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しおりを挟む俺の彼女は有名なモデルであり女優だ
綺麗で可愛くて、無邪気に笑う表情は変わらないのに....なんか悔しい
「 ドッキリだから、青井が店に誘ったんだ.... 」
「 ふぁー俺は普段、誘わないからなぁ。緊張した 」
ドッキリだとバレたら隠れてカメラマンは出てくるし、座ってた客もやっぱりエキストラさんだった
「 緊張も何も....なんで婚約届けを油でギトギトのテーブルの、ラーメン屋で書いてるの? 」
『 私に暇がないから、このまま市役所までゴーよ? 』
「 そういう流れね.... 」
シルキーの方は既に記入が終わってるけど、俺の方は空白だった為にカメラがある前で書いていく
その事に恥ずかしいし違和感あると思っていれば、スタッフのカンペは動く
“ 放送では噂の美容師って書かれたモザイクが顔にされるので大丈夫です “
何一つ大丈夫じゃないけど、まぁいいか....
「 はい、おまち。ラーメンは食ってけよ 」
「 ありがとう 」
『 此処の餃子おいしいだー 』
“ なにか思いであるの? “
『 うん!私が好きだからって理由でお父さんとしょーたが一緒に餃子作ってくれてね 』
「 あぁ、うん....懐かしいね 」
シルキーは俺と同じメニューだったらしく、嬉しそうに目の前に運ばれたメニューを見ては微笑み、箸を持ち食べていく
俺は書き終わった婚約届けを誰に渡せばいいか迷ってたら、彼女のマネージャーらしい女性は受け取りオーケーの指をして笑った
『 いただきます....はふっ、んっ美味しい 』
「 いただきます....ん、やっぱりおいしいね 」
「 んー、ラーメンもうまいわぁ 」
シルキーは流石、カメラ慣れしたなって思いながら見ていれば彼女は頬に膨らませて食べる癖は相変わらずっぽくて微笑ましい
『 ....髪が 』
「 結ぶよ。ゴムある? 」
『 シオン( マネージャー )、ゴムちょーだい 』
やっぱりマネージャーなのか、直ぐにゴムを渡してきた事に俺は受け取ってから、彼女のポニーテールされたゴムをいったん外してから編み込みをしていく
「 長くなったね、綺麗だ 」
『 敦士君が綺麗にしてくれる。それに、しょーたに髪切って欲しくて伸ばした 』
「 ....っ、本当好き!....勿体無いから、悩むけど 」
敦士が綺麗にしてたのは少し嫉妬するけど、俺に切られたくて伸ばしてたなんて可愛すぎる
7年間上手く伸ばした髪はサラサラして、腰ほど長かった
後は俺の髪につけていたピンで止めれば姫様結びの出来上がり
『 しょーた、ありがとう! 』
「 どういたしまして。ラーメン食べ終わっちゃお 」
『 うん! 』
あれ、カットしないんだ?結構一旦カット、なんて言うのかと思えば普通にシルキーは食べていく
『 しょーた、あーん 』
「 っ....あー。くれるってことはお腹いっぱいだね? 」
『 へへっ....バレた 』
「 そうだろうと思ってたよ 」
餃子が口に入ることに軽く食べるけど、シルキーの様子に苦笑いが漏れる
「 御前達って、途中で好きなやつとか付き合うの止めようと話なかったわけ? 」
あ、これは話ながらいい部分だけ編集するんだなって思いながら、シルキーの言葉を待つ
『 全く!しょーたとずっと一緒にいるって約束したし、結婚したら、赤ちゃん作ろうねって言ったもんなー 』
「 ....シルキー、まずは結婚式挙げるからね....赤ちゃんはその後だよ 」
『 一緒にいたら赤ちゃん出来るって、お父さんが.... 』
「 あの人の言葉は鵜呑みにしたらいけないよ.... 」
「 ははっ、仲いいなぁ 」
相変わらずその辺りは無知なんだと思いながら、俺は恥ずかしくなりながら油そばを食べていく
シルキーと青井の赤ちゃんはどうやったら出来るかな?みたいな話は俺はついていけなかった
特に、青井の言葉は恐らく全カットされるやつだ
※全カットしました
「 さて、市役所にも届けたし。晴れて恋人卒業おめでとう 」
「 なんで青井が仕切ってるのか分からないが、うん....ありがとう 」
『 市役所の人、凄く驚いてたよなぁ 』
シルキーが婚約届けを持ってきたら驚くだろ、それも沢山のスタッフ引き連れて
「 まぁな、それで次の予定は? 」
「 お父さん言わなくては!俺はこの後用事があるので、お父さんの方には別の方が案内するからな、宜しく! 」
『 ばいばーい 』
「 だからなんであいつが仕切ってんの? 」
えっ?
急に立ち去った青井が離れた場所にあるキャンピングカーに乗ったことであれで家まで送って貰えるんだと思った
俺達は一旦、移動となった....
本当に夕方ぐらいにあるバラエティー番組っぽいんだけど、いいのこれで?
応援ありがとうございます!
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