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第十九代白神家当主 ⑥
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結女から呼び出しがあり、俺は賢人衆の待つ広間に移動する。賢人衆は既に広間で俺を待っていた。
俺はいつものように彼らの正面中央に置いてある座布団の上にすわる。
「守人様。魔物退治、お見事でございました。」
賢人が3人揃って頭を下げる。彼らの予期せぬ対応に俺は困ってしまって、俺も頭を下げた。
彼らが俺を守人と呼んだことで、俺は自分が試験に合格したことを知った。
「頭をお上げください。」
そう言われて俺は頭を上げる。
(!!!!!)
賢人の顔を覆っていた布が無くなっている。彼らは素顔をさらしてそこに座っていた。声の感じでで分かっていたが、二人の男性と一人の女性で賢人衆は構成されているようだ。3人とも年寄りで、柔和な顔をしていたのは意外だった。
「貴方が試験に合格した以上、もうこの布は必要ありません。」
女性の賢人がそう言った。
「しかも、狂蛇王を倒すとは。正直、驚きました。」
たしか、ゆずも魔物の事を狂蛇王と言っていたよな、、、。
「これから本田さんには、守人として必要な知識を勉強していただきます。それが済みましたら晴れて守人に就任でございます。その勉強のためここにあと10日ほど滞在していただきますが、本田さんの覚えが早ければ、もっと早くにご自宅に戻ることが出来るでしょう。」
「はい。了解しました。」
守人に決まった以上、ああだこうだ言っても仕方ない、、、。今の俺にできることは、一日も早くその知識とやらを習得し、アヤメの待つ日常に帰るしかない!
「勉強に必要な教材は、すぐに準備させましょう。」
「それと、守人の任務は、最初のお約束通り東門に異変が起こるまで保留といたします。それまで、本田さんは、今まで通り刑部家の眷属としてお役目に励んでください。」
「他に何か、ご質問はありますか?」
女性の賢人が俺に訊ねた。
「質問はありません。でも、あの、、、。お願いしたいことが一つあります。」
「お願いとは何ですか?」
「実は、今回の魔物は私一人で退治したのではありません。」
「でも、あの洞窟には、貴方しかいなかったはずですよ。」
「いいえ、もう一人いたんです。白神家第十九代当主が、、。」
「あの白神の跳ね返り娘ですか、、、。」
「彼女は的確に魔物の種類と対峙するためのポイントを教えてくれました。彼女が居なかったら、魔物を退治できたか非常に怪しい所です。」
俺は思ったことをありのままに口にする。
「それで、貴方のご希望とは何ですか?」
「白神家のお役目を復活して欲しいんです。第十九代当主として白神譲を私のサポートにつけてください。」
賢人の3人はお高いの顔を見合わせて、ひそひそと話を始める。話がまとまったのか、3人の中で一番年齢が上に思われる男性が口を開いた。
「それは、白神の娘に頼まれたからそう言っているのでしょうか、それとも、貴方自身のお考えですか?」
「ゆずに頼まれたのは事実です。それに、家系だから、血筋だからと決められた仕事に就かなければいけないというのも、人間社会で人間として育てられた俺にはいまいちピンとこないです。でも、彼女は違う。彼女は白神家に生まれて、既にその役目がないのにもかかわらず、彼女の目はひたむきにその役目だけを見ている。その事に心打たれたのかもしれません。彼女は俺にも良い影響を与えてくれると思います。それに、俺も彼女に良い影響を与えられたらうれしいって思いました。」
「本田さんのお考えは、わかりました。それでは、守人様は誰が白神家の任を解いたか、ご存知ですか?」
「え?それは。賢人の皆さんではないんですか?」
「違いますよ。白神の任を解いたのは、前任者の安芸です。」
「えっ?祖母がですか、、?」
「本田さんは、過去で安芸の最後の瞬間をご覧になりましたよね。」
確かにそうだ、白神剣護に向かって「白神家の任を今、この場で解く」と確かに祖母は言っていた。
「お分かりになりましたね。我々も、本田さんとは違う方法でですが、貴方が見たものと同じ場面を見ました。ですから、安芸の意志に従って白神家の任を解いたのです。それに、その後、あなたがここに来るまでは守人はいなかったのですから、白神も必要ありませんでした。」
そうだったのか、、。
「白神の役目の決定権は全て守人にあります。つまり、守人のあなたです。あなたが白神家を復興したいのであれば、私たちの了解を取る必要はありません、ただそう言えばいいだけですよ。」
「わかりました。それでは、白神家のお役目を復活させます。白神家には今夜、ご挨拶に行ってきます。」
「わかりました。それでは、本田さん、いえ、守人様。お役目よろしくお願いいたします。」
3人がまた揃って頭を下げる。俺もあわてて頭を下げた。
話し合いは、これで終わった。祖母の部屋に戻ると、ベッドの上に古い和紙を紐で綴じた本のようなものが置いてある。開いてみると、魔物の絵と筆書きで何か文字が書いてあるが、その文字はまるでミミズがのたうち回っているようで、全く読めなかった。、マズい。こんなに沢山、しかもこの文字、、、。10日間で憶えられるのか?
本をパラパラとめくり、描いてある絵だけを見る。蛇の魔物が書かれたページが出て来た。これが狂蛇王だろう。でも、そこに書いてある文字も何が書かれているのかさっぱりわからなかった。
俺はいつものように彼らの正面中央に置いてある座布団の上にすわる。
「守人様。魔物退治、お見事でございました。」
賢人が3人揃って頭を下げる。彼らの予期せぬ対応に俺は困ってしまって、俺も頭を下げた。
彼らが俺を守人と呼んだことで、俺は自分が試験に合格したことを知った。
「頭をお上げください。」
そう言われて俺は頭を上げる。
(!!!!!)
賢人の顔を覆っていた布が無くなっている。彼らは素顔をさらしてそこに座っていた。声の感じでで分かっていたが、二人の男性と一人の女性で賢人衆は構成されているようだ。3人とも年寄りで、柔和な顔をしていたのは意外だった。
「貴方が試験に合格した以上、もうこの布は必要ありません。」
女性の賢人がそう言った。
「しかも、狂蛇王を倒すとは。正直、驚きました。」
たしか、ゆずも魔物の事を狂蛇王と言っていたよな、、、。
「これから本田さんには、守人として必要な知識を勉強していただきます。それが済みましたら晴れて守人に就任でございます。その勉強のためここにあと10日ほど滞在していただきますが、本田さんの覚えが早ければ、もっと早くにご自宅に戻ることが出来るでしょう。」
「はい。了解しました。」
守人に決まった以上、ああだこうだ言っても仕方ない、、、。今の俺にできることは、一日も早くその知識とやらを習得し、アヤメの待つ日常に帰るしかない!
「勉強に必要な教材は、すぐに準備させましょう。」
「それと、守人の任務は、最初のお約束通り東門に異変が起こるまで保留といたします。それまで、本田さんは、今まで通り刑部家の眷属としてお役目に励んでください。」
「他に何か、ご質問はありますか?」
女性の賢人が俺に訊ねた。
「質問はありません。でも、あの、、、。お願いしたいことが一つあります。」
「お願いとは何ですか?」
「実は、今回の魔物は私一人で退治したのではありません。」
「でも、あの洞窟には、貴方しかいなかったはずですよ。」
「いいえ、もう一人いたんです。白神家第十九代当主が、、。」
「あの白神の跳ね返り娘ですか、、、。」
「彼女は的確に魔物の種類と対峙するためのポイントを教えてくれました。彼女が居なかったら、魔物を退治できたか非常に怪しい所です。」
俺は思ったことをありのままに口にする。
「それで、貴方のご希望とは何ですか?」
「白神家のお役目を復活して欲しいんです。第十九代当主として白神譲を私のサポートにつけてください。」
賢人の3人はお高いの顔を見合わせて、ひそひそと話を始める。話がまとまったのか、3人の中で一番年齢が上に思われる男性が口を開いた。
「それは、白神の娘に頼まれたからそう言っているのでしょうか、それとも、貴方自身のお考えですか?」
「ゆずに頼まれたのは事実です。それに、家系だから、血筋だからと決められた仕事に就かなければいけないというのも、人間社会で人間として育てられた俺にはいまいちピンとこないです。でも、彼女は違う。彼女は白神家に生まれて、既にその役目がないのにもかかわらず、彼女の目はひたむきにその役目だけを見ている。その事に心打たれたのかもしれません。彼女は俺にも良い影響を与えてくれると思います。それに、俺も彼女に良い影響を与えられたらうれしいって思いました。」
「本田さんのお考えは、わかりました。それでは、守人様は誰が白神家の任を解いたか、ご存知ですか?」
「え?それは。賢人の皆さんではないんですか?」
「違いますよ。白神の任を解いたのは、前任者の安芸です。」
「えっ?祖母がですか、、?」
「本田さんは、過去で安芸の最後の瞬間をご覧になりましたよね。」
確かにそうだ、白神剣護に向かって「白神家の任を今、この場で解く」と確かに祖母は言っていた。
「お分かりになりましたね。我々も、本田さんとは違う方法でですが、貴方が見たものと同じ場面を見ました。ですから、安芸の意志に従って白神家の任を解いたのです。それに、その後、あなたがここに来るまでは守人はいなかったのですから、白神も必要ありませんでした。」
そうだったのか、、。
「白神の役目の決定権は全て守人にあります。つまり、守人のあなたです。あなたが白神家を復興したいのであれば、私たちの了解を取る必要はありません、ただそう言えばいいだけですよ。」
「わかりました。それでは、白神家のお役目を復活させます。白神家には今夜、ご挨拶に行ってきます。」
「わかりました。それでは、本田さん、いえ、守人様。お役目よろしくお願いいたします。」
3人がまた揃って頭を下げる。俺もあわてて頭を下げた。
話し合いは、これで終わった。祖母の部屋に戻ると、ベッドの上に古い和紙を紐で綴じた本のようなものが置いてある。開いてみると、魔物の絵と筆書きで何か文字が書いてあるが、その文字はまるでミミズがのたうち回っているようで、全く読めなかった。、マズい。こんなに沢山、しかもこの文字、、、。10日間で憶えられるのか?
本をパラパラとめくり、描いてある絵だけを見る。蛇の魔物が書かれたページが出て来た。これが狂蛇王だろう。でも、そこに書いてある文字も何が書かれているのかさっぱりわからなかった。
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