒液を数リットル飲み込んだ末に死んでいるのを親戚が発見した。そして、由宇の手には走り書きの遺書が握りしめられ、残されていた。
『僕は汚れています。醜く、歪で、汚らしい、卑しい最低の人間です。何度、身体を洗って消毒しても、その汚れが落ちることはありません。外に出れば、皆が僕を汚いと指差し、笑われます。僕はもうこの汚らわしい自分が嫌いで嫌いでどうしようもありません。もう、疲れてしまいました。さようなら、ごめんなさい』
弟はそう書き残して死んだ。
真奈と加奈はこの遺書を見て自分のしてきたことの愚かさにようやく理解した。自らの性欲を満たすための近親相姦は、由宇の精神をすり減らし、追い詰めていた。
由宇はとても優しい子だった。だから、姉たちを受け入れることを拒否できなかったのだ。
だが、姉たちはそれに付け込み、弟を犯し、そして殺すことになった。
実の姉たちに犯され続けた由宇の心は着実に狂い、こうして壊れた。実の姉たちによる『禁じられた遊び』によって。
近親相姦が発覚してから、由宇は自身が汚された存在であると自身を卑下・否定し始め、それはやがて自身が誹謗中傷される幻覚すら引き起こすようになり、由宇は狂っていった。
そして、とうとう由宇は汚された己の存在を許せなくなり、自ら命を絶った。
由宇の自殺を受け、両親は表向きは持病の悪化による自殺とだけ公表して片を付けた。姉たちからの近親相姦が原因の自殺など、とても世間に公表するわけにはいかなかったからだ。
由宇が死んでから、姉たちは互いに高校も中退し、家に引きこもる生活を始めた。
しかし、部屋に籠っていても考えるは由宇の事ばかり。
そんな中、長女の真奈は逃げるように地元を飛び出し、東京で就職した。そして、自らの罪と由宇の存在を忘れるため、気が狂ったかのように仕事をこなし続けた。
やがて二十台前半の若さで真奈の過去を知らない会社の上司と結婚もし、子供も設けた。姓も小鳥遊と改め、真奈は心機一転、新たな生活と家族を手に入れた。
忙しさが増せば、由宇の事を考える時間も自然と少なくなると考え、真奈はとにかく暇を作らないよう徹底した。
仕事、家事、育児……忙しさで自身の頭の中を塗りつぶす日々、確かに真奈は徐々に由宇の事を忘れ始めていた。それどころか、現在では人並み以上の幸せを謳歌している。
過去の、自らの罪も忘れて。
そして、由宇の自殺から十年が経った頃だった。真奈の元へ、実家の父が亡くなったという報せが母から届いた。
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