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1.ギルド編
第17話 餞別
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シュライトさんの料理、それは見た目からは想像ができないけれどもかなり美味しい。
正直、最初はあのごつい腕で何故かやたら可愛いエプロンをつけて料理する姿に首をひねることか出来なかった。
……特に何故かその可愛いエプロンが似合って見えることに。
けれどもそんな考えはその料理を一口食べた瞬間に吹き飛んだ。
それ程までにシュライトさんの手料理をは美味しかったのだ。
そう、シュライトさんはおっさんだが!
ま、まぁ、今はそんなことは忘れよう。
悲しくなる。
とにかく、シュライトさんのご飯は美味しく、それが今まで僕が逃げずに頑張れた訳だと断言して良いくらいだ。
それが僕の鍛錬中の唯一の楽しみだったのだ。
だからこそ僕は楽しみを隠せない様子でシュライトさんに続いて家の中へと入り……
「えっ?」
そしてその瞬間僕は言葉を失うことになった……
◇◆◇
部屋の中央の机、そこには溢れんばかりの食事が置かれていた。
それはシュライトさんが腕によりを掛けて作った食事で、全て僕の好物。
「それって……」
だが、僕の目を引いたのはその料理ではなく、その上に置かれていた一枚の紙だった。
その紙にはは冒険者を束ねる組織として知られるギルドの証明とされる印刻が記されていて、だからこそその紙に記されていた内容を僕は信じられることができなかった。
「シュライト、さん?」
ーーー 何故ならその紙には僕をCランク冒険者として認める内容が示されていたのだから。
僕はシュライトさんと鍛錬を行なっていたこの一ヶ月間、ギルドには立ち寄ったこともない
あるとしても湿地で自分の実力を過信したのか、死にかけている冒険者を見かけて助けったその程度の関わりしかない。
つまり僕はいつかはするつもりだったが、未だ冒険者としてギルドに登録さえしていない。
なのに、この認定証があるその理由として考えられるのは一つだけだった。
「もしかして、僕を推薦したんですか?」
冒険者はFから始まりAで終わるランク付けによって実力を分ける。
Fが一番低く、Aに近づくにつれてランクが高くなって行く。
そしてそのランクの中でCランクは冒険者の中でも一流と認められるランクなのだ。
確かに実力主義であるギルドでは、Eランクまで飛び級できる。
だが、C級までの飛び級など普通はありえない。
だが一つ、新人である冒険者を最大C級まで飛び級させる裏技が存在する。
それは推薦と呼ばれるシステム。
その内容は高位の冒険者、元高位の冒険者の推薦があれば新人であれ、DランクやCランクなどの中位ランクなれるというもの。
もちろんそれにも条件があり、推薦を行えるのは現役の時にBランクを超えていないと推薦は使えない上に、推薦で飛び級させられるのは現役のランクの二つ下までだ。
しかも、その推薦でランクを上げた新人がミスをするとそれに応じた罰を推薦した高位冒険者も受けなければならない。
それらの理由で推薦を行うのは前線を退き、人材育成に力を注ぎ始めた元高位冒険者程度しかない。
「ああ。そうだ」
「っ!」
だからこそ、僕はシュライトさんのその返答を聞いたその時、涙腺が緩んだ。
シュライトさんがAランクであることを僕は知らなかったが、けれども中々の高位冒険者として今も活躍していることを僕は知っている。
そして推薦を慎重に使うように、推薦された人間が失敗した時の高位冒険者への罰則はかなり厳しいものになっている。
つまり、このCランクの認定書はシュライトさんの僕への信頼だった。
「っ………」
僕の頭に今までの苦しい訓練が蘇る。
あのぬるぬるなど、一度マナポーションが無ければ発狂している状態まで追い込まれた。
ともいうか、発狂してマナポーションで強制的に戻された……
けれども、今はそのこと全てが許せ……うん、流石にそれは許せない。
だがCランクの認定書、それはあのシュライトさんが僕を信じてくれているという証明で、最高の餞別だった。
「ありがどうございばすっ!」
「……当然の結果だ。気にするな。それよりも今日は食え!」
「はいっ!」
そしてその日僕とシュライトさんの祝いの席は深夜まで続いた。
正直、最初はあのごつい腕で何故かやたら可愛いエプロンをつけて料理する姿に首をひねることか出来なかった。
……特に何故かその可愛いエプロンが似合って見えることに。
けれどもそんな考えはその料理を一口食べた瞬間に吹き飛んだ。
それ程までにシュライトさんの手料理をは美味しかったのだ。
そう、シュライトさんはおっさんだが!
ま、まぁ、今はそんなことは忘れよう。
悲しくなる。
とにかく、シュライトさんのご飯は美味しく、それが今まで僕が逃げずに頑張れた訳だと断言して良いくらいだ。
それが僕の鍛錬中の唯一の楽しみだったのだ。
だからこそ僕は楽しみを隠せない様子でシュライトさんに続いて家の中へと入り……
「えっ?」
そしてその瞬間僕は言葉を失うことになった……
◇◆◇
部屋の中央の机、そこには溢れんばかりの食事が置かれていた。
それはシュライトさんが腕によりを掛けて作った食事で、全て僕の好物。
「それって……」
だが、僕の目を引いたのはその料理ではなく、その上に置かれていた一枚の紙だった。
その紙にはは冒険者を束ねる組織として知られるギルドの証明とされる印刻が記されていて、だからこそその紙に記されていた内容を僕は信じられることができなかった。
「シュライト、さん?」
ーーー 何故ならその紙には僕をCランク冒険者として認める内容が示されていたのだから。
僕はシュライトさんと鍛錬を行なっていたこの一ヶ月間、ギルドには立ち寄ったこともない
あるとしても湿地で自分の実力を過信したのか、死にかけている冒険者を見かけて助けったその程度の関わりしかない。
つまり僕はいつかはするつもりだったが、未だ冒険者としてギルドに登録さえしていない。
なのに、この認定証があるその理由として考えられるのは一つだけだった。
「もしかして、僕を推薦したんですか?」
冒険者はFから始まりAで終わるランク付けによって実力を分ける。
Fが一番低く、Aに近づくにつれてランクが高くなって行く。
そしてそのランクの中でCランクは冒険者の中でも一流と認められるランクなのだ。
確かに実力主義であるギルドでは、Eランクまで飛び級できる。
だが、C級までの飛び級など普通はありえない。
だが一つ、新人である冒険者を最大C級まで飛び級させる裏技が存在する。
それは推薦と呼ばれるシステム。
その内容は高位の冒険者、元高位の冒険者の推薦があれば新人であれ、DランクやCランクなどの中位ランクなれるというもの。
もちろんそれにも条件があり、推薦を行えるのは現役の時にBランクを超えていないと推薦は使えない上に、推薦で飛び級させられるのは現役のランクの二つ下までだ。
しかも、その推薦でランクを上げた新人がミスをするとそれに応じた罰を推薦した高位冒険者も受けなければならない。
それらの理由で推薦を行うのは前線を退き、人材育成に力を注ぎ始めた元高位冒険者程度しかない。
「ああ。そうだ」
「っ!」
だからこそ、僕はシュライトさんのその返答を聞いたその時、涙腺が緩んだ。
シュライトさんがAランクであることを僕は知らなかったが、けれども中々の高位冒険者として今も活躍していることを僕は知っている。
そして推薦を慎重に使うように、推薦された人間が失敗した時の高位冒険者への罰則はかなり厳しいものになっている。
つまり、このCランクの認定書はシュライトさんの僕への信頼だった。
「っ………」
僕の頭に今までの苦しい訓練が蘇る。
あのぬるぬるなど、一度マナポーションが無ければ発狂している状態まで追い込まれた。
ともいうか、発狂してマナポーションで強制的に戻された……
けれども、今はそのこと全てが許せ……うん、流石にそれは許せない。
だがCランクの認定書、それはあのシュライトさんが僕を信じてくれているという証明で、最高の餞別だった。
「ありがどうございばすっ!」
「……当然の結果だ。気にするな。それよりも今日は食え!」
「はいっ!」
そしてその日僕とシュライトさんの祝いの席は深夜まで続いた。
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