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 唇を引き結んだかと思うと、彼が続けた。
 普段の意志の強い彼の瞳に戻っている。


「テレーゼ、お前はベルナルドのことが好きなのかもしれない。だが……一回り以上年上の俺だが――俺はずっとお前のことを女として見ている」


 彼の言葉に彼女の瞳が潤んだ。


「無理に妻に娶ったような男、お前は嫌いかもしれないが……」


 彼女は彼にぎゅっとしがみついた。

「そんなことありません! 流されてばかりの私でしたが、私は旦那様は貴方が良いんです! マクシム様のことがずっと好きで……貴方以外の男性とは結婚したくないんです!」

 マクシミリアンが瞠目する。

「テレーゼ。だが、ベルナルドがどうのというのは?」

「それは……今日までにマクシミリアン様と私が結ばれないなら、城に召し上げるとベルナルド様に言われていて……」

 しばらく考えていた後、彼は独り言ちた。

「だから……ベルナルドは今日俺に早く帰れと……あと、テレーゼの様子がおかしかったら、コスモスの花を見ろとか意味の分からないことを……」

 ぶつぶつ呟くマクシミリアンに対してテレーゼは問いかけた。

「そんな理由で申し訳ないのですが……なんとしても、今日、マクシミリアン様と結ばれたいのです。嫌でしょうか? やっぱり女性としては未熟だから、先ほども途中でやめたのでしょうか?」

 すると、彼が彼女を抱きしめる。


「途中で止めたのは、大事な女に無理はさせたくないからに決まってるだろう? お前こそ、俺に抱かれる覚悟は出来てるか?」


 大事な女……。


(あったかい……)

 抱きしめられると、子どもの頃に迎えに来てもらった時のことを思い出して、テレーゼはなんだか嬉しかった。


「はい! もちろんです! ちゃんと奥さんにしてください!」


 その言葉を合図に、彼が彼女の身体をベッドに押し倒した。
 彼の唇が彼女の唇に重なる。
 一瞬、離れると、妻は夫に懇願した。

「子どもの頃みたいなキスじゃなくて……マクシミリアン様ぐらい、大人のキスがしたいです」

「……そんな大人びた顔で言われたら、我慢が出来ないな……」

 くちゅくちゅと大人の口づけを交わす。
 どんどんテレーゼの胸の内に、彼と両想いなのだという気持ちが芽生えてくる。
 彼の長い指が、ぬるぬると秘泉の中を泳ぎはじめた。

「ああ、テレーゼ、まだ潤ってるな……」

 中に差し入れられ、動く指を肉襞がひくつきながら締め付けた。

「あっ、ふあっ……マクシム様っ……ひあっ……」

 しばらく弄られた後、彼の指が抜ける。
 そうして、瑞々しく濡れた蜜口へと先端がぬるりと触れた。
 弾力の塊が再び硬さを帯びていた。
 すでに硬く膨張した熱棒は、とろとろと蜜の上を動く。

「大人の余裕を見せたかったが……二年我慢していたからか、余裕はなさそうだ。ほら、しがみついてろ」

「はい……あっ、ああっ……!」

 そうして、熱塊が花洞の中へと沈みこみはじめた。


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