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最終話 天を統べるは最高神

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「あ……お父様……」

 繋がり合った彼の姿に変化が起こる……。
 漆黒の黒髪が金色の髪に変貌していき、羊のような角が消えて天使の輪がかかった。
 三翼だった羽根がもう三翼増えていき、純白のものへと変貌したのだ。

「なんだ……何が起きて……?」

「天使時代の……お父様……?」

 そうして――今し方ついた破瓜の傷はすうっと癒えていくのを感じた。

「良かった、セラフィー、痛みはないな……?」

「はい、お父様……」

 これが完全な力を手に入れたお父様の姿――?
 なんて神々しい姿なのだろか――。
 流麗な黄金の髪、同じく金の睫毛、麗しい美貌――。
 うっとりと眺めていたら、彼の姿がまた元の魔王の物へと変貌していった。
 羽根の数は六翼のまま、純白から漆黒のものへと変わる。

「お父様……お父様は、完全な力を手に入れたの……ですか?」

「ああ、力の漲り方が今までと違う……だから、そうなんだろうな……」

 そうして――彼がまた私の方へと視線を向けてくると、ゆっくりと口づけてくる。
 抱きしめ合い口付けを交わし合うと、くちゅくちゅと二人の間に水音が立った。
 一度離れると、逞しい彼の両腕が私の身体をぎゅっと抱きしめてきた。

「セラフィー、お前のおかげだ――お前が俺に全てを委ねてくれたから……」

「お父様……」

 そうして二人して見つめ合うと、どちらからともなく舌を絡ませ合った。
 
「ん……セラフィー……」

「んぅ……あ……お父様……あっ……」

 そうして――くるりと身体を反転させられ――繋がり合ったまま、同じ方向を振り向いた。
 子どもの頃のように、彼の膝の上に乗るような格好になった。
 ぎゅっと彼に腰を抱き寄せられると、お尻の間から下腹部にかけて彼の熱い昂ぶりを感じて仕方がない。
 私の首筋に、彼が後ろからそっと顔を埋めてくると同時に、両方の膨らみを彼が覆い隠した。

「あっ、お父様……」

「セラフィー……傷も癒えたが、お前も初めてだ……だが、どうしようもなくお前の全てを俺のものにしたい」

「それは……? 今のように繋がりあったままで終わりではないのですか……?」

 膨張した熱塊に支配された下腹部を私はそっと擦った。

「ああ、まだ終わりじゃあない……お前をまだ満たせていない……」

「だったら、どうか――私をお父様でいっぱいにしてほしい……」

「そうか……結構限界に近いから、そんなに長くはかからない……だから……愛している、セラフィー」

 すると――。

「あ……!」

 下から彼が私の芯を突いてきた。

「これが続くぞ……大丈夫か?」

「はい、大丈夫、ですから……どうか、動いて……」

 そうして、彼が腰を突き動かしはじめる。

「ふあっ、ああっ、あっ、ああっ……――!」

 女性の芯が揺り動かされ、脳天まで痺れが駆け抜けていく。

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