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5章 イズナバール迷宮編
198話 明と暗
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イズナバール迷宮34層を踏破し、35層へ続く通路を進む集団の先頭を歩きながら、ゲンマとシュナは数時間前の出来事について話している。
「で、ゲンマ、思わぬ幸運で迷宮内での2人を見る事が出来た訳だけど、あんたから見て2人はどう映ったの?」
「イヤミかよ! ……そうだな、あの女戦士は確かに評判どおりの強さは持ってそうだ、俺のこの”轟雷牙”を片手で軽々と振り回しやがった。基本レベルが156ってのも嘘じゃねえな。だがジン、その男は良くわからん、強いのか弱いのかさっぱりだ」
ゲンマは肩をすくめながらそう締めくくると、シュナの意見を促す。
そしてシュナは、神妙な顔になると静かに話し出した。
「……私は逆に彼がとても不気味に感じたわ。ねえ気付いてた? 彼、上体の動きに全くよどみが無いの、あの拙い足捌きなのによ、考えられる?」
「マジかよ……」
戦いに身を置く冒険者や探索者にとって、相手の強さを見極める能力はいらぬ危険を呼び込まぬ為の重要な能力だ。魔物は言うに及ばず、特にヒト相手には。
彼等は外見のほか、漂う雰囲気や瞳に宿る生気などからも相手の強さを測ったりするが、その中でも足捌きに注目する事が多い。
気配は死線を潜る事で身につく、自信を持てば目に力は宿る、そして足捌きは戦闘と修練の果てに洗練されてゆく。
前述の2つは人としての深みを表し、後述の足捌きはその者の、力の片鱗を垣間見せる。
だからこそシュナは、ジンから感じる違和感に警鐘を鳴らす。
「あんな綺麗な重心移動とブレない体幹、同じ事をやれと言われても、注意してないと私にも難しいわ。それをジン、彼はあのぶざまな歩き方でやってるのよ、訳がわからない!」
それに比べればあのリオンという女戦士の方がまだわかりやすい。
彼女は才能に恵まれていたのだろう、かなり早い時期から実際の戦闘を繰り返し、早々に高レベル、そして高いスキルレベルを手に入れた。そのため足捌きなどという些事にこだわる必要が無かったのだろう。
ゲンマの大剣を片手で振り回す膂力さえあれば、戦闘技術云々よりも単純な破壊力で押しきれる、技術では超えられない、力の到達点にリオン、彼女は至っているのだとシュナは分析する。
そして、だからこそ彼女にとってジンという異質が理解できない。
「じゃあアレだな。ジンってヤツはワザと下手くそに歩いているって事だ」
「何の為によ?」
「だから、敵を欺くためだろ」
「そうかもしれないけど……」
ゲンマはそれで納得しているが、自分を弱いと思わせることに何の意味があるのか、シュナには理解も納得も出来ない。
「でももしジン、彼がそうやって自分に対する悪意を誘発させ、ワザとトラブルを呼び込もうとしているのだったら……」
隣にいるゲンマでも聞き取りにくい小声でブツブツと呟くシュナを見て
(あ、ヤベエな、話が小難しい方へ流れるパターンだ)
ゲンマは話題を変える。
「それにしてもあの目にゃ驚いたな。こんな所で加護持ちに出くわすなんてよ」
「…………え、何? ゴメン、聞いてなかった」
「だから目だよ、アイツ、魔眼とか目に関する異能を持ってるみたいだなって言ったんだよ」
「ああ、そういえばそうね……そうか、だとしたら彼の目的は別に物騒な物じゃなく、自分が異能持ちだと世間に知られたくないための擬装の為なのかも……」
処置無しと諦めるゲンマは黙ってシュナの隣を歩く、35層はもうすぐだった。
35層で待っている魔物への興味でゲンマは高揚し、口元が自然と笑みを浮かべる。
だから聞き逃した。
「あの目と表情、どこかで見た気がするのよね……」
………………………………………………
………………………………………………
──トプン。
錬金術で使用する特殊溶液の中に、ヘヴィ・トータスの2本の角を落とすと、粘り気のある水音を立てながら水面に没し、水槽の中心でフヨフヨと漂う。
そしてジンは水槽に金属の棒を突きいれ、魔力を流す。
パアア──
周囲の魔素をジンが集め、それを金属棒を通して水槽に注ぎこむと、水槽の中の水銀とパウダー状の魔晶石が反応して光を放ち出す。
通常の魔石のものより強く輝く粉末は、やがて2本の角の周囲に集まり不思議な模様、いや、紋様を描き角の表面に張り付く。
カッ──!!
最後にジンが強く魔力を注ぐと、水槽全体が光り輝く──そして、それが終わると水槽の中にはただの蒸留水と、かつてヘヴィ・トータスの角だった物が2本、水槽の底に沈んでいた。
「フッフッフ……ファーッハハハ!!」
それを水槽から取り出したジンは、無駄にテンションが上がったのか哄笑する。
「ジン……なんでそんな狂気な笑い方をするのさ」
「気分ですよ、き・ぶ・ん。久々にレアな素材で面白い物を作ったんだ、雰囲気を愉しんだっていいじゃねえですかい」
「希少って、ジン、あなたは先日魔道鎧を作ったばかりでしょう、アッチの方が別格に希少な素材のはずですよ?」
「……ソッチの素材はまだ倉庫に大量に保管してるんでなあ……希少価値が高いのはわかってるがイマイチ実感が湧かないんだよ。市場に出すわけにもイカンし」
自宅の倉庫に骨格標本と剥製が作れそうな素材の山を思い浮かべ、ジンは途方に暮れる。
まあ、いくら超が3つ付くレベルのレア素材だろうが、秘匿しないとならないような物では有難味に欠けるのは仕方が無いのかもしれない。
「ジンの言い分も理解は出来ますが……ところでソレは何を作っているんですか?」
「ああ、ヘヴィ・トータスの重力結界はこの角が発動体だからな、コイツに処理をいくつか加えて、敵に攻撃を与えた際に重力結界を発動させる武器を造りたいんだが……」
そこでジンは言葉を区切り、上半身を斜めに傾けながら「悩んでます!」と全身でアピールする。
「何を悩んでるの?」
「どんな武器にしようかと思いましてねえ……槍の穂先に使うか、それともシャフトを繋げて矢として使うか、はたまた刺突武器の先端に取り付けるべきか……どれもそれぞれにロマンが」
とりあえず重要なのは実用性ではなく浪漫らしい。
そこへ呆れたようにリオンが口を挟む。
「ジン、その加工した角が発生させる重力結界の規模はどのくらいなのですか?」
「そうだな、角1本での発動となると、おおよそ半径3メートルの球形だな」
「結界の発動条件が攻撃命中だとして、手持ちの武器でそれを実現させる、と?」
「……………………そっスね」
それから20分、2本の一風変わった見た目の矢が完成。ジンは矢じりにカバーをかけて異空間バッグにソレを収めると、後ろで鎮座している巨大な物体に目を向ける。
「コッチははてさて、どうしたもんか……」
横2×縦3メートルの、湾曲した巨大な亀の甲羅は見かけよりずっと軽いのだが、さすがにこのサイズでは結構な重さだ。大体30キロほどだろうか。
重力結界の中でも砕けない甲羅は硬さだけでなく剛性も高く、加工すれば優れた盾となるが、生憎とここにはソレを必要とする相手がいない。
リオンは元がアレという事もあり戦闘方式は攻撃偏重型だ。何よりジンの作った魔道鎧のおかげで防御においてもほぼ不安は無い。
ジンはそれこそ戦闘自体を御免被るタイプで、盾どころか剣も持たずに普段使いはもっぱら炭化タングステン製の愛棒だ。
「ボクはヤだよ?」
「そう言うとは思ってましたがね……まあ、ギルドに話だけは通してますよ、依頼を出すなら即達成出来ますよって」
「買い取りしてもらわないの?」
ルディの質問にジンは首を振って答える。
「下手すりゃ倉庫の肥しになりそうなデカブツですからね、かと言って、依頼が出てないからと安く買い叩いてしまえばギルド側も風聞が悪い、ここは初物のレア素材ですらこの扱いか? ってねえ」
その辺はギルド側の腕次第、彼等があれやこれやと頭を悩ませればいいだけの話なのだが、面倒事が増えたと恨みがましい視線を受付嬢から貰うのは避けたいジンは、とりあえず話だけは持っていっている。
とりあえず、やる事の無くなった3人は無駄に広い最高級宿屋の一室でまったりとしながら、
「……明日はどうしますかい?」
「……迷宮には潜らないので?」
「……どうせなら戻ってきた連中から内部の情報を聞いてからでいいだろ」
「……それじゃボクは町の外へ行ってみるよ。死の湖と呼ばれたイズナバールを見てみたいしね」
「……実際ただの水飲み場で、これといって何もありませんぜ? まあ行くならリオンも一応護衛として一緒に行けよ?」
「……そうですね……ジンは?」
「…………俺はまあ……屋台でもやって時間を潰すわ」
「………………それじゃ明日はそんなかん……じ……で……」
スゥ──スゥ──
迷宮内部で死と隣り合わせの時間を過ごしている者もいる中、地上では高級宿で睡魔に襲われた3人が抵抗もせず、実に幸せそうに敗北していた。
「で、ゲンマ、思わぬ幸運で迷宮内での2人を見る事が出来た訳だけど、あんたから見て2人はどう映ったの?」
「イヤミかよ! ……そうだな、あの女戦士は確かに評判どおりの強さは持ってそうだ、俺のこの”轟雷牙”を片手で軽々と振り回しやがった。基本レベルが156ってのも嘘じゃねえな。だがジン、その男は良くわからん、強いのか弱いのかさっぱりだ」
ゲンマは肩をすくめながらそう締めくくると、シュナの意見を促す。
そしてシュナは、神妙な顔になると静かに話し出した。
「……私は逆に彼がとても不気味に感じたわ。ねえ気付いてた? 彼、上体の動きに全くよどみが無いの、あの拙い足捌きなのによ、考えられる?」
「マジかよ……」
戦いに身を置く冒険者や探索者にとって、相手の強さを見極める能力はいらぬ危険を呼び込まぬ為の重要な能力だ。魔物は言うに及ばず、特にヒト相手には。
彼等は外見のほか、漂う雰囲気や瞳に宿る生気などからも相手の強さを測ったりするが、その中でも足捌きに注目する事が多い。
気配は死線を潜る事で身につく、自信を持てば目に力は宿る、そして足捌きは戦闘と修練の果てに洗練されてゆく。
前述の2つは人としての深みを表し、後述の足捌きはその者の、力の片鱗を垣間見せる。
だからこそシュナは、ジンから感じる違和感に警鐘を鳴らす。
「あんな綺麗な重心移動とブレない体幹、同じ事をやれと言われても、注意してないと私にも難しいわ。それをジン、彼はあのぶざまな歩き方でやってるのよ、訳がわからない!」
それに比べればあのリオンという女戦士の方がまだわかりやすい。
彼女は才能に恵まれていたのだろう、かなり早い時期から実際の戦闘を繰り返し、早々に高レベル、そして高いスキルレベルを手に入れた。そのため足捌きなどという些事にこだわる必要が無かったのだろう。
ゲンマの大剣を片手で振り回す膂力さえあれば、戦闘技術云々よりも単純な破壊力で押しきれる、技術では超えられない、力の到達点にリオン、彼女は至っているのだとシュナは分析する。
そして、だからこそ彼女にとってジンという異質が理解できない。
「じゃあアレだな。ジンってヤツはワザと下手くそに歩いているって事だ」
「何の為によ?」
「だから、敵を欺くためだろ」
「そうかもしれないけど……」
ゲンマはそれで納得しているが、自分を弱いと思わせることに何の意味があるのか、シュナには理解も納得も出来ない。
「でももしジン、彼がそうやって自分に対する悪意を誘発させ、ワザとトラブルを呼び込もうとしているのだったら……」
隣にいるゲンマでも聞き取りにくい小声でブツブツと呟くシュナを見て
(あ、ヤベエな、話が小難しい方へ流れるパターンだ)
ゲンマは話題を変える。
「それにしてもあの目にゃ驚いたな。こんな所で加護持ちに出くわすなんてよ」
「…………え、何? ゴメン、聞いてなかった」
「だから目だよ、アイツ、魔眼とか目に関する異能を持ってるみたいだなって言ったんだよ」
「ああ、そういえばそうね……そうか、だとしたら彼の目的は別に物騒な物じゃなく、自分が異能持ちだと世間に知られたくないための擬装の為なのかも……」
処置無しと諦めるゲンマは黙ってシュナの隣を歩く、35層はもうすぐだった。
35層で待っている魔物への興味でゲンマは高揚し、口元が自然と笑みを浮かべる。
だから聞き逃した。
「あの目と表情、どこかで見た気がするのよね……」
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──トプン。
錬金術で使用する特殊溶液の中に、ヘヴィ・トータスの2本の角を落とすと、粘り気のある水音を立てながら水面に没し、水槽の中心でフヨフヨと漂う。
そしてジンは水槽に金属の棒を突きいれ、魔力を流す。
パアア──
周囲の魔素をジンが集め、それを金属棒を通して水槽に注ぎこむと、水槽の中の水銀とパウダー状の魔晶石が反応して光を放ち出す。
通常の魔石のものより強く輝く粉末は、やがて2本の角の周囲に集まり不思議な模様、いや、紋様を描き角の表面に張り付く。
カッ──!!
最後にジンが強く魔力を注ぐと、水槽全体が光り輝く──そして、それが終わると水槽の中にはただの蒸留水と、かつてヘヴィ・トータスの角だった物が2本、水槽の底に沈んでいた。
「フッフッフ……ファーッハハハ!!」
それを水槽から取り出したジンは、無駄にテンションが上がったのか哄笑する。
「ジン……なんでそんな狂気な笑い方をするのさ」
「気分ですよ、き・ぶ・ん。久々にレアな素材で面白い物を作ったんだ、雰囲気を愉しんだっていいじゃねえですかい」
「希少って、ジン、あなたは先日魔道鎧を作ったばかりでしょう、アッチの方が別格に希少な素材のはずですよ?」
「……ソッチの素材はまだ倉庫に大量に保管してるんでなあ……希少価値が高いのはわかってるがイマイチ実感が湧かないんだよ。市場に出すわけにもイカンし」
自宅の倉庫に骨格標本と剥製が作れそうな素材の山を思い浮かべ、ジンは途方に暮れる。
まあ、いくら超が3つ付くレベルのレア素材だろうが、秘匿しないとならないような物では有難味に欠けるのは仕方が無いのかもしれない。
「ジンの言い分も理解は出来ますが……ところでソレは何を作っているんですか?」
「ああ、ヘヴィ・トータスの重力結界はこの角が発動体だからな、コイツに処理をいくつか加えて、敵に攻撃を与えた際に重力結界を発動させる武器を造りたいんだが……」
そこでジンは言葉を区切り、上半身を斜めに傾けながら「悩んでます!」と全身でアピールする。
「何を悩んでるの?」
「どんな武器にしようかと思いましてねえ……槍の穂先に使うか、それともシャフトを繋げて矢として使うか、はたまた刺突武器の先端に取り付けるべきか……どれもそれぞれにロマンが」
とりあえず重要なのは実用性ではなく浪漫らしい。
そこへ呆れたようにリオンが口を挟む。
「ジン、その加工した角が発生させる重力結界の規模はどのくらいなのですか?」
「そうだな、角1本での発動となると、おおよそ半径3メートルの球形だな」
「結界の発動条件が攻撃命中だとして、手持ちの武器でそれを実現させる、と?」
「……………………そっスね」
それから20分、2本の一風変わった見た目の矢が完成。ジンは矢じりにカバーをかけて異空間バッグにソレを収めると、後ろで鎮座している巨大な物体に目を向ける。
「コッチははてさて、どうしたもんか……」
横2×縦3メートルの、湾曲した巨大な亀の甲羅は見かけよりずっと軽いのだが、さすがにこのサイズでは結構な重さだ。大体30キロほどだろうか。
重力結界の中でも砕けない甲羅は硬さだけでなく剛性も高く、加工すれば優れた盾となるが、生憎とここにはソレを必要とする相手がいない。
リオンは元がアレという事もあり戦闘方式は攻撃偏重型だ。何よりジンの作った魔道鎧のおかげで防御においてもほぼ不安は無い。
ジンはそれこそ戦闘自体を御免被るタイプで、盾どころか剣も持たずに普段使いはもっぱら炭化タングステン製の愛棒だ。
「ボクはヤだよ?」
「そう言うとは思ってましたがね……まあ、ギルドに話だけは通してますよ、依頼を出すなら即達成出来ますよって」
「買い取りしてもらわないの?」
ルディの質問にジンは首を振って答える。
「下手すりゃ倉庫の肥しになりそうなデカブツですからね、かと言って、依頼が出てないからと安く買い叩いてしまえばギルド側も風聞が悪い、ここは初物のレア素材ですらこの扱いか? ってねえ」
その辺はギルド側の腕次第、彼等があれやこれやと頭を悩ませればいいだけの話なのだが、面倒事が増えたと恨みがましい視線を受付嬢から貰うのは避けたいジンは、とりあえず話だけは持っていっている。
とりあえず、やる事の無くなった3人は無駄に広い最高級宿屋の一室でまったりとしながら、
「……明日はどうしますかい?」
「……迷宮には潜らないので?」
「……どうせなら戻ってきた連中から内部の情報を聞いてからでいいだろ」
「……それじゃボクは町の外へ行ってみるよ。死の湖と呼ばれたイズナバールを見てみたいしね」
「……実際ただの水飲み場で、これといって何もありませんぜ? まあ行くならリオンも一応護衛として一緒に行けよ?」
「……そうですね……ジンは?」
「…………俺はまあ……屋台でもやって時間を潰すわ」
「………………それじゃ明日はそんなかん……じ……で……」
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迷宮内部で死と隣り合わせの時間を過ごしている者もいる中、地上では高級宿で睡魔に襲われた3人が抵抗もせず、実に幸せそうに敗北していた。
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