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しおりを挟む後ろの席もあり、なにを考えてなにをしてるか分からない
只、時より英語の授業でもその次の数学でも、カリカリと字を書く音やページを捲る音は聞こえていた
いつもなら寝るか、授業を聞いてるだけの俺でも背後に誰かいると違和感がある
そうだ、気にしなかっただけで朝から
俺の後ろに一席増えていたんだった
なんで早く気付かなかったんだ....
「( この授業終わったら昼休みか....飯、購買でも教えておく必要あるだろうな....ちょっと離れてるし )」
他人が背後にいることにどれだけ慣れてないか、改めて分かるほどに嫌な気しかしない俺は、さっさと役目を終えて教室から逃げたくて仕方無かった
4時限目のチャイムが鳴り響く
教師がクラスから出れば、此を待っていたとばかりに質問攻めでもするだろう
そう考えていた俺だが、案外彼奴等は声を掛けて来ない
「 おい....御前が声かけろよ 」
「 ムリだって....嫌われたくねぇし 」
「( あぁ、これは.... )」
何故、声を掛けないのか
それはこそこそと話す声で分かった
高嶺の華とでも言いたいのだろ
確かに華の匂いはするが、だからといって狙って無ければ声ぐらいかけれるものだろ
彼女の方にはチラチラと見てるが、声を掛ける事もないクラスメートに彼女は机の上を片付けた後にゆっくりと椅子から立ち上がった
それをきっかけに、座っていた俺は振り返り止める
「 ....購買知らないなら教えるよ? 」
『 ........ 』
俺の問い掛けに、動くのをピタリと止め
此方に向ける薄いブルーの瞳は僅かに驚きを見せたようにも見える
驚くことだろうか?担当の教師から言われて仕方無くすることだが....
いや、此は違う考えだろうね
なんと言うか....俺を見るクラスメートの目によく似てる気がする
「 鬼嶽が話し掛けたぞ 」
「 教師に言われたからってマジか.... 」
極めて面倒を避けて通った結果がこのザマ
目付きが悪く、よく髪色を変えるって程度で不良扱い
いや、実際にまともに授業は受けてないんだが人は見た目から入るのだろ
「 ....行くよ。購買はこっち 」
仕方無いと言えば仕方無いし
俺もきっとこの女子を見た目から入ってる
まぁ、第一印象なんて直ぐに変わるだろう
何かしら話せば....
「( 話す?何を?今まで一人だった俺になにを話す? )」
ついてきてくれるのは有り難いが、無言のままの空気
なにを話せばいいのか全く分からない
見た目は不良だとか言われるが実際は人見知り激しい奴だなんて、きっと伝わらない
彼女の反応からして向こうから話し掛けてくる事は無いだろ
其にしても誰もが振り返ったり立ち止まるなんてよっぽどの美少女なんだな....
俺には外国人って位にしか見えないけど....
「 ついでに、此所が実験室。向こうに見えるのが屋内体育館....屋内体育館は二ヶ所あって、あれは少し広いA館 」
わっ、すごい....面倒くさがり屋の俺がまともに案内してないかな?
それに、彼女もちゃんと聞いて....
『 ふぁっ.... 』
ガンッ....
「( 全く聞いてないじゃん.... )」
欠伸を見た瞬間に壁に頭をぶつけた俺は、人見知り発動しながら、頑張って案内してた意味の無さに悲しくなった
大きな欠伸ですこと、歯並びいいね....じゃねぇよ
隠しきれてないから、もう隠さなくていいよ
「 ....それで、購買は此所の通路を曲がって......あ.... 」
休み時間始まってから案内を先にした結果、購買と食堂がある場所には廊下に続くほどの長蛇の列
流石に遅すぎた、これならコンビニに行った方が物がありそうな気がするけど....
「( コンビニに行く?なんて言えないし.... )」
彼女を見れば二度目の欠伸
もういいや、慣れよう
勉強に集中してたのか、それともこの列を見て疲れきったのか、どちらにせよ飯は抜きなんて選択肢は出来ないし俺が嫌
だから並ぶことにした
応援ありがとうございます!
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