転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百九十一話 来期の生徒会役員人事

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 文化祭後には来年学園に入園決定した人たちへの説明会も開かれ、無事に終了しました。
 冒険者登録の説明ではイヨとミリアも参加していたけど、ミリアも王都で簡単な依頼を受けていたそうです。
 なので、登録済みの冒険者の先輩として、色々と周りの人に教えていました。
 リズとエレノアも張り切って周りの人に教えていたけど、憧れの双翼の天使様が説明するとあって真面目に聞いていました。
 そして、生徒会としての大きな行事もほぼ終わり、後は来年の体制に向けて決めることになりました。
 今日は急ぎの仕事もないので、僕も生徒会室に来ています。

「では、来年の体制について話をするが、生徒会長にルーシーさんを、副生徒会長にアレク君を指名します」
「「「異議なし!」」」

 四年生で生徒会長のヤザンさんが来期の人選を話し、僕以外の全員が賛成していました。
 スラちゃんとプリンも元気よく触手を上げていたけど、副生徒会長の件を僕は何にも聞いていないんですけど。

「では、決定……」
「ちょっと、ちょっと待って下さい。異議ありです!」
「「「えー!?」」」

 僕が異議申し立てすると、リズたちは不満そうな表情を見せていた。
 スラちゃんとプリンも何でって表情を向けていたけど、全然おかしいですよ。

「あの、生徒会長のルーシーお姉様は最上級生なので問題ないと思いますけど、僕はまだ学園に入園したばかりの一年生です。副生徒会長は、上級生から選ぶのがいいと思います」
「うん、アレク君の意見はもっともだね」

 ヤザンさんは、腕を組みながらウンウンと僕の意見に同意していた。
 ヤザンさんとしても、その辺りは折り込み済みらしい。

「まあ、端的に言うと今の二年生と三年生は能力は高いけど裏方の仕事の方が向いていると言っているのだよ。もちろん、ルーシーさんがいるから来期の生徒会長は確定的だけど、再来年以降のことを考えて早めにアレク君を副生徒会長にした方がいいと思ったんだよ。もちろん、上級生の生徒会役員がアレク君を補助するよ」

 ヤザンさんの話を聞いて、僕以外の生徒会メンバーはウンウンと同意していた。
 確かに、上級生はルーシーお姉様を除くと男女とも大人しめな人が多かった。
 うーん、優秀な人が多いから大丈夫な気がするけどなあ。
 すると、今度はリズが僕に話しかけてきた。

「お兄ちゃんなら、きっと凄い生徒会長になると思うよ!」
「ルーカスお兄ちゃんも、確か二年生から副生徒会長をやっていたの」

 更にエレノアの追撃により、僕は反論する手立てを失ってしまった。
 ルーカスお兄様は、一年生の頃からカリスマ性もあったよね。

「分かりました。できる限り頑張ります」
「「「わー、ぱちぱち」」」

 僕はみんなにペコリと頭を下げ、他の人たちも拍手で迎えてくれました。
 すると、ルーシーお姉様が思わずニヤリとしていた。

「ふふふ、弟くんが副生徒会長なら私もかなり楽になるはず……」

 ルーシーお姉様、本音が漏れていますよ。
 リズとエレノアにも頑張ってもらうことにして、今日の生徒会の話し合いは終わりです。
 念の為に通信用魔導具で色々な人に副生徒会長になったと説明したら、おめでとうとか予想通りって返答が多かった。
 しかし、屋敷に帰ると一人だけ反応が違った。

「えっ? アレクが生徒会長じゃないの?」
「ミー」

 イヨがミケちゃんを抱きながら至極真面目に返答してきたけど、ルーシーお姉様がいるのに生徒会長になんてなれるわけがありません。
 僕は、思わずガクリとしてしまった。
 因みに、イヨは既に生徒会にスカウト済みで、ミリアも生徒会に誘っていた。
 二人とも優秀な成績で入園試験をパスしたし、何も問題ないだろうね。
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