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しおりを挟む雪五朗のごつごつとした掌がするりとワンピースをたくし上げる。
首元に彼の吐息がかかったかと思うと、鋭いかすかな痛みがやってきて、キスマークを落とされたのだと理解した。
「っ、あ」
彼の太い指が私の大腿部から腹にかけてゆうるりと上ってくる。
もどかしいような急いた気持ちが私を支配していく。
指が私の胸部に到達して、下着の上を軽く触る。
無意識に身体がぴくりと反応する。
羞恥と期待に膨らむ心臓が痛い。
「は、ぁ」
悩まし気に眉を寄せたところで、彼は私の胸元を解放した。
するりと胸部を締め付けていた下着がワンピースの外に出ていくのが視界の片隅に映った。
恥ずかしさに私は両手を顔に当てた。
ふっと彼の顔が首元から下へ降りていき、服の上から私の胸部に唇を這わしている。
服の下では相変わらず彼の指が私の胸の周りを行ったり来たりしていた。
「あ、やだ……」
泣きそうになりながらも、瞳の端には快感の期待が灯っていた。
けれども、私の邪な期待を裏切り、彼の繊細な動きは決して肝心なところに触れてこないのだ。
どうしようもなく切なくて、私は大腿部をすり合わせていた。
それに気が付いた雪五朗が私の胸元からこちらを見上げている。
少し幼く見えたその眼差しに、きゅうぅぅ、と鳴いたのは心臓かそれとも――――。
「……どうして欲しい?」
掠れた吐息が胸部の頂点に吹きかけられ、私は気がおかしくなりそうだった。
いっそのこと狂わせて欲しかった。
ゆっくりじっくり淫らになっていく自分など、知りたくないのだから。
ぎゅっと目を閉じて、私は震える唇を開いた。
「っ、はやく……お願いよ。わたし、どうしていいのかっ、っん!」
「ふっ、可愛い」
雪五朗の言葉を理解する前に、ワンピースごと私の頂点は彼の口内に含まれてしまい、求めていた悦びが一度に押し寄せた。
ざらついた布が彼の唾液を帯びて、私の胸に張り付いている。
ちらり、と視線を落とすも眼前の光景があまりにも卑猥で私はすぐに視線を逸らした。
あられもない声を出さぬよう無意識のうちに口元に置いていた手を、雪五朗の手にからめとられる。
私の指先が彼のそれと絡まりあう。
私だけを、愛して欲しい。
快楽にくらむ脳の裏側で、気が付けばそう願っていた。
身体中を巡っていく彼の唇。
力いっぱいに握り合った右手と左手。
胸と股の間にある敏感な場所に添えられた指先。
ゆったりと行き来して、やがて雪五朗のごつい指先が私の中に入ってきた。
「あ、ぁ、、、あ。っん」
指は次第に激しく動き、私の弱いところを過剰に攻め立てる。
彼の深淵みたいな瞳が私に注がれていた。
私の反応ひとつひとつを興味深く見ている。
「っ、見ない、で……」
口よりも多くを語るその目に私は終ぞ抗えず、はしたなくもあえかな声を大きく出して――――果てた。
そっと抱き込まれる気配を感じながら、私は意識を飛ばしたのだった。
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