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第一話 青龍寺家の呪われた子
05-3.
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青龍寺家には戻りたくなかった。
義孝の傍にいたかった。
「だめじゃない。だめじゃないんだが」
義孝は言い淀んだ。
そして、恥ずかしそうな顔をしながら、美子の頭を撫でた。
「10歳も年上の旦那でいいのか?」
「はい」
「美子さんのようにかわいい方の貰い手は俺以外にもいると思うが。……その、なんというか。俺も美子さんを好ましく思う。だから、傍にいてくれるのならば、それ以上に嬉しいことはない」
義孝は覚悟を決めたように言い切った。
その言葉に対し、美子は嬉しそうに笑った。
「なにを甘ったるいことを言ってるんですか、義孝さん」
リビングの扉が開けられ、ツッコミが入る。
当然のように二人の間を割くように割り込んできたのは義孝の母親である桐生雪だ。雪は冷たい目を義孝に向けた。
「28歳にもなって恋愛ごっこはおよしなさいな。見ていて暑苦しくてしかたがありませんよ」
雪は暑い暑いと繰り返す。
それに対し、義孝は気まずそうな顔をして美子の頭から手を下ろした。
……この方がお義母様。
噂には聞いていた。
桐生家の先代当主の妻であり、今も絶対的な権力を握っている。青龍寺家に政略結婚を申し込んだのは雪である。
「なんですか。その長い前髪は。みっともない。ハサミを貸しなさい、切ってあげましょう」
「これはだめです」
「嫁が歯向かうのですか。そうですか。私も舐められたものですね」
雪は机の上にあったハサミに手を伸ばす。
その手を止めたのは義孝だった。
「義孝さん。嫁姑問題に口を挟むのは早すぎるのではないですか? 男は若い女に弱いと言いますが、母さんに対してあんまりな対応ではないでしょうか?」
雪は文句を口にする。
しかし、義孝は首を横に振った。
「美子さんの嫌がることはしないでいただきたい」
義孝の言葉に対し、雪は露骨なまでに嫌そうな顔をした。それからハサミは諦め、視線を美子に戻す。
義孝の傍にいたかった。
「だめじゃない。だめじゃないんだが」
義孝は言い淀んだ。
そして、恥ずかしそうな顔をしながら、美子の頭を撫でた。
「10歳も年上の旦那でいいのか?」
「はい」
「美子さんのようにかわいい方の貰い手は俺以外にもいると思うが。……その、なんというか。俺も美子さんを好ましく思う。だから、傍にいてくれるのならば、それ以上に嬉しいことはない」
義孝は覚悟を決めたように言い切った。
その言葉に対し、美子は嬉しそうに笑った。
「なにを甘ったるいことを言ってるんですか、義孝さん」
リビングの扉が開けられ、ツッコミが入る。
当然のように二人の間を割くように割り込んできたのは義孝の母親である桐生雪だ。雪は冷たい目を義孝に向けた。
「28歳にもなって恋愛ごっこはおよしなさいな。見ていて暑苦しくてしかたがありませんよ」
雪は暑い暑いと繰り返す。
それに対し、義孝は気まずそうな顔をして美子の頭から手を下ろした。
……この方がお義母様。
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「なんですか。その長い前髪は。みっともない。ハサミを貸しなさい、切ってあげましょう」
「これはだめです」
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雪は机の上にあったハサミに手を伸ばす。
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雪は文句を口にする。
しかし、義孝は首を横に振った。
「美子さんの嫌がることはしないでいただきたい」
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