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しおりを挟む熱が集まりかけている股ぐらのあたりがむず痒く、勃ちかけているのがわかる。金平糖の効果は改めて確認できたし、諒太郎が俺にエロスを感じていることはわかったわけだから、今日はこのまま帰ったほうがよさそうだ。
「……え、ええと。じゃあ俺帰るから、戸締りだけはしっかり、」
「えっ、もう帰っちゃうの?」
「え?」
パッと顔を上げた諒太郎の頭上から、モヤがふっとかき消えた。
名残惜しさと焦りをないまぜにしたような表情で見つめられ、俺の心臓はドクン! と大きく跳ね上がる。
——うう、くそっ……! あんな妄想してるくせに、可愛い顔で俺を引き止めやがって……。
「久々に上がっていけば? こんなにたくさんもらっても、桃、食べきれないし」
「あ……あ、うん。じゃあ、ちょっとだけ」
股間は騒がしいままだが、諒太郎に引き止められては断れるわけがない。俺は素直に靴を脱ぎ、じんじん疼くあそこを刺激しないよう、静かにフローリングの廊下に足を乗せた。
居心地悪さをごまかすべくうなじを掻きつつ、俺はちら、と諒太郎を見上げた。……というか、見上げなくてはならないほどの身長差が生まれていることに初めて気づく。キュンとするような複雑なような……微妙な気分だ。
「も、桃一個食ったら帰る」
「う、うん……! すぐに剥くよ」
桃の入ったビニール袋を大切そうに抱え、諒太郎はぱぁぁと顔を輝かせた。
無表情だと果てしなくクールに見える黒髪色白の凛々しい美形が見せる無防備な愛くるしい表情に、俺の心臓は鷲掴み。……だが。
——あ、あれ? また?
早足にキッチンへと向かう諒太郎の後ろをついて歩き始めたとたん、モワンッと軽やかに諒太郎の頭上に例のモヤが浮かび上がった。
『……ばかやろうっ……どこ、なめて……! ンぁ、ふぅ……んっ』
『桃よりずっと、こっちのほうが美味しいなぁ。……ねぇ、もっと脚を開いてよ、舐めにくいだろ?』
『ぁっ……! 舌、挿れんな……ぁ、あっ……ん、ん』
ズボンを脱がされ四つん這いにされた俺の双丘に、諒太郎ががっつり顔を埋めている……。
俺の後孔を舐めほぐしているのだろうか。時折、いやらしく濡れた音さえも聞こえてきて、あまりのエロさと果てしない羞恥のあまり、俺はめまいを起こしそうになった。
しかもモヤの中の俺は『やめろばか』などと言いつつも、猫のように腰をしならせ恍惚の表情だ。しかも、脚の間には勃ち上がったペニスまでしっかりと見えている。……俺の実物よりもなんだかひとまわり小さいような気がするが、そこはまぁ一旦置いておこう。
『ぁ、あ、っ……ぁん』
『千夏くん、ココ舐められるの好きなんだ。腰、いやらしく揺れてるよ?』
『ん、んっ……そんなわけ……ないっ!』
『そっか。千夏くんは、やっぱりこっちのほうがいいんだね』
『ち、ちがう……っ』
ピカピカのシンクで手際よく桃の皮を剥いている諒太郎の頭上では、尻を舐められていた俺がふたたび挿入されそうになっている。
よろよろと這って逃げようとする俺の腰を引き寄せ、諒太郎は片手でジーパンのチャックを下ろす。するとそこから、高校一年生のものとは思えないほどに雄々しい、血管バキバキの極太なアレが姿を現し……。
「りょ、諒太郎は夏休み部活あんの!!??」
目の前で繰り広げられる自らの痴態に耐えきれなくなった俺は、裏返った声で無理矢理にエロくなさそうな話題を諒太郎に振った。
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