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第十九代白神家当主 ⑤
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俺は食事をしながら、試験中にゆずが穴に現われた事からはじまって、ゆずと一緒に魔物を倒したこと。ゆずが白神家の再興を願っている事。俺がその願いをかなえたいと思っている事。そして、それによってゆずの人生に悪い影響を与えるのではないかと危惧していることなどを一気に話した。
結女さんは、俺の話を頷きながら聞いていたが、全てを聞き終わってようやく口を開いた。
「眷属になってまだ間もないからか、人間の私には受け継がれるお役目という感覚は良く分からないんです。一宇様も刑部家の眷属をなさっているんですよね?」
「はい。俺も主のアヤメも、いろいろな才能があって刑部の家に生まれなかったら、彼女はいったい何になったんだろうって考えることがあります。」
「それに、ゆずちゃんはおじさまの起こした事件のせいで、生まれた時から「守人殺し」などと言われて、辛い目にあうことも多かったんです。でも、ゆずちゃん気持ちを白神家のお役目に向かわせるのは、去年亡くなった大旦那様の影響が大きいんじゃないかと思うんです。大旦那様も第十七代目として白神家のお役目をなさっておられました。それで。十八代目の剣護様があのような事件を起こしてしまってお役目の任を解かれた後も、生まれたゆずちゃんに「白神家」のお役目の話や偉業を話して聞かせていましたから。」
「そうだったんですか、、。」
「それに、今回。ゆずちゃんが洞窟に現われたのは、私のせいかもしれません。安芸様が亡くなった後、長い間、守人のお役目が空席状態でしたから、ゆずちゃんも白神家の役目に就くことは半ば諦めていたと思います。でも、こちらでお勤めしていて、新しく守人の候補者が来ると私が聞いて、私の主。ゆずちゃんのお母様に話しているのをゆずちゃんが聞いていたのかもしれません。」
「それで、結女さんは、ゆずが白神のお役目に就くことには反対ですか?」
「ゆずちゃんの事はもちろん心配です。今回の守人の候補者が一宇様でなかったら、完全に反対していたと思います。でも、このままゆずちゃんが報われぬ思いを抱えたまま成長するよりも、あるいは一宇様にゆずちゃんを託してみたいという気がします。一宇様と一緒に良い方向へ行けるような気がするんです。もちろんゆずちゃんの成長を見て来たとは言え、私はゆずちゃんの母親ではありませんから、奥様にもお聞きになってください。」
「わかりました。白神家を復職させる裁量が俺にあるのか、それも不明です。そのことは今夜にでも賢人衆に話してみます。結女さん。ありがとうございました。万が一、白神家が復職できなかったとしても、白神家に対する嫌がらせや中傷だけでもなんとかなくすように努力してみます。」
「一宇様、、。」
彼女は俺に深々と頭を下げる。
俺は、祖母の部屋に戻り賢人衆にどのように話をするかあれこれと考えた。
結女さんは、俺の話を頷きながら聞いていたが、全てを聞き終わってようやく口を開いた。
「眷属になってまだ間もないからか、人間の私には受け継がれるお役目という感覚は良く分からないんです。一宇様も刑部家の眷属をなさっているんですよね?」
「はい。俺も主のアヤメも、いろいろな才能があって刑部の家に生まれなかったら、彼女はいったい何になったんだろうって考えることがあります。」
「それに、ゆずちゃんはおじさまの起こした事件のせいで、生まれた時から「守人殺し」などと言われて、辛い目にあうことも多かったんです。でも、ゆずちゃん気持ちを白神家のお役目に向かわせるのは、去年亡くなった大旦那様の影響が大きいんじゃないかと思うんです。大旦那様も第十七代目として白神家のお役目をなさっておられました。それで。十八代目の剣護様があのような事件を起こしてしまってお役目の任を解かれた後も、生まれたゆずちゃんに「白神家」のお役目の話や偉業を話して聞かせていましたから。」
「そうだったんですか、、。」
「それに、今回。ゆずちゃんが洞窟に現われたのは、私のせいかもしれません。安芸様が亡くなった後、長い間、守人のお役目が空席状態でしたから、ゆずちゃんも白神家の役目に就くことは半ば諦めていたと思います。でも、こちらでお勤めしていて、新しく守人の候補者が来ると私が聞いて、私の主。ゆずちゃんのお母様に話しているのをゆずちゃんが聞いていたのかもしれません。」
「それで、結女さんは、ゆずが白神のお役目に就くことには反対ですか?」
「ゆずちゃんの事はもちろん心配です。今回の守人の候補者が一宇様でなかったら、完全に反対していたと思います。でも、このままゆずちゃんが報われぬ思いを抱えたまま成長するよりも、あるいは一宇様にゆずちゃんを託してみたいという気がします。一宇様と一緒に良い方向へ行けるような気がするんです。もちろんゆずちゃんの成長を見て来たとは言え、私はゆずちゃんの母親ではありませんから、奥様にもお聞きになってください。」
「わかりました。白神家を復職させる裁量が俺にあるのか、それも不明です。そのことは今夜にでも賢人衆に話してみます。結女さん。ありがとうございました。万が一、白神家が復職できなかったとしても、白神家に対する嫌がらせや中傷だけでもなんとかなくすように努力してみます。」
「一宇様、、。」
彼女は俺に深々と頭を下げる。
俺は、祖母の部屋に戻り賢人衆にどのように話をするかあれこれと考えた。
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