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第一話 転生悪役令嬢は男装の騎士となる
02-15.
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胸を圧迫するだけではなく、胃なども圧迫するかのようにきつく締められたコルセットたちが原因だ。
「だが、どこにでも悪いやつはいるものでな。案の定、その子は悪いやつに連れて行かれそうになった。それを食い止めたのが俺なんだが――」
メルヴィンは話を途中で止めた。
アデラインの様子がおかしいことに気づいたのだ。
「アディ? どうした。顔色がおかしいぞ」
メルヴィンの語る思い出は悪いものではない。
思い出したくもない記憶を語られ、気分が悪くなったわけではない。
アデラインは上手く呼吸ができなくなっていた。
「これは化粧の粉か? なぜ、そんなものを」
メルヴィンは冷や汗が止まらないアデラインの額を指で拭い、指についた粉末に違和感を抱く。
男性が化粧をしているはずがない。
化粧をするのは女性である。
メルヴィンの凝り固まった考えが、アデラインの秘密を暴くきっかけになるとは想定外だった。
「ひとまず、医務室へ」
メルヴィンは緊急事態だと判断をした。
アデラインの体を横抱きにて、医務室へと連れて行こうとする。
「やめ、て、くだ、さい」
息が途切れ途切れになりながらも、アデラインは抵抗を見せた。
メルヴィンの服を掴む。その力は第一騎士団を誇る怪力の持ち主と呼ばれるアデラインとは思えないほどに、か弱いものだった。
「すぐに、よく、な……」
良くなるから問題はない。と、言い切る前にアデラインの意識は喪失する。
「だが、どこにでも悪いやつはいるものでな。案の定、その子は悪いやつに連れて行かれそうになった。それを食い止めたのが俺なんだが――」
メルヴィンは話を途中で止めた。
アデラインの様子がおかしいことに気づいたのだ。
「アディ? どうした。顔色がおかしいぞ」
メルヴィンの語る思い出は悪いものではない。
思い出したくもない記憶を語られ、気分が悪くなったわけではない。
アデラインは上手く呼吸ができなくなっていた。
「これは化粧の粉か? なぜ、そんなものを」
メルヴィンは冷や汗が止まらないアデラインの額を指で拭い、指についた粉末に違和感を抱く。
男性が化粧をしているはずがない。
化粧をするのは女性である。
メルヴィンの凝り固まった考えが、アデラインの秘密を暴くきっかけになるとは想定外だった。
「ひとまず、医務室へ」
メルヴィンは緊急事態だと判断をした。
アデラインの体を横抱きにて、医務室へと連れて行こうとする。
「やめ、て、くだ、さい」
息が途切れ途切れになりながらも、アデラインは抵抗を見せた。
メルヴィンの服を掴む。その力は第一騎士団を誇る怪力の持ち主と呼ばれるアデラインとは思えないほどに、か弱いものだった。
「すぐに、よく、な……」
良くなるから問題はない。と、言い切る前にアデラインの意識は喪失する。
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