カラーアイズ

第1話 里帰りと再会

 電車から降りたそこで俺は何年ぶりかの無人駅に心を踊らせた。
 「ここに来るのも7年位経っているのか・・・懐かしいな。｣今日はよく晴れていた、まるで新しい生活を祝福するように太陽が眩しかった。
 「相変わらず日が出ると眩しいな何も無いし・・・とりあえず飲み物でも買うかな、ん？あいつ何処かで会ったような・・・」駅を出て右側に置いてある自販機の前に見慣れたような姿を見つけた。
 「あの～つかぬことをお聞きしますが、レン君ですか？」長年人とかかわらなかったせいかちゃんと喋れてるか不安だったが思わぬ返事が帰ってきた。
 「その喋り方と呼び方は！！純か！久しぶりだな！」
 「覚えててくれたのか・・・レン君」少し、いや物凄く驚きながら答えた。
 「覚えるも何も約束しただろ？また明日なって！！」
 「よく覚えてたなそんな約束・・・7年位経ってるだろ？」
 「覚えてるも何も俺達は幼馴染みだろ？その位覚えてなくてどうするんだよ！」昔みたいに茶化すように言った。
 「俺もまだ覚えているよ・・・やっと来たなその明日が・・・」少し嬉しそうに言った。すると唐突にレンは言った。
 「お前まだ目ダメなのか？」レンは目の事を心配してくれたのか少しらしくない声で言った。
 「気にするなもう慣れたから。それより雅は？会っているのか？」気まずい空気を変えるように聞いた。
 「雅は、たまにだけど会いに行ってるよ。あいつも元気だよ。」
 「そうか・・・雅も元気か。」
 「そんなら、今度一緒に会いに行くか！」レンは嬉しそうに提案した。
 「悪くないな、俺も高校3年間はこっちに住む予定だし。」
 「そうかそうか！！色々話したいし今からお前の家に行っていいか？」
 「丁度いいやお茶もなんも出せねぇけど俺のこっちの新しい家に行くか」俺は嬉しそうに言った。駅から歩くこと約30分位歩いた所に家があった。
 「以外にボロいな！」レンは昔みたいに冗談交じりに馬鹿にした。
 「悪かったな、仕送りの金で住める家がこれしか無かったんだよ」
 「分かってるよ、とりあえず上がってくれよ。」
 「いやいや！お前の家じゃ無いだろ！」
 「冗談だよ！冗談！」そんな馬鹿げた会話をして1日を過ごした。


 キーンコンーカーンコーンとチャイムがなった後に担任の教師が入ってきた。
 「はーい、静かにして～今日は夏休み明けで早速だけど転校生を紹介します！」と言った瞬間教室が騒がしくなった。
 「静かに！紹介します！入って来て！！」俺は先生に言われた通りに教室に入って来て自己紹介を始めた。
 「えーと初めましてかな？一応小学生の途中までこっちに住んでたのでもしかしたら知ってる方も居るかも知れませんが・・・俺の名前は、東海 純太です。てかこの年代なら知ってる人も多いかな？奇跡の事故の生き残りです・・・」恐る恐る自己紹介をした。するとまたもや教室が騒がしくなった。その中には、アイツが生き残り！とか東海って同じ小学校だったとかそんな声が聞こえた。ふと教室を見渡すと窓際の一番後ろの席にレンが座っていた。
 「純太君の席はあそね。」先生の指さした席へ移動した。
 「あの～えーとよろしくね？」席についてすぐに隣の席の女子が話しかけてきた。
 「えーとよろしく・・・君名前とかは？」困惑しながら聞いた。
 「あ、ごめんなさい名前言ってないですね。私の名前は清海 鈴鳴って言います。」
 「よろしくね。。手短に自己紹介をしてホームルームの準備をしようとした瞬間鈴鳴は俺にとって重大な事を言った。
 「実は私誰にも言ってないのですが、奇跡の事故の生き残りです。」そこで俺の手が止まった。
 「冗談だろ・・・確かに俺以外に生き残りは居たがそんな簡単に会える訳が無いだろ？」困惑しながら聞き直した。
 「冗談じゃありません証拠に私の目は白と黒しか認識出来ません。」
 「それじゃ証拠にはならないだろ。お前の目が何色を認識出来るかなんてお前以外にわかるわけが無い。」と言った直後俺の前に1枚の紙を出した。
 「これで信用してくれまましたか？｣その紙には鈴鳴の症状と原因が書かれていた。症状・虹彩認識不全症。原因・事故による網膜損傷。特筆事項・2009年の事故で奇跡的に生き残っていた内の1人もう1人も似たような症状を発症。とだけ書かれていた。
 「マジかよ・・・」
 「これで信じてくれましたね。」俺は困惑するしか無かった。俺が求めていた人物にこうも簡単に会えるなんて誰が思っただろうか。いやいや誰も思わなかったはずだ。こうして俺の小さな奇跡の連続の3年間はこうして始まった。