上 下
6 / 12

Nijino Kgiwa Ame ~虹の鍵は雨~

しおりを挟む
中心部に向かって~ソフィのすべきこと~

銃と機械の王国が近づいた。
僕は、前に任務で来たときとの違いに驚いた。
王国の周りにはたくさんのロボットたちが待機していて、みんな銃をかまえている。
門番のような人がいたけど、とても話しかけられるような雰囲気ではない。

「大丈夫、私に任せて。みんなはついてきて。」
 ホシナが僕たちにウインクした。
 僕たちは門番に近づいた。
 ロボットたちの銃口が僕たちに向けられる。
 ホシナが一歩前に進み出て、黙って門番に何かを見せた。
 すると門番は、無言で僕たちを国の中に入れてくれた。

しばらく歩くとホシナが振り返った。

「ねっ、うまくいったでしょ。」
「ホシナ、何をしたの?」
「これを見せたのよ。」
そう言うとホシナはチラリと白い拳銃を見せた。なにかの模様が描いてある。
「この拳銃はね、国の仕事をしている証みたいなものなの。」
「そっか。ありがとう、ホシナ。」
「確かに。ホシナがいなかったら強行突破するしかなかったかもな。」
ヨネルさんが言った。
ホシナが少しだけはにかんだ。
だけどすぐ真面目な顔になる。
「でも、次は強行突破になると思います。これ以上王国をだますのは難しいですから。」
ホシナの言葉に僕たちはうなずいた。
僕は久しぶりにきた銃と機械の王国の変わりように驚いた。
見える範囲では誰一人いなくて、代わりにロボットが沢山動き回っている。
その中には、銃で武装したロボットもいた。
「花も木も全くなくなったな。ホシナには悪いけれど、私にとってはつまらない国だ。」
エミノアさんが少し寂しそうに言った。
「いえ、私も、この国はやりすぎてしまったと思っていますから・・・。だけど、これからいい方向に進めるということも信じてます。」
ホシナが言った。
エミノアさんは黙ってうなずいた。

僕たちは王国の中心部にあるホシナの家にやってきた。
この近くにお城もあって、そこにメインコントロールがある。
「しばらくここで休んでください。きっと、これから激戦になります。」
そう言うとホシナは、たくさんの色んな種類の銃を準備し始めた。
「すごいね、これ、全部ホシナが使えるの?」
「えぇ。ソフィ、あのね。私、今までこの銃たちを今まで人を傷つけることにしか使ったことなかった。だけど、私は初めてこの銃たちを守るために使う。ソフィも、エミノアさんも、ヨネルさんも、王国の人たちも。」
「うん・・・。僕は・・・・何ができるかな。」
僕は自分の剣に触れた。
「ソフィ、私たちがけがをしたら、治してくれるのはソフィしかいないのよ。」
ホシナが笑顔で言った。
そうだ。
僕は戦いでは力を発揮できないかもしれない。
だけど、僕にはヒール魔法がある。
みんなが安心して戦えるように、誰一人傷つかないように、ホシナが言うようにみんなを守れるように。
そのために、僕のいまできる全てをヒール魔法にこめよう。

しおりを挟む

処理中です...