決めるのはあなた方ではない

篠月珪霞

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他の人間は、もう要らない

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「カメリア、初夜を拒否したとは本当か?」
「……何しにいらしたのです、お二方」

初夜どころか、閨はずっと拒否してますが何か?
この世で一番憎んでいると言って過言でない男との結婚を強制されたのだ。何故、この上、唯一自分のものである身体まで差し出さねばならないのか。
あの男が泣きついたのか、結婚して数日後に現れた両親を冷めた目で見やる。

「何をしにとは、親に向かって言う言葉か!」
「…娘が不幸になるのを知ってて何もしてくれなかったのに、今更」
「カメリア!」

怒鳴る一応父である男に、無言で返す。

「王命だったのだ、仕方ないだろう!」
「仕方ない、で、あの男に注意もしてくれませんでしたわよね」
「それは、アルベール君は、お前を気に入っていたと知っていたし…」
「若いうちは、よくあることなのよ」

一応母である女も取り成す言葉をかけるが、だから何?

「よくあるから、私に我慢を強いたと。10年も。その間、何度死のうと思ったことか、知らないでしょうね。あなた方は」
「死ぬだなんて、そんな大袈裟な…」

何も知らないから、軽く言える。何も知らないから、勝手なことを言えるのだ。
10年間、耐えて耐えて、終わりの見えない苦しみに、どれだけ傷ついてきたのか、知らないくせに。

「お話がそれだけならお帰りください。そしてもう来ないでください」
「もうお前に会いに来るなとは、どういう了見だ!」

いちいち怒鳴らないと話せないのかしら、この男。うるさいわ。

「どうせ来ても、同じことです」
「何故、そんなことを!」

「わたくしの味方は、侍女のキアラだけでしたわ。どうぞお引取りを」

側にいる、このキアラだけがわたくしの拠り所だった。

あの男の暴言に傷つき、悩むわたくしが、無意識に刃物を握って自傷しようとしたときも。
発作的に自分の部屋の窓から飛び降りそうになったときも。
両親や周囲に何を言っても、聞いてくれない悔しさに憤っているときも。
いっそ全世界を呪いたいと、嘆いていたときも。
声を出さずにひたすら泣いていたときも。

わたくしに寄り添ってくれたのは、キアラだけ。

他の人間は、もう要らない。

























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