グランドスカイ物語
「思う存分、楽しんで来なさい。何が起こっていようと悲観することはありません。あなたは『備え』ではあるが、何人も漏れず救い出す救世主などではない。ただ、■■■を目指すのです」
喋る動物たちが暮らす不思議な森、その森で唯一の人間――一人の少年がいた。
彼の名はニハマチ。好奇心と意思に満ちた瞳の、無邪気で天真爛漫な少年。少年は、森で研鑽と知恵を蓄える日々を過ごし、逞しく、健やかに自らを鍛え上げた。
彼が森で伸び伸びと育つ裏側で、「森の外の世界」では異変が起きていた。世界の全てを覆えるような巨大な「力」が、遥か世界の向こうから落下したのだ。その力は古来より、知る者の間では「多流(タルー)」と呼ばれていた。
力を手に入れた者たちの思惑と理想が巡り、暗黒の影が徐々に世界へ落ちていく。
そんな中、ニハマチは遂に外の世界へと旅立った。幸か不幸か、希望と冒険に胸を踊らせる彼が最初に出会ったのは、この世界において最も多流の恩恵を授かった者――世界最強の男だった。
世界を手中に収めんとする男と、ニハマチは一つの約束を交わした。
――『一年後、どちらが生きるか死ぬかの決闘をしよう』……そんな約束を。
まだ世界を知らない未熟な少年は、彼と同じ特殊な境遇を背負う少年少女と出会い、多流が落ちてきたと言われるもう一つの世界を目指す。
世界の名は「離天」。天離(あまさか)る向こう側にあると言われる世界を求め、宿敵である最強の男を倒すため、少年の旅が始まった――
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