202 / 231
6章 ライゼン・獣人連合編
265話 互いの近況
「──アギア・ガザルの実か? 今は流通しておらんぞ、時期が悪い」
シンの心をへし折る言葉がルフトの口から告げられる。
アギア・ガザルの実は十二月が収穫時期らしく、今の時期は国外にはほぼ出回らず、獣人連合内に少量が残るのみらしい。
不都合な真実を突きつけられて頭を抱えるシンを見て、先ほどの詫びであろうか、オルバが腰のポーチからアギア・ガザルによく似た別の植物を取り出してシンに見せる。
「なあ、アギア・ガザルじゃあねえけど、コイツじゃあダメか?」
「……なんです、これ?」
「アレが冬場に採れるもんなら、コイツは夏場に採れるモンさ」
アギア・ガザルの実よりもさらに赤いそれを受け取ったシンは、鑑定すると同時に【組成解析】の異能も同時に発動させて詳しく調べる。
マッド・ペッパー──最強にして最凶の呼び声も高い香辛料
その辛さがもたらす刺激はドラゴンすら怯ませると言われる最強の香辛料。
あまりの辛さに悶死した魔物は数知れず、ランク指定外級、驚きの辛さ!
異世界キャロライナ・リーパー。
(……俺は一体なにを鑑定させられたんだ?)
眉根を寄せながら首を傾げるシンだった。
「キャロライナ……女の名前? それかアメリカとなにか関係でも?」
そして残念な事に、シンは激辛スパイスにそこまで興味が無かった。
「……ところでシン、言い忘れて悪りぃが、そいつは素手で長時間持ってると危ねえぞ?」
「──へ?」
申し訳無さそうに話すオルバの言葉を聞いて「マッド・ペッパー」を摘まんでいる右手の指を見つめるシンだったが──とくに何も無い。
マッド・ペッパーは獣人連合でも劇物指定をされている植物らしく、実そのものを直に触ると肌が火傷を負った様に赤く腫れたりするのだ。
よほど基本レベルが高くて抵抗力の強い、それこそ高ランク冒険者でも無い限り……。
「大丈夫、そうだな……」
「まあなんだシン……きっと、そう、もうすぐ指先が大変な事になると思うから、早めに手を放した方がいいと思うぞ」
「あ、手を洗うか?」
「ご親切にどうも……」
マッド・ペッパーを静かにオルバに返し、リーヴァル──ウサ耳獣人が魔法で出してくれた水で手を洗ったシンは、その後何事も無かったかのように話を戻す。
「──ところで、獣人連合には「マッド・ペッパー」というアギア・ガザルの実に似た植物があると聞いた事があるんですが……どこで手に入りますかね?」
手の指以上に面の皮の厚いシンは、しゃあしゃあとルフト達に話をふり、ソレについての情報を聞き出した。
アギア・ガザルの実もマッド・ペッパーも栽培されている場所は同じらしく、そもそもが同じ種類の植物との事。
水はけと風通しの良い高所で栽培され、強い日差しを受けて育ち冬場に収穫されるモノは、口に含んだ瞬間燃えるような辛さを、寒さに耐えて夏場に収穫を迎えたモノは火山の火口の様に全身を内側から焦がすような辛さを、と、それぞれ特徴のある辛さを備え、収穫された時には別種として扱われる。
ただ、収穫された一部のアギア・ガザルの実がライゼンに輸出されているのに対して、マッド・ペッパーは獣人連合内でしか取り扱いが無いと聞かされ、シンは結局、獣人連合に行かねばならないのかと頭を悩ます。
「そもそもコレ、獣人連合じゃあ何に使ってるんです?」
「防寒対策だよ」
本来、マッド・ペッパーややアギア・ガザルの実は、水に浸して辛味を液体に移し、肌着をその液体に漬け込んで再度乾燥、辛味成分の染み付いた肌着を着て皮膚を刺激させ、体温の上昇を図ったり、水に浸して辛味が薄まった実を乾燥させて磨り潰し、その粉を足の裏にすりこんだりと、主に防寒対策の薬として使用されている。
特に、冬場に気温が下がると途端に動きの鈍くなる、ルフトのような蜥蜴人をはじめ、変温動物系の獣人などは必需品らしかった。
「それで、シンは何に使うつもりだったのだ?」
用途を聞いてくるあたり、シンの使いみちは防寒対策とは違うのだろうと踏んだルフトはシンに問いかける。
返ってきた答えは、
「俺はまあ、主に粉を標的の魔物に投げつけるんですけどね」
「「「「………………………………」」」」
「それとは別に、アギア・ガザルの実が大好物ってのが知り合いの子にいまして」
・・・・・・・・・・・・。
「──────チョット待て!!」
「アレを!?」
「ていうか子供が!?」
「食べるだと!?」
総ツッコミが入った。
「ええまあ……一日一つは食べさせないと悲しげな顔をするんですよ……これがまた」
そう語るシンの表情は本当に悲しげで、まるで目の前にその子の顔が見えているようである。
「「「「…………………………」」」」
「ホントに、そう本当に……」
シンはしみじみと呟く──。
………………………………………………
………………………………………………
「そういえば皆さんは、何の御用で?」
イズナバール迷宮を「攻略」したトップパーティの面々が、中堅以下が受ける護衛任務に何故? というのがシンの率直な疑問である。
「なに、コミュニティ「異種混合」での引き継ぎが終わったのでな、里帰りがてらこっちに雇ってもらったのだ」
「異種混合」とは、今回の件でリトルフィンガーを領地として手に入れた「ライゼン」と、獣人連合出身の探索者たちで結成されたコミュニティである。
ルフトによれば、今回の迷宮攻略およびライゼンへの編入によって、領有権を争う事になっていた他の周辺三国が支援していたコミュニティ「乾坤一擲」「屍山血河」「千変万化」は解散、国から派遣されていたトップ連中は本国へ送還されたとの事。
彼の地が正式にライゼンの領地になったこともあり「異種混合」も解散、迷宮の管理や探索者ギルドとの折衝など、今後はライゼンが主導して動く事も出てくるため、紐付きであることの周囲への不満を考えての対処らしい。
ただ、全ての探索者に対して平等に、そして公平に当たるためにという事で、コミュニティ自体が廃止され、今後迷宮への大規模探索などはギルド内の掲示板などで募集がかけられ、より探索者間の交流は活発になるだろうとの事。
余談ではあるが、配達専門コミュニティ「韋駄天」だけは今後も独自路線で活動するとは、兄弟が所属しているリーヴァルの言。
「なるほど、帰郷する作業員の護衛任務をしながら自分たちも一緒に里帰り、と」
「イヤ、雇われたのは土木作業員としてだが?」
「……………………は?」
元「異種混合」のトップパーティとは思えない発言だった。
「イヤイヤ、家に帰るまで働きっぱなしなんて悪い冗談だぜ!」
「その点、作業員なら戻る時は馬車の中で寝れるしな」
「もうじき寒さも厳しくなるのに、徒歩だったり馬に乗ったり、勘弁してくれ」
「寒くなると動けなくてな……」
「おっ、おう……」
土木作業員は月単位での雇用であり、契約の継続をとらない者は毎月末に現場と国元を往復するキャラバンに乗って帰郷する事ができる。
つまり、彼等は今月いっぱい灌漑工事の作業員として働き、月末には帰りのキャラバンに乗って帰ろうと、バイト代を貰った上、ただで帰省しようとの魂胆であった。実にセコイ。
「トップパーティとしての誇りはどこへ……?」
「シン……お前も番になれば俺達の気持ちが分かる」
シンの目には、大きなルフトがやけに小さく見えたとか。
「まあそういう訳でよ、今月はここを拠点に仕事してるから気楽に声をかけてくれや、それと怪我をした時も頼むな」
「わかりましたよガリュウさん……っと! そうだルフトさん、そういう事でしたらこちらとしてもお願いが……」
呆れ顔から一点、シンの顔には見事な営業スマイルが浮かび、両手は指先から指紋が消えそうな勢いで揉み手がされる。
到底健全とは言い難い印象を受けるシンの表情に思わず仰け反るルフトだが、借りばかり作っている彼等に拒否権など無い。四人はシンの要望を聞かざるを得なかった。
──めでたくシンは、これ以上無い強力な通行証を手に入れた。
シンの心をへし折る言葉がルフトの口から告げられる。
アギア・ガザルの実は十二月が収穫時期らしく、今の時期は国外にはほぼ出回らず、獣人連合内に少量が残るのみらしい。
不都合な真実を突きつけられて頭を抱えるシンを見て、先ほどの詫びであろうか、オルバが腰のポーチからアギア・ガザルによく似た別の植物を取り出してシンに見せる。
「なあ、アギア・ガザルじゃあねえけど、コイツじゃあダメか?」
「……なんです、これ?」
「アレが冬場に採れるもんなら、コイツは夏場に採れるモンさ」
アギア・ガザルの実よりもさらに赤いそれを受け取ったシンは、鑑定すると同時に【組成解析】の異能も同時に発動させて詳しく調べる。
マッド・ペッパー──最強にして最凶の呼び声も高い香辛料
その辛さがもたらす刺激はドラゴンすら怯ませると言われる最強の香辛料。
あまりの辛さに悶死した魔物は数知れず、ランク指定外級、驚きの辛さ!
異世界キャロライナ・リーパー。
(……俺は一体なにを鑑定させられたんだ?)
眉根を寄せながら首を傾げるシンだった。
「キャロライナ……女の名前? それかアメリカとなにか関係でも?」
そして残念な事に、シンは激辛スパイスにそこまで興味が無かった。
「……ところでシン、言い忘れて悪りぃが、そいつは素手で長時間持ってると危ねえぞ?」
「──へ?」
申し訳無さそうに話すオルバの言葉を聞いて「マッド・ペッパー」を摘まんでいる右手の指を見つめるシンだったが──とくに何も無い。
マッド・ペッパーは獣人連合でも劇物指定をされている植物らしく、実そのものを直に触ると肌が火傷を負った様に赤く腫れたりするのだ。
よほど基本レベルが高くて抵抗力の強い、それこそ高ランク冒険者でも無い限り……。
「大丈夫、そうだな……」
「まあなんだシン……きっと、そう、もうすぐ指先が大変な事になると思うから、早めに手を放した方がいいと思うぞ」
「あ、手を洗うか?」
「ご親切にどうも……」
マッド・ペッパーを静かにオルバに返し、リーヴァル──ウサ耳獣人が魔法で出してくれた水で手を洗ったシンは、その後何事も無かったかのように話を戻す。
「──ところで、獣人連合には「マッド・ペッパー」というアギア・ガザルの実に似た植物があると聞いた事があるんですが……どこで手に入りますかね?」
手の指以上に面の皮の厚いシンは、しゃあしゃあとルフト達に話をふり、ソレについての情報を聞き出した。
アギア・ガザルの実もマッド・ペッパーも栽培されている場所は同じらしく、そもそもが同じ種類の植物との事。
水はけと風通しの良い高所で栽培され、強い日差しを受けて育ち冬場に収穫されるモノは、口に含んだ瞬間燃えるような辛さを、寒さに耐えて夏場に収穫を迎えたモノは火山の火口の様に全身を内側から焦がすような辛さを、と、それぞれ特徴のある辛さを備え、収穫された時には別種として扱われる。
ただ、収穫された一部のアギア・ガザルの実がライゼンに輸出されているのに対して、マッド・ペッパーは獣人連合内でしか取り扱いが無いと聞かされ、シンは結局、獣人連合に行かねばならないのかと頭を悩ます。
「そもそもコレ、獣人連合じゃあ何に使ってるんです?」
「防寒対策だよ」
本来、マッド・ペッパーややアギア・ガザルの実は、水に浸して辛味を液体に移し、肌着をその液体に漬け込んで再度乾燥、辛味成分の染み付いた肌着を着て皮膚を刺激させ、体温の上昇を図ったり、水に浸して辛味が薄まった実を乾燥させて磨り潰し、その粉を足の裏にすりこんだりと、主に防寒対策の薬として使用されている。
特に、冬場に気温が下がると途端に動きの鈍くなる、ルフトのような蜥蜴人をはじめ、変温動物系の獣人などは必需品らしかった。
「それで、シンは何に使うつもりだったのだ?」
用途を聞いてくるあたり、シンの使いみちは防寒対策とは違うのだろうと踏んだルフトはシンに問いかける。
返ってきた答えは、
「俺はまあ、主に粉を標的の魔物に投げつけるんですけどね」
「「「「………………………………」」」」
「それとは別に、アギア・ガザルの実が大好物ってのが知り合いの子にいまして」
・・・・・・・・・・・・。
「──────チョット待て!!」
「アレを!?」
「ていうか子供が!?」
「食べるだと!?」
総ツッコミが入った。
「ええまあ……一日一つは食べさせないと悲しげな顔をするんですよ……これがまた」
そう語るシンの表情は本当に悲しげで、まるで目の前にその子の顔が見えているようである。
「「「「…………………………」」」」
「ホントに、そう本当に……」
シンはしみじみと呟く──。
………………………………………………
………………………………………………
「そういえば皆さんは、何の御用で?」
イズナバール迷宮を「攻略」したトップパーティの面々が、中堅以下が受ける護衛任務に何故? というのがシンの率直な疑問である。
「なに、コミュニティ「異種混合」での引き継ぎが終わったのでな、里帰りがてらこっちに雇ってもらったのだ」
「異種混合」とは、今回の件でリトルフィンガーを領地として手に入れた「ライゼン」と、獣人連合出身の探索者たちで結成されたコミュニティである。
ルフトによれば、今回の迷宮攻略およびライゼンへの編入によって、領有権を争う事になっていた他の周辺三国が支援していたコミュニティ「乾坤一擲」「屍山血河」「千変万化」は解散、国から派遣されていたトップ連中は本国へ送還されたとの事。
彼の地が正式にライゼンの領地になったこともあり「異種混合」も解散、迷宮の管理や探索者ギルドとの折衝など、今後はライゼンが主導して動く事も出てくるため、紐付きであることの周囲への不満を考えての対処らしい。
ただ、全ての探索者に対して平等に、そして公平に当たるためにという事で、コミュニティ自体が廃止され、今後迷宮への大規模探索などはギルド内の掲示板などで募集がかけられ、より探索者間の交流は活発になるだろうとの事。
余談ではあるが、配達専門コミュニティ「韋駄天」だけは今後も独自路線で活動するとは、兄弟が所属しているリーヴァルの言。
「なるほど、帰郷する作業員の護衛任務をしながら自分たちも一緒に里帰り、と」
「イヤ、雇われたのは土木作業員としてだが?」
「……………………は?」
元「異種混合」のトップパーティとは思えない発言だった。
「イヤイヤ、家に帰るまで働きっぱなしなんて悪い冗談だぜ!」
「その点、作業員なら戻る時は馬車の中で寝れるしな」
「もうじき寒さも厳しくなるのに、徒歩だったり馬に乗ったり、勘弁してくれ」
「寒くなると動けなくてな……」
「おっ、おう……」
土木作業員は月単位での雇用であり、契約の継続をとらない者は毎月末に現場と国元を往復するキャラバンに乗って帰郷する事ができる。
つまり、彼等は今月いっぱい灌漑工事の作業員として働き、月末には帰りのキャラバンに乗って帰ろうと、バイト代を貰った上、ただで帰省しようとの魂胆であった。実にセコイ。
「トップパーティとしての誇りはどこへ……?」
「シン……お前も番になれば俺達の気持ちが分かる」
シンの目には、大きなルフトがやけに小さく見えたとか。
「まあそういう訳でよ、今月はここを拠点に仕事してるから気楽に声をかけてくれや、それと怪我をした時も頼むな」
「わかりましたよガリュウさん……っと! そうだルフトさん、そういう事でしたらこちらとしてもお願いが……」
呆れ顔から一点、シンの顔には見事な営業スマイルが浮かび、両手は指先から指紋が消えそうな勢いで揉み手がされる。
到底健全とは言い難い印象を受けるシンの表情に思わず仰け反るルフトだが、借りばかり作っている彼等に拒否権など無い。四人はシンの要望を聞かざるを得なかった。
──めでたくシンは、これ以上無い強力な通行証を手に入れた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。