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セシルへ3
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数日を掛けて、全ての絵本に母国語の訳を書き込んだオフィーリアは、鮮やかな色合いのフルーツキャンディやら帝国軍隊の兵隊さんを模したビスケットの缶やらも一緒に詰めて、セシルへのプレゼントを送った。
ウォルポール侯爵家を通して送ったので、手荒な検閲を受けることは無い筈である。
着いたかしら、まだかしらと日々考えて、そうして忘れた頃に母から便りが届いた。
オフィーリアの贈った誕生日プレゼントを、セシルは殊の外喜んだらしい。
誕生祝には父も領地に戻り、家族揃って一緒にプレゼントを開封した。
今日だけですよと母に言付けられながらキャンディを頬張り、兵隊さんビスケットで暫し遊んだ後に、徐ろに齧り付いたというセシル。
ずっしり重い絵本達を全てベッドに運んでもらい、はくはくと息も荒げて絵本に見入り、母上これはなんて書いてるの? 姉上はなんて書いてくれたの?と、興奮しすぎて眠れなくなってしまったとの事であった。
ああ、セシルが喜んでくれた。
胸が熱くなって涙が零れた。
もしも、過去の何かが違っていたなら、自分もセシルと共に誕生日を祝ってあげられたのかもしれない。
そう思う先から、いいえ、今の自分であったから、このプレゼントを贈ってあげられたのだと思い直し、オフィーリアは自分の選択を褒めてあげることとした。
ウォルポール侯爵家を通して送ったので、手荒な検閲を受けることは無い筈である。
着いたかしら、まだかしらと日々考えて、そうして忘れた頃に母から便りが届いた。
オフィーリアの贈った誕生日プレゼントを、セシルは殊の外喜んだらしい。
誕生祝には父も領地に戻り、家族揃って一緒にプレゼントを開封した。
今日だけですよと母に言付けられながらキャンディを頬張り、兵隊さんビスケットで暫し遊んだ後に、徐ろに齧り付いたというセシル。
ずっしり重い絵本達を全てベッドに運んでもらい、はくはくと息も荒げて絵本に見入り、母上これはなんて書いてるの? 姉上はなんて書いてくれたの?と、興奮しすぎて眠れなくなってしまったとの事であった。
ああ、セシルが喜んでくれた。
胸が熱くなって涙が零れた。
もしも、過去の何かが違っていたなら、自分もセシルと共に誕生日を祝ってあげられたのかもしれない。
そう思う先から、いいえ、今の自分であったから、このプレゼントを贈ってあげられたのだと思い直し、オフィーリアは自分の選択を褒めてあげることとした。
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