貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

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第四章

お久しぶりです

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「チョコもお疲れ様。ドラゴンが目を覚まさないうちにここを離れよう」

 予想より治安が悪そうなので、魔法陣をここで書かずに飛んで帰ることにした。

 昨日の出来事で山の方に三十分程近づいているためそれほど遠くもない。チョコと戯れながら飛んでいたら、魔法袋がピコンピコン鳴り出した。

「テレビ電話だ」

 どうやらルッツが山を訪れてテレビ電話の存在に気が付いたようだ。袋から取り出して魔法板をタップする。

「はい、リルです」
『リル! ロンズ、本当にリルが映ったぞ』
「あはは。ロンズさんもお早う御座います」
『お早う御座います。朝から失礼いたします』

 板には興奮した様子のルッツと、後ろの方で不思議そうに覗くロンズの姿が映っている。よほど物珍しいのか、ロンズの表情が珍しくて面白くなってしまった。

『このような魔法具は初めて拝見いたしました。どこから調達されたのですか?』
「これは私が作りました」

『貴方が? さすがです。素晴らしい魔法具ですね』
「有難う御座います」

 ロンズに褒められるとなんだか照れてしまう。

『私にも話させてくれ!』

 会話に入れていなかったルッツが画面いっぱいに映る。目と鼻しか見えない。リルが腹を抱えて笑った。

「ルッツ様、もう少し離れてください」
『え、私とは話したくないのか……?』
「近すぎて見えないだけです」

 シュンとうなだれる姿はとても一国の皇子とは思えない。それがまたリルのツボに入ってしまった。

 ひとしきり笑われて凹んだルッツが弱弱しい声で聞く。

『これを王宮に持ち帰っていいということは、もうこの山には帰ってこないのだろうか……』
「いや、帰りますよ。というか、もうすぐ山に着きます」
『本当か!』

 ルッツが上を向いてあちこち探し出す。これ以上時間がかかると首を痛めそうなので、リルは大急ぎで山に向かった。

 五分もせず山に着く。ルッツが両腕を上げてぶんぶん手を振った。

「おかえり、リル!」
「ただいま帰りました。テレビ電話切りますね」

 もう一度板にタップすると画面が消える。ルッツが板を覗き込んで首を傾げた。

「随分凝った造りだ。まず発想が素晴らしい」
「お褒めの言葉恐縮です」

 テレビ電話の発想はリル自身ではない。しかし説明できないのでそういうことにしておく。

「離れた相手の顔が見られるなんて大発明だぞ」

「この魔法具は秘密にしてください。王宮内の方くらいならいいですけど、他の人が見て騒いだら嫌なので」

「分かった。説明書に書かれていたが、これを本当にもらっていいのか?」

「はい。お互いに持っていないと使えないので」
「それなら遠慮なく。ありがとう」
「いえいえ。とりあえず頭を上げてください」

 第二皇子に深々頭を下げられると少しだけ焦ってしまう。魔法の開発しているのはあくまで趣味であって、人々に賞賛されるためではない。

「あ、そうだ。聞きたいことがあるのですが」
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