14 / 23
第14話 夏祭りの断り文句
しおりを挟む
昇降口の掲示板に、盆踊りのポスターが増えた。
先週の“夏祭り”とは別に、町内会の盆のやぐらが校庭の端に立つらしい。
太鼓の練習の音が、放課後の風に混じって届く。ドンドン、ドドン。
赤い提灯はまだ灯っていないのに、校舎の影がいつもより柔らかく見えた。
理科棟の一番奥、「天文部」。
白板の太字は変わらない。
8/12→13 24:30 屋上
その下に、柏木先輩の字で「上着・敷物・赤ライト・飲み物」。
机の端には、観測カードの束。
美月は一枚手に取り、日付の欄に小さく“8/12”と書いてから、ペンを止めた。
(行くって、決めた)
胸の中で、何度も言い直す。
「やあ」
望月先輩が白板の前から顔を上げる。
白いシャツの袖を肘までまくり、ペン先で“24:30”をもう一度、なぞっていた。
「……盆踊り、行く?」
唐突に置かれた誘い。
声の温度はいつも通りで、用件も、ただの夏の予定みたいに軽い。
それでも、胸の中心は先に身構える。
「町内のやつ。明日の夜。屋台の灯りで星は薄いけど、“見えない夜の観察B”——音の地図と光の距離の再測。短時間で戻る」
“観測”という言い回しに、誘いの棘が包まれる。
わかってる。
この人はいつも、橋の作り方で話す。
自分と誰かをつなぐ道を、用意してから渡してくる。
「……明日は、ちょっと」
口が先に動いた。
“家の用事”とか“宿題”とか、断り文句はいくつも浮かぶ。
選べば、刺さらない言葉になる。
なのに、喉の手前で別の文が生まれてしまう。
「先輩は、あの人と行けばいいじゃないですか」
——言ってしまった。
部室の空気が一度だけ静止する。
扇風機の羽の音だけが、規則正しく回る。
望月先輩は、ほんのわずかに目を瞬き、それから困ったように笑った。
「“あの人”って……誰?」
(知らない)
名前も関係も、私は何も聞かされていない。
“家族ぐるみの知り合い”。“進路の相談”。
そう言われた言葉の外側に、勝手に別の名前をつけたのは私だ。
「……いえ。なんでもないです」
自分で引いたわだちに、車輪を戻せない。
強がりは、走り出すと止めづらい。
「ほんとに“用事”?」
「はい」
視線を落として、観測カードの角を親指でなぞる。
紙の手触りが、いつもより硬い。
「わかった。無理はさせたくない。——ただ、来てほしいとは思ってる」
それは、この前の屋上でも聞いた文だ。
短くて、やさしくて、重い。
返事の選択肢がいくつも浮かんで、どれも口から出ない。
「……流星群は、行きます」
それだけは、確かに言えた。
望月先輩は、ほっとしたように頷いた。
「うん。24:30。東側は寝転び優先。——“ひとこと”、楽しみにしてる」
楽しみにしてる。
その一語が、また胸の内側で質量を持つ。
今は嬉しいよりも、痛いのに近い。
柏木先輩が「鍵、預かるね」と入ってきて、部屋はふわりと動きを取り戻す。
望月先輩は白板の隅に「盆踊り=観察B案(任意)」と小さく書き加えた。
翌日。
校庭の端にやぐらが立ち、赤い提灯に灯りが入る。
太鼓の音は練習のときより柔らかく、盆の輪が少しずつ大きくなる。
美月は、行かないと決めた服装で家を出た。
下駄ではなくスニーカー。浴衣ではなくTシャツ。
理科棟の裏手を抜け、風の通る廊下へ。
屋上の鉄扉には鍵がかかっていた。
(今日は、地上を歩こう)
校門の外。
神社へ向かう道は、提灯の赤で柔く照らされている。
屋台の裏では発電機が唸り、氷の削れる音が高い。
線香の匂いが風に重なり、遠くで風鈴が一度だけ鳴る。
音の地図が、勝手に頭の中で描かれる。
観測カードがあれば、ここに“匂い”と“光の距離”を一つずつ足せたのに——と思って、苦笑いする。
鳥居の手前。
紺の甚平。白いうちわ。
望月先輩だ。
隣に——彼女はいない。
代わりに、柏木先輩が浴衣で手を振り、新堂が綿あめを二つ持ってはしゃいでいる。
(来なくて、よかったかもしれない)
胸の重さと違って、足取りは軽いふりをする。
目線をすべらせて通り過ぎる——つもりだったのに、呼ばれた。
「一ノ瀬さん」
立ち止まる。
うちわの風が、やわらかく顔に当たる。
目が合った。
先輩は困ったように笑って、それでも、いつもの調子で言う。
「今夜は、北東が少し暗い。提灯の列が切れる場所がある。——そこでベガがちょっと濃くなる」
見ないふりをしていた“観測の言葉”が、簡単にこちらの心を開けてしまうのが悔しい。
言葉がこぼれる。
「……彼女は、来ないんですか」
「彼女?」
本当にわからない、という顔。
天然、という言葉が喉にのぼり、同時に、涙が喉の奥で塊になる。
「進路の相談の人。一緒に、行けばいいのに」
柏木先輩が、空気を読んで新堂を引っ張って遠ざかる。
太鼓の音が少し大きくなる。
望月先輩は少し黙って、それから、ほんとうに困った顔で言った。
「……家族みたいな関係だよ。昔から。今日は向こうの家の用事だって」
“家族”。
わかってる。
そう言われたのを、私は知ってる。
でも、わからない。
「そうですか。——じゃあ、なおさら」
(なおさら、何?)
口が先に走る。
言葉は自分でも追いかけられない速度で、勝手に形になる。
「先輩は、その人と行けばいいじゃないですか」
太鼓の音が一瞬だけ遅れて聞こえた気がした。
自分の声は、思っていたよりも冷たくて、思っていたよりも子どもだ。
望月先輩は、はっきり傷ついた顔をしなかった。
代わりに、距離を少しだけ取った。
半歩下がって、うちわの風を自分の胸へ向けるみたいに一度あおぎ、穏やかな声で言う。
「……わかった。今日は、無理に誘わない。
でも、明日の夜は一緒に空を見る。——それは、変えない」
“変えない”。
方角は裏切らない、と教わったときの言葉と似ている。
胸の中で、二つの気持ちが引っ張り合う。
行きたい。
行きたくない。
見たい。
見たくない。
「……行きます」
苦しくなる前に、短く答える。
それが今の自分にできる、唯一の正確な観測結果だ。
先輩は、ほっとしたように笑って、うちわを下げた。
「24:30。寝転び配置。——“ひとこと”、楽しみにしてる」
同じ一文が、三度目でもう少し重くなる。
うなずいて、会釈をして、踵を返す。
提灯の列の外側、暗い方へ歩く。
五歩、十歩、十五歩。
灯りが背中でほどけて、空が少しだけ濃くなる。
ベガが、ほんの欠片だけ濃く見える。
(光の距離は、わかるのに)
家への道。
遠くの花火が一つ、音だけ置いて消える。
風鈴が、今日は二度、間を置いて鳴った。
蚊取り線香の匂いが、角の向こうから流れてくる。
夏は、いつも通りだ。
玄関を入ると
「おかえり」と母。
「うん」とだけ答え、部屋へ。
机の上に観測カードを置き、座る。
“ひとこと”欄に、鉛筆を置いて、止める。
書きたい言葉はある。
書きたくない言葉も、同じくらいある。
ひとこと(案):灯りから十五歩で、ベガが濃くなる
ひとこと(案):先輩は、私の目印じゃない日もある
二行目を、消す。
消しゴムのカスが、白い紙の端に集まる。
この紙は空のためのものだ。
地上の言い訳は、ここには似合わない。
窓の外、北東の低い空にWのカシオペヤ。
放射点の目印。
東高く、針と通路と起点。
明日の24:30に向けて、空は準備を進めている。
(行くって、決めたから)
目を閉じる。
太鼓の音の残響と、先輩の「変えない」が、胸の中で薄く重なる。
“ほんとうの幸い”という板書の文字が、遠い黒板からぼやけて浮かぶ。
答えはまだ。
でも、待つだけでは届かない夜があって、言ってしまうことで遠ざかる夜もある。
今夜は、後者だ。
美月はまだ知らない。
“彼女”が従姉妹であることも、
「なおさら」の続きを、先輩が夜の帰り道に何度も考え直して、結局答えを保留にしたことも。
ただ今は、観測カードの白い欄を閉じ、
目を開けたときに見える見えない線だけをもう一度引き直して、
明日の座標——8/12→13 24:30を、心のど真ん中に置き直した。
先週の“夏祭り”とは別に、町内会の盆のやぐらが校庭の端に立つらしい。
太鼓の練習の音が、放課後の風に混じって届く。ドンドン、ドドン。
赤い提灯はまだ灯っていないのに、校舎の影がいつもより柔らかく見えた。
理科棟の一番奥、「天文部」。
白板の太字は変わらない。
8/12→13 24:30 屋上
その下に、柏木先輩の字で「上着・敷物・赤ライト・飲み物」。
机の端には、観測カードの束。
美月は一枚手に取り、日付の欄に小さく“8/12”と書いてから、ペンを止めた。
(行くって、決めた)
胸の中で、何度も言い直す。
「やあ」
望月先輩が白板の前から顔を上げる。
白いシャツの袖を肘までまくり、ペン先で“24:30”をもう一度、なぞっていた。
「……盆踊り、行く?」
唐突に置かれた誘い。
声の温度はいつも通りで、用件も、ただの夏の予定みたいに軽い。
それでも、胸の中心は先に身構える。
「町内のやつ。明日の夜。屋台の灯りで星は薄いけど、“見えない夜の観察B”——音の地図と光の距離の再測。短時間で戻る」
“観測”という言い回しに、誘いの棘が包まれる。
わかってる。
この人はいつも、橋の作り方で話す。
自分と誰かをつなぐ道を、用意してから渡してくる。
「……明日は、ちょっと」
口が先に動いた。
“家の用事”とか“宿題”とか、断り文句はいくつも浮かぶ。
選べば、刺さらない言葉になる。
なのに、喉の手前で別の文が生まれてしまう。
「先輩は、あの人と行けばいいじゃないですか」
——言ってしまった。
部室の空気が一度だけ静止する。
扇風機の羽の音だけが、規則正しく回る。
望月先輩は、ほんのわずかに目を瞬き、それから困ったように笑った。
「“あの人”って……誰?」
(知らない)
名前も関係も、私は何も聞かされていない。
“家族ぐるみの知り合い”。“進路の相談”。
そう言われた言葉の外側に、勝手に別の名前をつけたのは私だ。
「……いえ。なんでもないです」
自分で引いたわだちに、車輪を戻せない。
強がりは、走り出すと止めづらい。
「ほんとに“用事”?」
「はい」
視線を落として、観測カードの角を親指でなぞる。
紙の手触りが、いつもより硬い。
「わかった。無理はさせたくない。——ただ、来てほしいとは思ってる」
それは、この前の屋上でも聞いた文だ。
短くて、やさしくて、重い。
返事の選択肢がいくつも浮かんで、どれも口から出ない。
「……流星群は、行きます」
それだけは、確かに言えた。
望月先輩は、ほっとしたように頷いた。
「うん。24:30。東側は寝転び優先。——“ひとこと”、楽しみにしてる」
楽しみにしてる。
その一語が、また胸の内側で質量を持つ。
今は嬉しいよりも、痛いのに近い。
柏木先輩が「鍵、預かるね」と入ってきて、部屋はふわりと動きを取り戻す。
望月先輩は白板の隅に「盆踊り=観察B案(任意)」と小さく書き加えた。
翌日。
校庭の端にやぐらが立ち、赤い提灯に灯りが入る。
太鼓の音は練習のときより柔らかく、盆の輪が少しずつ大きくなる。
美月は、行かないと決めた服装で家を出た。
下駄ではなくスニーカー。浴衣ではなくTシャツ。
理科棟の裏手を抜け、風の通る廊下へ。
屋上の鉄扉には鍵がかかっていた。
(今日は、地上を歩こう)
校門の外。
神社へ向かう道は、提灯の赤で柔く照らされている。
屋台の裏では発電機が唸り、氷の削れる音が高い。
線香の匂いが風に重なり、遠くで風鈴が一度だけ鳴る。
音の地図が、勝手に頭の中で描かれる。
観測カードがあれば、ここに“匂い”と“光の距離”を一つずつ足せたのに——と思って、苦笑いする。
鳥居の手前。
紺の甚平。白いうちわ。
望月先輩だ。
隣に——彼女はいない。
代わりに、柏木先輩が浴衣で手を振り、新堂が綿あめを二つ持ってはしゃいでいる。
(来なくて、よかったかもしれない)
胸の重さと違って、足取りは軽いふりをする。
目線をすべらせて通り過ぎる——つもりだったのに、呼ばれた。
「一ノ瀬さん」
立ち止まる。
うちわの風が、やわらかく顔に当たる。
目が合った。
先輩は困ったように笑って、それでも、いつもの調子で言う。
「今夜は、北東が少し暗い。提灯の列が切れる場所がある。——そこでベガがちょっと濃くなる」
見ないふりをしていた“観測の言葉”が、簡単にこちらの心を開けてしまうのが悔しい。
言葉がこぼれる。
「……彼女は、来ないんですか」
「彼女?」
本当にわからない、という顔。
天然、という言葉が喉にのぼり、同時に、涙が喉の奥で塊になる。
「進路の相談の人。一緒に、行けばいいのに」
柏木先輩が、空気を読んで新堂を引っ張って遠ざかる。
太鼓の音が少し大きくなる。
望月先輩は少し黙って、それから、ほんとうに困った顔で言った。
「……家族みたいな関係だよ。昔から。今日は向こうの家の用事だって」
“家族”。
わかってる。
そう言われたのを、私は知ってる。
でも、わからない。
「そうですか。——じゃあ、なおさら」
(なおさら、何?)
口が先に走る。
言葉は自分でも追いかけられない速度で、勝手に形になる。
「先輩は、その人と行けばいいじゃないですか」
太鼓の音が一瞬だけ遅れて聞こえた気がした。
自分の声は、思っていたよりも冷たくて、思っていたよりも子どもだ。
望月先輩は、はっきり傷ついた顔をしなかった。
代わりに、距離を少しだけ取った。
半歩下がって、うちわの風を自分の胸へ向けるみたいに一度あおぎ、穏やかな声で言う。
「……わかった。今日は、無理に誘わない。
でも、明日の夜は一緒に空を見る。——それは、変えない」
“変えない”。
方角は裏切らない、と教わったときの言葉と似ている。
胸の中で、二つの気持ちが引っ張り合う。
行きたい。
行きたくない。
見たい。
見たくない。
「……行きます」
苦しくなる前に、短く答える。
それが今の自分にできる、唯一の正確な観測結果だ。
先輩は、ほっとしたように笑って、うちわを下げた。
「24:30。寝転び配置。——“ひとこと”、楽しみにしてる」
同じ一文が、三度目でもう少し重くなる。
うなずいて、会釈をして、踵を返す。
提灯の列の外側、暗い方へ歩く。
五歩、十歩、十五歩。
灯りが背中でほどけて、空が少しだけ濃くなる。
ベガが、ほんの欠片だけ濃く見える。
(光の距離は、わかるのに)
家への道。
遠くの花火が一つ、音だけ置いて消える。
風鈴が、今日は二度、間を置いて鳴った。
蚊取り線香の匂いが、角の向こうから流れてくる。
夏は、いつも通りだ。
玄関を入ると
「おかえり」と母。
「うん」とだけ答え、部屋へ。
机の上に観測カードを置き、座る。
“ひとこと”欄に、鉛筆を置いて、止める。
書きたい言葉はある。
書きたくない言葉も、同じくらいある。
ひとこと(案):灯りから十五歩で、ベガが濃くなる
ひとこと(案):先輩は、私の目印じゃない日もある
二行目を、消す。
消しゴムのカスが、白い紙の端に集まる。
この紙は空のためのものだ。
地上の言い訳は、ここには似合わない。
窓の外、北東の低い空にWのカシオペヤ。
放射点の目印。
東高く、針と通路と起点。
明日の24:30に向けて、空は準備を進めている。
(行くって、決めたから)
目を閉じる。
太鼓の音の残響と、先輩の「変えない」が、胸の中で薄く重なる。
“ほんとうの幸い”という板書の文字が、遠い黒板からぼやけて浮かぶ。
答えはまだ。
でも、待つだけでは届かない夜があって、言ってしまうことで遠ざかる夜もある。
今夜は、後者だ。
美月はまだ知らない。
“彼女”が従姉妹であることも、
「なおさら」の続きを、先輩が夜の帰り道に何度も考え直して、結局答えを保留にしたことも。
ただ今は、観測カードの白い欄を閉じ、
目を開けたときに見える見えない線だけをもう一度引き直して、
明日の座標——8/12→13 24:30を、心のど真ん中に置き直した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる