【R18】和服御曹司で俳優な幼馴染の彼に、絶対溺愛されてます――夏祭り、花火の下で幼馴染の君と浴衣で――

おうぎまちこ(あきたこまち)

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 彼の言い分を信じて、夏祭りの会場へと向かう。
 海岸線を歩いていると、生ぬるい風が吹いてきた。
 そうして、途中にある森のわき道から神社の入口へと向かう。

「裏道通れば、ますますバレないな」

 じゃりじゃりと、二人で下駄をならしながら、目的の場所へと坂道を歩む。
 どんどんと太鼓やひゅるりと笛の音が聴こえてくるようになった。
 雑木林を抜けた頃、参道に向かって立ち並ぶ屋台が見える。それらから、様々な食べ物の香りや、金魚すくいの金魚の生々しさや、ヨーヨー釣りのゴムの匂いなどがする。
 境内には浴衣や夏着物を羽織った人々が、がやがやとひしめいていた。

「ミサ、頼みがある」

「……なるほど」

 リュウセイに耳打ちされ、ミサは一件の出店へと向かう。そうして彼の元へと戻った。

「サンキュ」

 彼女が頼まれたのは、バイクに乗って戦う特撮ヒーローのお面だった。
 眼鏡をとった彼は、それで顔を隠した。

「ますますこれでバレなくなったな……まあ、ミサが不審者と一緒に歩いているとは思われるかもしれないが……まあ、これで店もまわれるわけだ。行くぞ」

 そうして、リュウセイはミサの手をとる。
 二人は人垣の中へと飛び込んでいった。
 彼の出番まで時間がある。
 ふわふわの綿菓子や、ちょっとだけ硬いりんご飴なんかを二人して食べた。
 水の中にちゃぷちゃぷ浮かんだスーパーボールを、やっきになってリュウセイがとっているのを見て、童心に返ったミサはきゃっきゃっと笑う。
 そうして、射的ゲームの元へと向かった。

「ミサが好きなキャラが景品にあるみたいだぞ。とってやるよ」

 頭に帽子をのっけたゴールデンレトリバーが二等賞にあるようだ。
 お面をつけたまま、リュウセイが銃を構えた。
 そんな中、法被を着た屋台のおじさんが、彼女に声をかけた。

「おや、ミサちゃん? 彼氏?」

「ひえっ……!?」

 思わず彼女は声をあげてしまう。
 同時に、パンと射撃音が聴こえた。

「彼氏さん、うまいね。はい、どうぞ」

 そうして、目的の品をもらう。

「ふわふわ可愛い」

 目をキラキラさせるミサを見て、リュウセイも仮面の下で嬉しそうに笑っていた。


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