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第5話 早すぎる! 運命の再会! side百合

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「ええっと……」

「お前、名前は加賀美百合かがみゆりだろう……?」

 フルネームで名前を呼ばれて、心臓がドキンと跳ねた。
 おずおずと返す。

「はい、そうです……」

「ああ、マジかよ……親父のやつ、本気で意味が分かんねえ……ふざけんなっての……」

 コワモテイケメンが短い髪をガシガシかきはじめた。
 乱雑な仕草が怖くて仕方がない。

「ええっと……あの、大瀬戸さん……いったいどうなっているんでしょうか……?」

 私が彼の苗字を呼ぶと、ピクリと反応する。

「ああ……?」

 すると、こっちをガンつけてくるではないか。
 名前を読んだだけなのに怖すぎ……。
 ビクビクしていると、相手が喋りはじめた。

「見たら分かるように、俺の家はいわゆる金持ちだ。使用人みたいな時代錯誤なやつらと一緒に住むのがあんまり好きじゃねえ。そうしたら、高校2年の進級祝いにって、親父が持ってたこの屋敷を俺の住まいにって譲ってくれたんだよ」

 自分で金持ちって言う男の人、初めて見た。
 いわゆる別荘というやつだろうか?
 年はあんまり離れてないはずだけど……。
 どうやら、この洋館はコワモテイケメンの所有物のようだ。

「だが、今まで家事なんてろくにしたことない。知らない間に親父が寄こしてたSP達に見られてたのか、コンビニかデリバリーばっかりになってるのがバレたんだよ。そうしたら、を寄こすって、親父から言われたんだよ……だから、てっきりもっと年取った奴が来るって思ってたんだが……」

 大瀬戸のおじさんからの説明を聞いて勘違いしていたようだ。
 私の方も、大瀬戸のおじさんの奥さんと小さな男の子のお家でお手伝いをするって考えてたぐらいだし……。
 あれ? そう言えば、このコワモテイケメン、お母さんがいないって言っていたような……?
 あれれ? それに、大瀬戸のおじさんは海外に住んでいて……?
 あれれれ? だったら、これから私は……まさか……?
 
 まさか……!!!???


「年の近い女が、一人暮らしの俺んちに住み込みになるとか……さすがに年頃の男女二人きりで同居とか、マジであり得ねえだろう……」


 年頃の男女二人で同居!!??

 や、やっぱり……!!!!????

 そうなりましたか……!???


 衝撃的な展開に、私はあんぐり開けた口を塞げなかったのだった。


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