月下美人 始まりは何時も不幸から(生け贄編)

あべ鈴峰

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15 コットンキャンディー

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ガルシアは メローネ様の前で跪き 大して収穫のなかった話を伝える。こんなことしか報告できない自分が情けない。

「 今、何と言った?」
 メローネ様が目を爛々と輝くて立ち上がる。
 ガルシアは興奮しているメローネ様が恐ろしくて 自然と声が小さくなる。
「・・ザッ、 ザイラスです」
「ザイラス! そうかザイラスか!はっはっはっ」
メローネ様が両手を天に向けて笑いだす。
何が、そんなに お可笑しいのか ガルシアには一向に分からない。 旅人と知り合いなのか?

「 よくやった!ガルシア」
メローネ様が玉座を降りて私の肩をたたく。
 意味が分からず返事に困る。ガルシアは 思い切って その理由を聞いてみる 。
「ザイラスとは 何者なんですか?」
「 教えてやろう。ザイラスは我が宿敵のバンパイアハンターだ」
「バッ、バンパイアハンター?」
 あまりにも意外な答えに声が裏返る。
 どうして私たちを狩ろうとする人間と再会したことを喜ぶんだ?
 メローネ様ご自身が宿敵と言うんだから 相当強い違いない。

「 そうだ。そして、ザイラスがこの地にいる理由は一つ」
「 それは何ですか?」
 是非とも理由が知りたい。そうすればメローネ様の考えが理解できる。
「王女を守っているからだ 」
「王女?誰のことですか?」
 そのザイラスが守っている王女とは、どこの国の王女のことだ?
 どうして、そのことが重要なんだ。

「 誰って・・ 賢いお前ならわかると思ったのだが・・」
 残念そうに私を見下ろすメローネ様を見て ピンとくるものがあった。 私が知っている王女は、ただ一人。
「 それは・・つまり・・死んでいなかったということですか?」
「 正解だ」
 メローネ様が満足げに頷くのをガルシアは驚愕の表情で見る。 自分で言っておいて、信じていなかった。 
たが、そういう事なら メローネ様が歓喜したことも、探しても見つからないことも納得できる。

****

ジョルノが投げた本が飛んでくる。
(ぶつかる)
思わず、ぎゅっと目を瞑る。
しかし、パシッという叩いたような音に目を開けると、 ジョルノが さっき投げた本をつかんでいる。
(??)
 もしかして、打ち返したの?
 驚いてザイラスの顔を見る。
「 元気そうで、何よりだ」
「ふん」
 ジョルノが鼻を鳴らすと 何事もなかったように本を棚に戻す。 これが男同士の挨拶?
 あまりの荒っぽさに驚く。私には一生理解できない。

「また本が増えたんじゃないか?」
「 大きなお世話だ」
その上、 ポポが 二人のやり取りを気にすることなく 積んである本の上に飛び乗る。
( 拙い )
「ポポ。ポポ」
それは駄目。と、名前呼ぶが無視して、次に積んである本の山に飛び移る。
 その事に気づいたジョルノが ポポの首根っこを掴むと 視線を合わせて、警告する。
「 触るな」
 ポポにとっては、たかが本でもジョルノにとっては貴重な物なんだろう。

「 何もしてないだろう。相変わらず気が短いな」
「償させるぞ」
オリビアは、ジョルノの 地を這うような低い声に怖さを感じる。 人間でも怖いのにバンパイアともなれば、怖さ倍増だ。無意識にザイラスのシャツを掴む。
「二人とも、その辺にしとけ」
ザイラスが仲裁に入ると、ポポが手足をバタつかせてジョルノから逃れようと もがく。
「いい加減 離せよ」
「ふん」
ジョルノがパッと手を離すと、ポポが床に ぶつかる寸前で態勢を立て直す。
オリビアは、良かったと胸を撫で下ろす。

「今日来たのは、お前に頼みたいことがあるからだ」
 ザイラスが、本題を切り出す。
しかし、話をする前にジョルノが馬鹿にしたように私たちを顎でしゃくる。
 やはり、許可なく入ってきたことを根に持っているのだろうか?
「 頼みたいこと? 嫁の紹介の間違いだろう」
「はっ?」
聞き間違い 。今、嫁と言った?
思わずザイラスの顔を見るが、 平然としている。
何か誤解を招いたようだ。
私なんかが、ザイラスの花嫁になるなど考えられない。オリビアは手を振って否定する。
 「違います。誤解です」
「はっ?よく言う。だったら、それは何だ?」
嘲笑うように私たちに向かって言う。
「「 ? 」」
「無自覚かよ」
そう言われても 心当たりのない私たちは 顔を見合わせて お互いに首をひねる。

すると、ポポが 呆れたように教えてくれる。
「 だから、抱っこだよ! 抱っこ!」
「抱っこ?・・あっ!」
 ポポに言われて抱っこされたままだと気付いた。
体力の消費を避けるためという名目で 常に移動する時は抱っこ。
もはや習慣となっている。

「そうでした。降ろして下さい」
 もぞもぞと動いて降りようとすると ザイラスが嫌がる。
「ザイラス?」
「 どうして、お前は いちいち指摘するんだ。 何の迷惑もかけていないだろう。早く移動できるうえに、身の安全も確保できる。 これほど優れた方法はない」
 ザイラスがポポを睨み付ける。
私を離さない ザイラスの態度に 二人とも呆れ返っている。 ザイラスを説得したいが、何と言っていいか分からず 二人に向かって愛想笑いする 。

「オリビアも、なんだかんだ言って降りないよね」
「っ」
 オリビアは図星をさされて顔を真っ赤にする。 ポポの言うとおり、本気で降りたいと思ったことはない。
ザイラスに抱っこされていると、自分が大切な存在になったようで気分がいい。
 「過保護にも程があるだろう。そこまで大事にする価値が、その女にあるのか?」
「 この場合は独占欲だ」
 その言葉に ドキリとする。
まるで、私がザイラスを騙していると思っているような物言いだ。
ジョルノの蔑むような視線に顔を伏せる。

「 アデイン国の王女。オリビアだ」
ザイラスが、 そう言って 私を下ろすと肩に手を置く。 その手の重さに 自分の使命を思い出す。 凹んでいる場合ではない。 オリビアは少しでも優雅に見せようとスカートを摘んで膝を曲げて挨拶する。
「 はっ、初めまして、オリビアと申します」
「っ!」
ジョルノの瞳孔が極限まで大きくなる。

確かに平凡な私だけど、そんなに驚くこと?
憮然としているとザイラスが耳元で囁く。
「オリビア。さっきの夫人を探して、お茶持ってきてくれないか 」
(あの女の人、奥さんだったんだ)
意外な気がした。髪は結い上げていたが、指輪は していなかったし、何よりと態度がメイドみたいだった。

チラリとジョルノを見たが反論する様子がない。バンパイアでも 人間と結婚するんだ 。
王女の話が、俄然真実味をます。
「はい。分かりました」
オリビアは、こくりと頷くと部屋を出た。
正直言えば、仲間はずれなった気分だ。
でも、私なんかいても 役に立たない。
 諦めるように小さく息を吐くと、夫人を探しに行く。後は二人に任せるしかない。

***

厨房を探して見つけた頃には、お茶の用意が終わっていて、夫人が お湯が沸くのを待っていた。疲れたよに、後れ毛を耳に かける。
 その横顔は、とても儚く美しい。
伯爵令嬢だろうか?見惚れている夫人が私に気づく。
「 えっと・・ザイラスに お茶の用意を手伝いと言われて・・」
ぎこちなく声をかけながら近づく。すると、夫人が手を差し出す。

「私の名前はマリアンヌ。ジョルノの妻よ」
「あっ、私はオリビアです」
ザイラスの見立ては、正しかったんだ。
でも、人妻には見えない。
握手をしながら自己紹介をすると、マリアンヌが小首を傾げる。
「 もしかして、アデイン国の王女?」
「そうです。よく分かりましたね」
生まれた初めて王女だと気づかれたことに驚く。

 「ジョルノは人間に戻る方法ずっと探しているの。この街に 住み着いたのもバンパイアと人間の王女の間に 子供をもうけたという昔話を耳をしたからなの」
「あぁ、 それでザイラスたちと知り合ったんですね」
ザイラスもポポも 歴代の王女たちを助けようと バンパイアと戦っている。
「ええ、会うのは初めてだけど ジョルノから沢山話を聞いたわ。だから、名前を聞かなくても 直ぐに分かったの」
 嬉しそうに話す姿に夫婦仲の良さが垣間見える。
 こんな顔をさせるジョルノという人は ザイラスの言う通り正義の心を持つバンパイアなのかも。
だったら、信じられる。

「あの・・バンパイアだと知ってるんですよね」
「ええ、 でも両親に その事は言えないし、 知られたらジョルナの命が狙われるから 表向きはメイドとして通っているの 」
「そうなんですか・・」
二人としては不便な生活だろう。 夫婦といっても周りから認めてもらえないし、 一緒に暮らすことも出来ない。しかし、 それでも構わないと思えるほど、深く愛しているんだ。
おとぎ話のような話。とても 気になる。

「でも、どうやって知り合ったんですか? 馴れ初め教えてください」
「えっ?」
 そう聞くとマリアンヌが 頬を染める。
「そっ、それは・・」
 困ったような顔をするが、瞳は話したけだ。
バンパイアが人間の自分を餌にする事なく受け入れてくれた上に愛されている。 自信が表情に表れている。
その顔を見て、自分が羨ましく思ってることに気づく。
どうして?人の幸不幸を妬むような心の狭い女では無かったったのに・・。

****

話がうまくいって上機嫌のザイラスと連れ立って、オリビアは街を歩きながら、 生まれて初めて自由を謳歌していた。
 私のことを誰も知らないということが、これほど心を軽くするとは。
解放感を感じてオリビアは、ふんふんと鼻歌を歌う。
「ご機嫌だな」
ザイラスの声に、くるりと振り向く。
「 こんなに楽しいのはマリアと一緒に晩御飯を食べたとき以来です」
「そうか」
「はい」
あの時は城の外れで、みんなの目を盗んで粗末な晩御飯を食べた。 でも、マリアと二人きりで居られる事が 何より幸せだった。

 軽やかな足取りで見て回っていると 露店で売られているコットンキャンディーに目が留まる。
オリビアは、懐かしさに微笑む。
姉達の誕生会に招待された子供たちに混じって 手や口の周りをベタベタにして食べた。
 そんなことを思い出していると、目の前に コットンキャンディーが 現れる。
 驚いても持ち主を見ると、ザイラスが笑っている。
「ほら」
「私に、ですか?」
 自分を指差すと ザイラスが受け取れと頷く。

オリビアは受け取りながら 、ザイラスの心遣いが嬉しくて口元がほころぶ。
指でつまんで 口に入れると、あっという間に消えてなくなってしまったが、甘い甘い砂糖の味が口の中に残る。
 美味しいと目を閉じて、その甘さを味わう。
「あ~ん」
ザイラスの声に 目を開けると、口を大きく開けておねだりしてくる。驚きながらも、つまんで口に入れようとすると その前にザイラスに指ごと食べられてしまった。
「うっ」
「甘いな」
 柔らかい唇の感触に、手を引っ込めようとしたが、ザイラスに手首を捕まられて逃げられない。あまりにも濃厚な行為に戸惑いながらも、ときめいてしまう。
 キャンディーよりザイラスの方が甘い。

ザイラスが 手を放すとオリビアは、食べられた指を後ろに隠す。 気恥ずかしくて まともに目を合わせられなくて 俯く。
(どうして、こんなことするの?)
自分の中に 淡い期待が芽生える。
地面をみていたが、 どう思ってるのかとザイラスの表情を盗み見ようとしたのに、ポポが 私をめがけて飛んでくる。
「隙あり!」
「あっ」
 二人の甘い時間がポポの声と、ともに日常に戻る。
気づいた時には ポポに棒ごと奪い取られていた。
ポポが地面に ポイっと コットンキャンディーを置いて 食べ始める。
(私の コットンキャンディーが・・)

「 甘くて、美味い」
なすすべなく私のコットンキャンディーが なくなっていくのを見つめる。
しかし、一人占めした事への天罰なのか 毛にキャンディーが 貼り付く。
「んっ、何だ?ちょっ」
キャンディーを取ろうと その場をぐるぐる回っている。取れそうで、取れない。 
「自業自得だ。オリビアのために買ってあげたものなのに、横取りしようとするからだ」

 四苦八苦している姿に、見かねたオリビアは助けてあげようとしたが、それより先にザイラスが ポポを近くの噴水に投げる。 唖然としたまま一直線に飛んでいくポポを見送る。
ボチャーン!
「大変!」
 慌てて駆け寄ると濡れ鼠のポポが 噴水から這い出て来ると ブルブルと体ゆすって乾かす。
 いくら男同士でも乱暴すぎる。

「もっと優しくしろよ」
「 今 拭いてあげますね」
ハンカチを取り出してポポの体を拭こうとすると、 ザイラスが私の手を取って立たせる。
「ポポのことは 放っておけ」
「えっ?でも、でも」
 このままだと風邪をひくかもしれない。
ポポは、一緒に暮らす大切な家族だ。
「いいから!」
躊躇う私をザイラスが、怒鳴りつけてその場から引き離す。

こんなこと初めてだ。
オリビアは、ザイラスの態度にショックを受けたまま ついて行く。
どうして?何で怒ってるの?
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