217 / 231
6章 ライゼン・獣人連合編
280話 忙しい朝・後編
しおりを挟む
族長は、魔槍の穂先をシンに定めたまま腰を落とす。
ヒト種よりも大柄な蜥蜴人の中でも、二メートル五〇センチほどの高身長を誇るヒューロゆえに、水平に構えた槍は、眼前の心臓の位置とピタリと揃う。
また、足を広げた待ちの構えではなく前傾姿勢、石畳を押さえる太い尻尾は、蛇が獲物に襲い掛かる直前のように蛇腹に波打ち、その姿は引き絞った状態の弓のようだ。
その体勢で強い殺気を放つ眼前の男に向かって、殺気を向けられたシンは困ったように笑うと、両手を挙げて交戦の意思が無いことを示す。
「何をしに、と言われましても。族長に確かめて欲しい事があったので、こうして飛んできただけですよ」
「あれだけの殺気を放ちながらここまで来て?」
「そいつに関しては、まあ──個人的にはらわたが煮えくり返っておりましてね」
そう言って薄く笑うシンからは、抑えた殺気がまた漏れ出すものの、それはヒューロに向けたものではなく、ただ周囲にばら撒かれる類のものだったため、ヒューロも表面上は納得する。
構えを解いたヒューロを見て安堵の息をついたシンだったが、それでもその場から一歩も動かずに、相手を刺激しないよう慎重に両手を下ろす。
「……シン殿、先ずは知っている事から話してはもらえませぬかな? ワシへの頼み事はその後という事で」
「出来れば急いで欲しいのですが、まあ仕方ありませんね……俺も狙いが『コッチ』だとは予想外なんですよ」
シンは、獣人連合にやって来る前にシュナとゲンマから、ライゼンが戦の準備を始めていることは聞いていた。
灌漑工事──それは、今回のイズナバール迷宮の件によって獣人連合に譲渡された土地、そこに含まれる水源を失う事になるライゼンが、水資源を確保するために必要な国策事業である。
しかし、それはライゼンにのみ目を向けた場合の話であり、別の視点から眺めると、違う事情が見えてくる。
イズナバールの水資源をライゼンによって支配される──それは、今までその恩恵に預かっていた土地に生きる者にとっては、喉下にナイフを突きたてられたようなものである。
そして、その煽りを最も強く受けるのが、イズナバールから伸びる河川の下流に位置する国家、ドウマだった。
ライゼンと獣人連合の約定は他国にも知られており、当然のように間諜を差し向けたドウマは、想定以上の大規模工事に驚愕したという。
ライゼンの行っている工事の規模は、イズナバール湖の水を全てライゼンに引くほどのものであり、そうなると当然、今まで湖から流れる水によって生活をしていた地域は、即座に干上がってしまうのは目に見えて明らかだ。
三国で結託し、一国を妨害しようなどと愚かな行為の対価としてはあまりにも厳しい、しかもドウマを狙い撃ちにするようなやり口──シュゲンとモロクは水源をイズナバール湖に頼っていない──に、当然ドウマは行動を起こす。
戦の準備を始めるドウマに、当然ライゼンも受ける形で準備を進める。とはいえ、これから冬を迎えるこの時期に戦争は起ころうはずも無く、開戦は春になってからだろうと、シュナはシンに語っていた。
「ワシら獣人連合は、ライゼンからの支援要請など聞いておらんがのう?」
「先を見据えたうえで、獣人連合の手を借りたくなかったのでしょう」
仮にライゼンが勝利し、ドウマを呑み込む形になったとしても、ライゼンの強さは『獣人連合の手助けありき』で見られてしまう。
そうなれば、シュゲンとモロクの残った国が採る手は、両国の離間工作となるだろう。
ドウマを取り込んだライゼン、それがシュゲンとモロクに負けることは考え難いが、背後に獣人連合の牙が見え隠れする状態では、敵に対して思うように軍を動かす事も出来ない。
そのため、ドウマを打ち倒すのはあくまでライゼン一国で行い、獣人連合にはあくまで中立の立場にいてもらうのが、ライゼンとしても都合が良かったのだ。
それが何故ライゼンの『オウカ』がマニエル湿原を、しかも北部の『ザーザル族』に対してこのような行動をとったのか?
「──考えても、私の頭では答えが出ませんでね。なので族長にお聞きしたくてここに来たんですよ、『南部』は無事か、と?」
「……なるほどのう。チョット待っとれ──」
練武状の奥にある建物へ向かうヒューロを見送りながらシンは、足元に転がっている死体を検分しはじめる。
そして、一通り『鑑定』をした結果──
「ライゼンの兵士なのは確定か、ますますわからん。攻めるタイミングはともかく、メリットなんざ欠片も無いってのに……利益が意味を成さないのなら、感情的なものか?」
シンは、イズナバール迷宮で自分達を裏切っていた、サモンという男を思い出す。
あの男が暴挙に走った原因は、嫉妬心と獣人に対する偏見だとは聞いていた。
仮にも国家の大事に選ばれた男が、異端の感情の持ち主とは考えにくい。ならば、獣人に対して差別意識を持った人間は、ライゼンの中に一定数存在する事になる。
(ソイツらの暴走か? 反逆罪に問われるのは確定だぞ……いや、その心配が無い可能性は……)
「──シン殿、南部には何も起きておらんらしいぞ……今のところは」
魔道具で南部と連絡をとっていたヒューロが戻ってくると、シンは思考を中断して立ち上がる。
「ありがとうございます。となると、わざわざ『こっち側』を狙った理由がありそうですねえ」
「とりあえず、南のに注意は呼びかけておいたが『上』にはまだ伝えておらん。事情が分かるまでは黙っておきたいところじゃが、被害が出とる以上、いつまでも庇いきれんぞ?」
ヒューロの言葉にシンは頷くと、頭に着けた羽飾りをその場に捨てる。
ライゼンの後ろ盾の証を捨てる事で、自分が向こう側の人間では無いと示し、代わりに倒れている男の死体から取り上げた木札を首に掛ける。
それを見たヒューロは、潜伏する仲間がいる可能性を思い、深く溜め息をつく。
「全く、ヒト種というものは……」
「一緒くたにされるのは勘弁願いたいところですが、今は問答よりも行動の時間ですかね」
「どこへ行くつもりじゃ?」
「なに、同じヒト種なんでね、潜り込んで事情を探りに行ってきますよ」
一礼し、その場を去ろうとするシンに対し、ヒューロが声を掛ける。
「で、若い連中は、どの程度引き止めておけばよいのかの?」
「──最大で一週間ほど抑えて頂ければ、詳しい事情を探ってきますよ。報酬は……あちらさんの責任者の首、で、よろしいですか?」
そう言うとシンは、返事を待たずにその場を走り去ると、外で待ちぼうけを喰らっている馬の一頭に跨り、渡ってきた橋を戻って行った。
残された族長は、それを眺めながら空を見上げ──
「やれやれ、危険な御仁じゃのう……あんなのと上手くやっておるルフトを、少しは認めてやるかのう」
そう一人ごちるヒューロの掌と首筋は、流した冷や汗でグッショリとなっていた。
………………………………………………
………………………………………………
ドドドドドドド──!!
ライゼンと獣人連合を繋ぐ二本の道、その一本である『コウエン』へと続く街道を、馬に乗った武装集団が駆け抜ける。
「いいか、後ろは気にするな、とにかく馬を走らせろ──!! キサマッ、何者か!?」
ブォン──!!
そう言って、小集団の指揮官らしき男は並走する影に向かって剣を振るうが、空を切る。
「うひゃあああああああ!!」
奇跡的にその斬撃をかわしたマント姿の男は、情け無い悲鳴を上げながら、それでも速度を落とさず並走を続ける。
再度剣を振るおうとした兵士は、改めてその男──シンの姿を見て怪訝な表情を浮かべる。
「何者だ、キサマ?」
「なっ! そ、それはコッチの台詞ですよ! こっちは行商中に滞在していた街がいきなりあんな事になったおかげで、ヒト種ってだけでアナタ方のお仲間と疑われて、それで逃げてるんじゃないですかあ!!」
目を赤く腫らして鼻水を垂らしながら捲くし立てる目の前の男の訴えに、男は毒気が抜けたのか、剣を下ろすとシンに向かって話しかける。
「商人か……判っておるのか? 我らは野盗では無い、それに同行する以上、キサマの身柄は拘束せねばならん」
「なんでも構いませんよ! アイツらのキバや爪で殺されるくらいなら、あなた方に保護してもらった方が何倍もマシだ!! ──そうだ、私はこう見えても各種薬品を取り扱っております。怪我をした方がおりましたらお安く提供させていただきますから、どうかお願いしますよ!」
タダで、とは言わない所に、若さに似合わぬがめつさを感じた兵士は苦笑すると、シンの同行を許し、その後も休憩をはさみながら街道沿いに馬を走らせ、日が暮れる頃になってやっと馬を止めると、『オウカ』の兵士達は野営を始める。
そんな中でシンは、オウカの兵士達を相手に、怪我やヤケドの薬を配っては、その会話に耳を傾けていた──。
そして、一通り薬を配り終えて一人になると──
「なるほど、そういう事かよ」
顔を顰めながらシンは、夜の中で一人、そう呟いた。
ヒト種よりも大柄な蜥蜴人の中でも、二メートル五〇センチほどの高身長を誇るヒューロゆえに、水平に構えた槍は、眼前の心臓の位置とピタリと揃う。
また、足を広げた待ちの構えではなく前傾姿勢、石畳を押さえる太い尻尾は、蛇が獲物に襲い掛かる直前のように蛇腹に波打ち、その姿は引き絞った状態の弓のようだ。
その体勢で強い殺気を放つ眼前の男に向かって、殺気を向けられたシンは困ったように笑うと、両手を挙げて交戦の意思が無いことを示す。
「何をしに、と言われましても。族長に確かめて欲しい事があったので、こうして飛んできただけですよ」
「あれだけの殺気を放ちながらここまで来て?」
「そいつに関しては、まあ──個人的にはらわたが煮えくり返っておりましてね」
そう言って薄く笑うシンからは、抑えた殺気がまた漏れ出すものの、それはヒューロに向けたものではなく、ただ周囲にばら撒かれる類のものだったため、ヒューロも表面上は納得する。
構えを解いたヒューロを見て安堵の息をついたシンだったが、それでもその場から一歩も動かずに、相手を刺激しないよう慎重に両手を下ろす。
「……シン殿、先ずは知っている事から話してはもらえませぬかな? ワシへの頼み事はその後という事で」
「出来れば急いで欲しいのですが、まあ仕方ありませんね……俺も狙いが『コッチ』だとは予想外なんですよ」
シンは、獣人連合にやって来る前にシュナとゲンマから、ライゼンが戦の準備を始めていることは聞いていた。
灌漑工事──それは、今回のイズナバール迷宮の件によって獣人連合に譲渡された土地、そこに含まれる水源を失う事になるライゼンが、水資源を確保するために必要な国策事業である。
しかし、それはライゼンにのみ目を向けた場合の話であり、別の視点から眺めると、違う事情が見えてくる。
イズナバールの水資源をライゼンによって支配される──それは、今までその恩恵に預かっていた土地に生きる者にとっては、喉下にナイフを突きたてられたようなものである。
そして、その煽りを最も強く受けるのが、イズナバールから伸びる河川の下流に位置する国家、ドウマだった。
ライゼンと獣人連合の約定は他国にも知られており、当然のように間諜を差し向けたドウマは、想定以上の大規模工事に驚愕したという。
ライゼンの行っている工事の規模は、イズナバール湖の水を全てライゼンに引くほどのものであり、そうなると当然、今まで湖から流れる水によって生活をしていた地域は、即座に干上がってしまうのは目に見えて明らかだ。
三国で結託し、一国を妨害しようなどと愚かな行為の対価としてはあまりにも厳しい、しかもドウマを狙い撃ちにするようなやり口──シュゲンとモロクは水源をイズナバール湖に頼っていない──に、当然ドウマは行動を起こす。
戦の準備を始めるドウマに、当然ライゼンも受ける形で準備を進める。とはいえ、これから冬を迎えるこの時期に戦争は起ころうはずも無く、開戦は春になってからだろうと、シュナはシンに語っていた。
「ワシら獣人連合は、ライゼンからの支援要請など聞いておらんがのう?」
「先を見据えたうえで、獣人連合の手を借りたくなかったのでしょう」
仮にライゼンが勝利し、ドウマを呑み込む形になったとしても、ライゼンの強さは『獣人連合の手助けありき』で見られてしまう。
そうなれば、シュゲンとモロクの残った国が採る手は、両国の離間工作となるだろう。
ドウマを取り込んだライゼン、それがシュゲンとモロクに負けることは考え難いが、背後に獣人連合の牙が見え隠れする状態では、敵に対して思うように軍を動かす事も出来ない。
そのため、ドウマを打ち倒すのはあくまでライゼン一国で行い、獣人連合にはあくまで中立の立場にいてもらうのが、ライゼンとしても都合が良かったのだ。
それが何故ライゼンの『オウカ』がマニエル湿原を、しかも北部の『ザーザル族』に対してこのような行動をとったのか?
「──考えても、私の頭では答えが出ませんでね。なので族長にお聞きしたくてここに来たんですよ、『南部』は無事か、と?」
「……なるほどのう。チョット待っとれ──」
練武状の奥にある建物へ向かうヒューロを見送りながらシンは、足元に転がっている死体を検分しはじめる。
そして、一通り『鑑定』をした結果──
「ライゼンの兵士なのは確定か、ますますわからん。攻めるタイミングはともかく、メリットなんざ欠片も無いってのに……利益が意味を成さないのなら、感情的なものか?」
シンは、イズナバール迷宮で自分達を裏切っていた、サモンという男を思い出す。
あの男が暴挙に走った原因は、嫉妬心と獣人に対する偏見だとは聞いていた。
仮にも国家の大事に選ばれた男が、異端の感情の持ち主とは考えにくい。ならば、獣人に対して差別意識を持った人間は、ライゼンの中に一定数存在する事になる。
(ソイツらの暴走か? 反逆罪に問われるのは確定だぞ……いや、その心配が無い可能性は……)
「──シン殿、南部には何も起きておらんらしいぞ……今のところは」
魔道具で南部と連絡をとっていたヒューロが戻ってくると、シンは思考を中断して立ち上がる。
「ありがとうございます。となると、わざわざ『こっち側』を狙った理由がありそうですねえ」
「とりあえず、南のに注意は呼びかけておいたが『上』にはまだ伝えておらん。事情が分かるまでは黙っておきたいところじゃが、被害が出とる以上、いつまでも庇いきれんぞ?」
ヒューロの言葉にシンは頷くと、頭に着けた羽飾りをその場に捨てる。
ライゼンの後ろ盾の証を捨てる事で、自分が向こう側の人間では無いと示し、代わりに倒れている男の死体から取り上げた木札を首に掛ける。
それを見たヒューロは、潜伏する仲間がいる可能性を思い、深く溜め息をつく。
「全く、ヒト種というものは……」
「一緒くたにされるのは勘弁願いたいところですが、今は問答よりも行動の時間ですかね」
「どこへ行くつもりじゃ?」
「なに、同じヒト種なんでね、潜り込んで事情を探りに行ってきますよ」
一礼し、その場を去ろうとするシンに対し、ヒューロが声を掛ける。
「で、若い連中は、どの程度引き止めておけばよいのかの?」
「──最大で一週間ほど抑えて頂ければ、詳しい事情を探ってきますよ。報酬は……あちらさんの責任者の首、で、よろしいですか?」
そう言うとシンは、返事を待たずにその場を走り去ると、外で待ちぼうけを喰らっている馬の一頭に跨り、渡ってきた橋を戻って行った。
残された族長は、それを眺めながら空を見上げ──
「やれやれ、危険な御仁じゃのう……あんなのと上手くやっておるルフトを、少しは認めてやるかのう」
そう一人ごちるヒューロの掌と首筋は、流した冷や汗でグッショリとなっていた。
………………………………………………
………………………………………………
ドドドドドドド──!!
ライゼンと獣人連合を繋ぐ二本の道、その一本である『コウエン』へと続く街道を、馬に乗った武装集団が駆け抜ける。
「いいか、後ろは気にするな、とにかく馬を走らせろ──!! キサマッ、何者か!?」
ブォン──!!
そう言って、小集団の指揮官らしき男は並走する影に向かって剣を振るうが、空を切る。
「うひゃあああああああ!!」
奇跡的にその斬撃をかわしたマント姿の男は、情け無い悲鳴を上げながら、それでも速度を落とさず並走を続ける。
再度剣を振るおうとした兵士は、改めてその男──シンの姿を見て怪訝な表情を浮かべる。
「何者だ、キサマ?」
「なっ! そ、それはコッチの台詞ですよ! こっちは行商中に滞在していた街がいきなりあんな事になったおかげで、ヒト種ってだけでアナタ方のお仲間と疑われて、それで逃げてるんじゃないですかあ!!」
目を赤く腫らして鼻水を垂らしながら捲くし立てる目の前の男の訴えに、男は毒気が抜けたのか、剣を下ろすとシンに向かって話しかける。
「商人か……判っておるのか? 我らは野盗では無い、それに同行する以上、キサマの身柄は拘束せねばならん」
「なんでも構いませんよ! アイツらのキバや爪で殺されるくらいなら、あなた方に保護してもらった方が何倍もマシだ!! ──そうだ、私はこう見えても各種薬品を取り扱っております。怪我をした方がおりましたらお安く提供させていただきますから、どうかお願いしますよ!」
タダで、とは言わない所に、若さに似合わぬがめつさを感じた兵士は苦笑すると、シンの同行を許し、その後も休憩をはさみながら街道沿いに馬を走らせ、日が暮れる頃になってやっと馬を止めると、『オウカ』の兵士達は野営を始める。
そんな中でシンは、オウカの兵士達を相手に、怪我やヤケドの薬を配っては、その会話に耳を傾けていた──。
そして、一通り薬を配り終えて一人になると──
「なるほど、そういう事かよ」
顔を顰めながらシンは、夜の中で一人、そう呟いた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。