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Nijino Kgiwa Ame ~虹の鍵は雨~

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銃と機械の王国へ~ソフィの成長~

トロッコ列車に揺られながら、僕はぼんやりと外を眺めていた。
いつも仕事の話をしながら乗っていたから、ゆっくりと外の世界を見るのは初めてだったかもしれない。
剣と魔法の王国には自然が多くて、みんな楽しそうに働いている。

戦争になったら、この毎日が壊れるんだ・・・。

僕は改めて、自分のやろうとしていることの大きさを実感した。
「ソフィ?どうかしたの?」
ホシナが心配そうに僕を覗き込んだ。
「ホシナ・・・僕、考えてたんだ。もし戦争になったら、この風景は壊れてしまうんだって。」
「・・・そうね。」
「僕、国の争いとか、難しいことは正直わからない。だけど、戦争に勝っても負けても何かが奪われて、幸せを得ることはないってことはなんとなくわかるんだ。」
「今なら私もそう思うわ。幸せは心。ソフィが教えてくれたのよ。」

「僕が?」

「えぇ。ソフィのあたたかさが、私の心をとかしたの。」
「この争いも、大変なことになる前にとかせるかな?」
「ソフィならきっとできるわ。本当よ。銃と機械の王国の人も、このぬくもりを知ればきっと国の技術をもっと良い方向につかえるはず。私はそう信じてる。」
「・・・僕も信じるよ。みんなを守れるって。」

エミノアさんは相変わらずヨネルさんの膝を枕にして眠っていたし、ヨネルさんは聞いているのかいないのか一人外を見ていた。

僕たちはトロッコ列車を降りて、銃と機械の王国の入り口まで歩き始めた。
しばらく歩いていると、剣が光った。
また狭間の歪みだ。
「ホシナ、安全なところに隠れてて!」
僕はホシナに言った。
「この歪みも機械のせいか?」
エミノアさんがスピアを持ちながらホシナを見た。
ホシナが黙ってうなずいた。
「ヨネル、ゼックは任せた。あたしは機械とそれを操る人間を探す。近くにいるはずだ。」
そう言うとエミノアさんとヨネルさんは別々の方向に飛んだ。
僕は近くにいた人の誘導と救出に向かう。
「助けてくれぇ!」
その声を聞いて、僕は声の方向に走った。
村の人がゼックに襲われている。
僕は村の人の前に立った。
「レインキーです!早く逃げてください!」
村の人に叫んだ。
村の人は無事逃げられたようだ。
ゼックが僕の目の前にせまる。
エミノアさんとヨネルさんは今ここに来れる状況じゃない。
僕がなんとかしなきゃ・・・・。
すると、ゼックから暗闇が立ち込めて声が聞こえてきた。

【ソフィ・・・お前は弱い。誰も助けられないし、何もできない。そんな力でいったい何ができる?】

「僕・・・僕は・・・・・。」

【絶望して苦しむんだ・・・・そうすれば楽になれる・・・・・。】

「違う!確かに僕は弱い!だけどホシナは言ってくれた!僕のあたたかさが心をとかしたって!僕は、みんなの冷たくなった心をとかして幸せと平和をつくるんだ!」
そう叫んだ瞬間、周りのゼックの暗闇がなくなった。
僕はとっさに、エミノアさんがくれた新しい剣を手に取った。
そのままゼックに振り下ろす。
「絶望なんてしない!弱くたって、心の幸せと平和を願う気持ちは変わらない!」
周りが明るくなっていく。
僕がゼックを倒したんだ・・・。
レインキーに入って、僕は初めて自分でゼックを倒した。

「よくやったな。」
振り返ると、ヨネルさんとエミノアさん、それにホシナがいた。
「毎日基礎練習を欠かさなかった結果だ。言っただろ。お前なら使いこなせるって。」
エミノアさんが言った。
僕は嬉しくて、思わず笑顔になった。
ホシナが笑い返してくれて、もっと嬉しくなった。
「機械を操っていた奴は到着した他のメンバーに身柄を引き渡した。機械も壊した。ここまで動けば、銃と機械の王国に感づかれるだろう。これからどんな危険があるか分からないからな。覚悟しとけよ。」
「はい。エミノアさん。」
僕はエミノアさんにうなずいた。

今回の任務では大変なことがおきた。
これからもっと大変なことがおこるだろう。
だけど、そのおかげでたくさんのことを知った。
たくさんの自分の気持ちに気が付いた。
きっと僕は、少しずつでも成長してる。
そう思った。
そして僕は歩き出した三人を慌てて追いかけた。
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