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番外編
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しおりを挟む朝は各階にあるレストランにて好きなものを取って食べれるバイキング方式
滅茶苦茶早くからこの小猿によって叩き起こされた俺は超ご機嫌斜めなんだけど、それに反してこの猿は煩くて煩くて殺したくなる
「 わー!バイキング!!何から食べよ~、全部食べてみよ!! 」
「 ........ 」
なんで朝からそんなに食べれるの?って位に皿へと乗せていく遊馬君を見ながら、空いてるテーブルに座り目の前にあるバスケットに手を伸ばし比較的に柔らかそうなパンを持ち、皿に乗せ手を合わせ口にする
「 ....はぁ 」
パンなのに顎は疲れる、と選択肢ミスった麦パンを食べながら溜め息を吐けば皿をウェイターかと思うほど両手に乗せ俺の前へ並べていく
どれもそれなりの量ある
「 いただきます!!わー、パンも食べ放題なんて、贅沢っす!! 」
暴食は誰譲りか、いや目の前にいる小猿はまだましだけどその親である大猿は更に罪深いほど食べるなと思った
「 君を見てると、颯を思い出すよ.... 」
「 暴食の豚、颯先輩ですよね!そう言えば、なんで颯さんは暴食の豚、拓さんは嫉妬の番犬なんて二つ名付いたんですか? 」
七つの大罪をモチーフにした二つ名と刺青
それは組織の中でも殺しを多くこなし
二つ名を与えられるほど成績を残してる事にもなる
何故、そんなの過去を語らなくても分かるでしょ
「 颯は腹が満たされれば何でも食べるからだよ。精液でも体液でも血や肉も....特に肉は大好物だね 」
「 それって....カニバ、ってやつですか.... 」
「 まぁ、そうだね。最初に口にしたのは暗殺した夫婦らしくお腹空いてたから食べたら、そのまま夢中になったらしい....見付けた俺達騒然、あの夜は忘れられないな.... 」
懐かしいと頬は緩む
悪食に目覚めた颯は殺しをした後に自害として解決すればその死体を病院から貰うこともあるほど口にしてた
血が美味しい、肉が美味い、特に柔らかな子供の肉は格別に好きな様子
「 俺は颯が他人を喰うのに嫉妬して、嫉妬して....颯をぶっ殺そうとして止めて、颯が誰かを食べる前に死体処理とかしてたら、いつの間にか嫉妬の番犬なんて言われるようになった 」
ミンチにすれば流石に諦めて食べないのを知って、どれだけの死体を颯に見付かる前にミンチにするか考えてチェーンソー持ってたり、マシンガンで粉々にしていたと笑えば、食べていた遊馬の手は止まっていた
「 なんか、それ聞くと俺の怒って記憶無いまま殺してた....の方が可愛げありますよ 」
「 怒りで殺して毎回、現場が血が飛び散ってるって聞いたんだけどな? 」
「 ....なんか、ギャーギャー騒がれると苛つくっすよ。だから頸動脈切った後に動く事すら苛々するからそのまま....って感じっす 」
「( やっぱり、颯の子だ )」
うん、間違いなくこの子は颯の子だ
颯は怒りではなく空腹で血を浴びてるけど
この子は怒りで血を浴びてる
大雑把な部分はもう二人、似てるよ
さぁーと青ざめる俺に、食べるのを再会した遊馬は問い掛けてきた
「 でも、死体食べなくなったみたいじゃ無いっす。なんで? 」
「 あぁ、それ?単に腹が満足してるからだよ。お金があるから好きなだけ食べれる。汚いものを食べる頻度は極端に減った....颯、フェラ好きだったらしいけど.... 」
もうきっとしてないと思う
前に食事を一緒にした時も限度はなかったけれど、それ以上見境を無くすことはなかった
俺を見ても" 食わせて "なんて言う事もなかった
「 颯さんに、フェラされたことあるっすか? 」
「 ないよ。俺はない....あったら、嫉妬してない.... 」
颯は一度も俺の身体を欲した事はない
唯一あの日....そう、初めて身体検査の実技をした夜だけ身体を交わしたけど後は俺達は離れていた
だから颯が上司や同期や後輩とヤってると聞いたときには、一人ずつ殺していた
その度に颯は狂ったように笑って悪食を繰り返していた
きっと、俺が嫉妬するのを知って態と食べていたに違いないと今なら分かる
「 なんか、拓さんって嫌な奴かなって思ったけど、実は滅茶苦茶颯さん一途なんっすね 」
「 へっ?まぁ......殺したいほどには好きだよ。それか、殺して食べて欲しいほど好きだ.... 」
いつか御腹が空いたら俺を殺して食べて、
そんなチャンスがあればすんなり言えると思う
俺を食べて笑う颯を想像すると....
「 マジ勃起して鼻血出る 」
「 レストランで鼻血出さないでください。つーか、勃起させんなよ。高校生でもしないぞ 」
流れる鼻血をハンカチで抑えながら
遊馬の態度に軽く笑った
そう言う口調の時はまさに颯だ
君は怒りっぽいけど
一緒に任務するにはいいかもしれない
応援ありがとうございます!
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