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必ず、いつか …2
しおりを挟む「寧々は…
これから先、本当に見つからなかったら、俺が必ず捜し出す。
捜し出して、寧々に会いに行く」
優樹菜は手に持っている缶コーヒーを、静かに下に置いた。そして、真剣な目で俺を見る。言いたい事が山ほどあるようなそんな目をして。
「私だって、寧々に会いたい。
会いたいけど、でも、こんなに時間が経っても何一つ寧々の事は分からない。
最近は、もう、寧々に会っちゃいけないんじゃないかって、そんな風に思ったりもする…」
俺は優樹菜の言いたい事も痛い程分かった。でも、分かるけど、俺が寧々に会わないなんてあり得ないんだ…
「幹太は… 寧々に会ってどうするの…?」
俺は泣きそうな優樹菜を見て、笑ってこう言った。
「寧々が俺を許してくれるなら、寧々と結婚したい」
優樹菜は冗談なのか本気なのか分からないような俺の顔を見て、ちょっとだけ笑った。でも、その直後に、また泣きそうな顔に戻る。
「…寧々が、目が見えなくなってても? 下半身不随でも?」
俺はくだらねぇみたいな目を優樹菜に向けて、その後、また桜の花を見上げた。
「俺は、どんな寧々でもいいんだ…
どんな寧々でもいい…
面倒くさい男って思われるかもしれないけど、そうなんだからしょうがないよな…」
優樹菜は、本当にそうだよって言って笑ってくれた。
俺はまだ準備中に見える七分咲きの桜達を、自分の姿に重ね合わせた。
あの時、校長先生の言った意味が今ならよく分かる。
寧々を迎えに行く時は、どんな寧々でもちゃんと養って幸せにできるくらいの全ての要素を身につけておきたい。
寧々が迷わずに俺を選んでくれるように、立派な大人に絶対になる。
「幹太、私はいつでも幹太の味方だから…
ううん、幹太と寧々の一番の親友だから、それはちゃんと覚えといてね」
あの因縁の公園で見た七分咲きの桜は、これから先の俺を色々な意味で勇気づけてくれた。
どんな場所にも、春になれば桜は咲く…
どんな過去にも、明るい未来は必ずやってくる。
そして、俺の明るい未来には、必ず寧々がいる。
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