4 / 49
異世界転移
第4話 演技がうますぎる
しおりを挟む
騎士達はもう部屋のすぐそこまで来ている。
女神様は泣いている演技を始めた。
俺はローブを着たスケルトンに憑依し、スケルトン達を操って1体を女神様、残りを扉の方へ向かわせる。
「う、やあぁ…
来ないでぇ…」
「……」
女神様の泣いてる演技が上手すぎて助けてあげたくなるのに加えて、変な趣味に目覚めてしまいそうになる。
襲わせてるスケルトンはナイフがギリギリ当たらないように振らせ、女神様がなんとか避けているように見える動きをさせている。
ガツン!
「きゃっ!やめてぇ…」
頼むから腕が折れてナイフが飛んだりしないでほしい。
「突入!」
その掛け声と共に、全体的に白く金のラインが入った鎧を着た4人組が部屋の扉を壊し飛び込んできた。
俺が憑依したスケルトンはバレないようにスキルで消えている。
だが流れ弾が当たる可能性を考え、出来るだけ距離をとった。
部屋の端っこ巻き込まれないように立っている。
「敵スケルトン数12!
奴隷と思われる少女が襲われているため私が救助する、他はスケルトンを殲滅せよ!」
「「「了解!」」」
1人が演技をしている女神様を助けに向かう、あっという間に近づいた騎士は襲わせる演技をさせていたスケルトンを一撃で倒した。
残りの3人も見事な連携で部屋にいるスケルトンを倒す、魔法を使っているのか剣が光を帯びている。
「大丈夫か?
我々はアーレス王国第二騎士団の者だ、君の事は我々が保護する。」
「ほんと、ですか…?」
「あぁ、本当だ。」
30秒と掛からずスケルトンは全滅した。
女神様の元へ向かう騎士団と名乗った者達は女神様の名演技に騙され、保護してあげなくてはと燃えているようだ。
一方で俺はなんとか第一関門を突破した事に安心していた。
(ケントさん無事ですか?)
(はい、問題はありません。)
脳内に直接聞こえる女神様の声、この正体は『念話』と呼ばれるもので通常なら魔法を使わなければ出来ないもの。
だが俺と女神様が行っているのは神と眷属の間で意思の疎通が可能な特殊技能の1つである。
(なんとか第一関門突破ですね。
油断せず頑張ってください。)
(了解です、気をつけます。)
念話で話している間も女神様は騎士達と会話していたようだ。
女神様の話を聞いた騎士達は一度外の本部へ戻り女神様の傷を癒す事にしたようだ。
「共に此処から出よう。」
「あの、私は首輪が…」
「コレはまさか…
ラルス、隷属の首輪がある、すぐに解呪を。」
ラルスと呼ばれた騎士が首輪に触れ魔法を使う。
「【ディスペル】」
バキと音を立てて首輪が壊れた。
女神様が動けるようになり、どこか困惑しているような演技を始めた。
「私自由になって、いいの…?」
「もちろんだ。」
「でも、私は道具だって…
生贄にするだけの便利な、道具って…」
「君は人間だ、道具じゃない。」
騎士に抱きあげられる女神様の様子は、何処から見ても演技には見えない。
騎士達の顔は顔を覆う鎧をしているから見えないが、安堵と庇護欲を感じているみたいだし余程のミスをしない限り女神様は絶対安全だろう。
「では行こう。
何処からか監視されている様な気がする、早く出た方がいい。」
「監視…?」
「あぁ、だが安心してくれ我々がいる限り君に手出しはさせないから。」
リーダー格の騎士は間違いなく俺の視線に気づいている、念の為に少し離れて着いていくことにしよう。
(ついて行く時は少し距離をとります、俺の事は気にせず自身のことに集中してください。)
(わかりました。
もしバレちゃってもスケルトンを失うだけ、貴方は消えないし知覚も出来ないので安心してくださいね。)
女神様はそう言ってるが魔法とスキルが使えなくなるため離脱が難しくなる、この体は出来るだけ失いたくはない。
騎士の1人が女神様を抱え、騎士達と一緒に部屋を出る。
俺は離れて着いていくが度々リーダー格の騎士が背後を振り向いて確認してくる。
一切油断は出来ない状況だ。
「ついてきているのか…?」
「隊長、やはり生き残りがいるのですか?」
「この邪教団で我々の敵になりうる存在は魔法使いだけ。
付いてきていたとしても我々が気づかないわけがない、ただ私が考えすぎただけかもしれないな。」
このまま歩き続けていると騎士とすれ違うことが増えていく。
出口が近いのだろう。
(まずいです。
ケントさん外に出たら直ぐに森に身を隠してください、バレる可能性があります。
夜になったら合流しましょう。)
(わかりました。)
太陽の光が見えた。
少し離れた平地にテントが張ってあり多くの騎士が見える。
外に出てわかったがこの施設は洞窟を改造していたようだ。
(じゃあ離脱しますね。)
(わかりました、落ち着いたら念話します。
それまでは見つからない程度の距離で待機していてください。)
(了解しました。)
洞窟周辺は多くの騎士達が見張りをしていたが、俺の隠密に気付ける者はいなかった。
稀に違和感を感じたのか振り向く者は居たが発見には至らない。
少し離れた所に大きめの木を見つけた。
木に登れば騎士達の動向も確認できるし、これだけ離れれば見つかる心配もないだろう。
女神様は泣いている演技を始めた。
俺はローブを着たスケルトンに憑依し、スケルトン達を操って1体を女神様、残りを扉の方へ向かわせる。
「う、やあぁ…
来ないでぇ…」
「……」
女神様の泣いてる演技が上手すぎて助けてあげたくなるのに加えて、変な趣味に目覚めてしまいそうになる。
襲わせてるスケルトンはナイフがギリギリ当たらないように振らせ、女神様がなんとか避けているように見える動きをさせている。
ガツン!
「きゃっ!やめてぇ…」
頼むから腕が折れてナイフが飛んだりしないでほしい。
「突入!」
その掛け声と共に、全体的に白く金のラインが入った鎧を着た4人組が部屋の扉を壊し飛び込んできた。
俺が憑依したスケルトンはバレないようにスキルで消えている。
だが流れ弾が当たる可能性を考え、出来るだけ距離をとった。
部屋の端っこ巻き込まれないように立っている。
「敵スケルトン数12!
奴隷と思われる少女が襲われているため私が救助する、他はスケルトンを殲滅せよ!」
「「「了解!」」」
1人が演技をしている女神様を助けに向かう、あっという間に近づいた騎士は襲わせる演技をさせていたスケルトンを一撃で倒した。
残りの3人も見事な連携で部屋にいるスケルトンを倒す、魔法を使っているのか剣が光を帯びている。
「大丈夫か?
我々はアーレス王国第二騎士団の者だ、君の事は我々が保護する。」
「ほんと、ですか…?」
「あぁ、本当だ。」
30秒と掛からずスケルトンは全滅した。
女神様の元へ向かう騎士団と名乗った者達は女神様の名演技に騙され、保護してあげなくてはと燃えているようだ。
一方で俺はなんとか第一関門を突破した事に安心していた。
(ケントさん無事ですか?)
(はい、問題はありません。)
脳内に直接聞こえる女神様の声、この正体は『念話』と呼ばれるもので通常なら魔法を使わなければ出来ないもの。
だが俺と女神様が行っているのは神と眷属の間で意思の疎通が可能な特殊技能の1つである。
(なんとか第一関門突破ですね。
油断せず頑張ってください。)
(了解です、気をつけます。)
念話で話している間も女神様は騎士達と会話していたようだ。
女神様の話を聞いた騎士達は一度外の本部へ戻り女神様の傷を癒す事にしたようだ。
「共に此処から出よう。」
「あの、私は首輪が…」
「コレはまさか…
ラルス、隷属の首輪がある、すぐに解呪を。」
ラルスと呼ばれた騎士が首輪に触れ魔法を使う。
「【ディスペル】」
バキと音を立てて首輪が壊れた。
女神様が動けるようになり、どこか困惑しているような演技を始めた。
「私自由になって、いいの…?」
「もちろんだ。」
「でも、私は道具だって…
生贄にするだけの便利な、道具って…」
「君は人間だ、道具じゃない。」
騎士に抱きあげられる女神様の様子は、何処から見ても演技には見えない。
騎士達の顔は顔を覆う鎧をしているから見えないが、安堵と庇護欲を感じているみたいだし余程のミスをしない限り女神様は絶対安全だろう。
「では行こう。
何処からか監視されている様な気がする、早く出た方がいい。」
「監視…?」
「あぁ、だが安心してくれ我々がいる限り君に手出しはさせないから。」
リーダー格の騎士は間違いなく俺の視線に気づいている、念の為に少し離れて着いていくことにしよう。
(ついて行く時は少し距離をとります、俺の事は気にせず自身のことに集中してください。)
(わかりました。
もしバレちゃってもスケルトンを失うだけ、貴方は消えないし知覚も出来ないので安心してくださいね。)
女神様はそう言ってるが魔法とスキルが使えなくなるため離脱が難しくなる、この体は出来るだけ失いたくはない。
騎士の1人が女神様を抱え、騎士達と一緒に部屋を出る。
俺は離れて着いていくが度々リーダー格の騎士が背後を振り向いて確認してくる。
一切油断は出来ない状況だ。
「ついてきているのか…?」
「隊長、やはり生き残りがいるのですか?」
「この邪教団で我々の敵になりうる存在は魔法使いだけ。
付いてきていたとしても我々が気づかないわけがない、ただ私が考えすぎただけかもしれないな。」
このまま歩き続けていると騎士とすれ違うことが増えていく。
出口が近いのだろう。
(まずいです。
ケントさん外に出たら直ぐに森に身を隠してください、バレる可能性があります。
夜になったら合流しましょう。)
(わかりました。)
太陽の光が見えた。
少し離れた平地にテントが張ってあり多くの騎士が見える。
外に出てわかったがこの施設は洞窟を改造していたようだ。
(じゃあ離脱しますね。)
(わかりました、落ち着いたら念話します。
それまでは見つからない程度の距離で待機していてください。)
(了解しました。)
洞窟周辺は多くの騎士達が見張りをしていたが、俺の隠密に気付ける者はいなかった。
稀に違和感を感じたのか振り向く者は居たが発見には至らない。
少し離れた所に大きめの木を見つけた。
木に登れば騎士達の動向も確認できるし、これだけ離れれば見つかる心配もないだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
30
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる