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第三話 賢妃の才能は底知れない
07-2.
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「明明から話は聞いたか?」
香月は梓晴に問いかける。
その問いかけに対し、梓晴は頷いた。
「はい。徳妃は香月様を敵に回されるおつもりのようですね」
「厄介なことになった」
「なぜですか? 香月様の敵ではないでしょう」
梓晴は疑問を口にした。
香月は玄家の中でも最上位に位置する実力者だ。その実力は当主である父を超えている。玄家では誰も香月に勝てる者はいなかった。
「朱家を敵に回すつもりはなかったからな」
香月は手にしていた槍を振るう。
宝貝は大剣の形をしているが、もっとも使い慣れた武器は槍だ。修練では槍を使うことが多いのは、使い慣れているからである。
「徳妃の行動を朱家が支持するとは思えません」
梓晴の言葉に対し、香月は首を左右に振った。
「徳妃の行動は朱家の指示によるものだ」
香月は万姫の幼い思考を知っている。
嫉妬深く、誰よりも優遇されるべきであると思っていることも、先日、思い知らされたばかりである。
空は青々としていた。
季節は移り替わろうとしている。数日前までは咲く気配のなかった木犀の蕾が膨らんでおり、季節の変わり目を知らせようとしているかのようだった。
後宮には多くの花々が植えられている。
どの季節でも花が咲くようになっているのだ。
その中でも木犀の木は玄武宮にしかなかった。
香月が木犀を気に入っていることを知った俊熙は、今年中に咲きそうな木犀の木を何本も玄武宮に植えさせたのだ。
「朱家の本家には幼い子がいない」
香月は四大世家の会合を通じて知っている。
朱家の本家の末っ子は万姫だ。
分家には幼い子どもがいるものの、後宮に嫁がせるわけにはいかなかった。朱家は後宮に嫁がせるのは本家の出身の者と決めている。そうでなければ、利権を本家が独り占めできないからだ。
「徳妃の交代はありえない。それならば、徳妃の行動を支持していると考えてもおかしくはないだろう」
香月の考えは的中していた。
香月は梓晴に問いかける。
その問いかけに対し、梓晴は頷いた。
「はい。徳妃は香月様を敵に回されるおつもりのようですね」
「厄介なことになった」
「なぜですか? 香月様の敵ではないでしょう」
梓晴は疑問を口にした。
香月は玄家の中でも最上位に位置する実力者だ。その実力は当主である父を超えている。玄家では誰も香月に勝てる者はいなかった。
「朱家を敵に回すつもりはなかったからな」
香月は手にしていた槍を振るう。
宝貝は大剣の形をしているが、もっとも使い慣れた武器は槍だ。修練では槍を使うことが多いのは、使い慣れているからである。
「徳妃の行動を朱家が支持するとは思えません」
梓晴の言葉に対し、香月は首を左右に振った。
「徳妃の行動は朱家の指示によるものだ」
香月は万姫の幼い思考を知っている。
嫉妬深く、誰よりも優遇されるべきであると思っていることも、先日、思い知らされたばかりである。
空は青々としていた。
季節は移り替わろうとしている。数日前までは咲く気配のなかった木犀の蕾が膨らんでおり、季節の変わり目を知らせようとしているかのようだった。
後宮には多くの花々が植えられている。
どの季節でも花が咲くようになっているのだ。
その中でも木犀の木は玄武宮にしかなかった。
香月が木犀を気に入っていることを知った俊熙は、今年中に咲きそうな木犀の木を何本も玄武宮に植えさせたのだ。
「朱家の本家には幼い子がいない」
香月は四大世家の会合を通じて知っている。
朱家の本家の末っ子は万姫だ。
分家には幼い子どもがいるものの、後宮に嫁がせるわけにはいかなかった。朱家は後宮に嫁がせるのは本家の出身の者と決めている。そうでなければ、利権を本家が独り占めできないからだ。
「徳妃の交代はありえない。それならば、徳妃の行動を支持していると考えてもおかしくはないだろう」
香月の考えは的中していた。
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