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第一章 まさかの幽霊
レベルを上げたい(2)
しおりを挟むパチッと目を開けたら、眼前にホムラの顔があって叫びそうになった。
だって近いんだもん!
「大丈夫か、レイカ? うなされていたんだが……嫌な夢でも見たのか?」
「うーん、夢?」
ホムラに言われて思い出そうとするも、夢の内容がまるでモヤがかかったかのように思い出せない。
……だけど、絶対に地球に行って妹に会うということは、心に刻まれている。
家族の夢でも見てたのかな?
「大丈夫。心配してくれてありがとう、ホムラ」
ホムラはぷいと横を向いた。その横顔が少し赤くなっている。
……何だこの反応。可愛い。
じっとホムラを見ていたら、ホムラが実体化をして、何やらガサガサしている。
私も実体化をして、ホムラに尋ねた。
「何をしてるの?」
「レイカに渡したい物があって」
ホムラが私に、ホムラの瞳の色と同じオレンジ色の宝石を渡す。
光に反射してキラリと輝いている。すごく綺麗で素敵。
「え、私が貰っていいの?」
「ああ。逆にレイカじゃないとダメだ。これは、いわば僕の居場所でもある。姿を隠したい時にこれに入ることができるんだ。いわば精霊の我が家みたいなもの。だから契約主のレイカに」
めっちゃ重要役に任命されました。命にかけてもこの宝石を守り抜いてみせます。
「宝石の名前は?」
「ない。レイカが自由に付けて」
宝石の名前付け係に任命されました。素晴らしい名前を付けたいと思います。
だけど私にネーミングセンスあるのかな……。
ホムラにちなんで付けたい。ホムラって、炎っていうイメージ。炎……火炎? まんまだ。
炎……ファイアー! 嫌だ。ダサい。ホムラとファイアを合わせてホア。なんかなぁー。
あー。私にネーミングセンスないかもー。
……お? なんかふっと頭の中に良い言葉が出てきたぞ!
ホムラを炎と置き、私の名と合わせる。
「炎花、ってどう? ホムラと私の名をちなんでみたんだけど」
「良いじゃないか! 気に入ったぞ」
良かったー。いい名前がつけれて。ホムラも喜んでくれてるみたいだし。
私は伸びをして、ほいっと立ち上がる。そして、ホムラから貰った宝石――炎花を太陽にかざす。
んー。どうやって保管しよう。絶対に守れる場所がいいもんね。ネックレスにするとか? それだったら腐り付けないと。どうやって鎖を付けよう?
無理矢理穴を空けて壊したくないし。
「ねえホムラ。炎花をネックレスにしたいんだけど……。穴を空けずに鎖って付けれるかな?」
「穴なら空けれるぞ」
ホムラが炎花に指を突き刺すと、炎花の上部に穴が空いた。
わお。穴が空いた。
じゃあ鎖はどうしよう? 買った方がいいのかな……。
「鎖は難しいが糸なら作れるぞ?」
ホムラからの提案。糸でいい! って糸作れるの!? すごい手間かかりそう。
「時間かからない?」
「1から作ったら時間はかかるが固体魔法で作れるだろう?」
固体魔法とかあるんすか。調べよ。ちらちら周りを見て誰も見てないことを確認。そして「こたいまほう」っと。
【固体魔法】魔力を放出する際、直ぐに消えるものでなく固体として保存する魔法。
……つまり、魔力を固体として残すってことかな? じゃあ魔法で何か作れるってこと?
目を閉じて糸のイメージを頭の中に浮かべる。細いのがいいな……。黄色の。
だいたいのイメージがついたら、魔力操作で魔力を固める。
糸になれー。糸よ出てこいー。
すると手の中で糸っぽい感触が。
目を開けると、正に思い浮かんだような糸を手で握っていた。
すげー。魔法すげー。
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