成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 ビアンカは眉をひそめながら、それが正しい仮説であるならば、ヴァルムたちならばすでにそれに気が付いていてもおかしくは無いと考えたようだった。
 そんな指摘にリアーヌは思い切り顔をしかめると面白くなさそうに口を開く。

「ーーそれがさぁ……うちの父さんリアルラックも高いから、なんとなく答えたことがその通りですだったりするわけで……」
「あー……」
「……正直、それがギフトの力なのか父さんの直感力なのか分かんないんだよね……ーーでも弟には遺伝してるからギフトじゃ無い気もしてて……」
「ーーその点、その能力貴女には遺伝しなかったようね……?」
「ーーどうしてなのか私にも分からないけど、私、豪運のギフトの使い方、弟に教わったところもあるから……」
「ーーどういうことよ?」
「……だってあの子、直感力だけで、ゾワッとかピリッとか理解してるんだもの……」
「ーー貴女のご家族、どうなってるのよ……?」
「ーー一応身体強化持ちだから、感覚には優れて入るんだけど……ーー私には無理なんだ……?」
「……通常は無理だと思うわ?」

 顔を見合わせ、眉を下げ合うリアーヌたちに、ゼクスが興味深そうに声をかける。

「あのさぁ……」
「あ、ゼクス様……」
「あ、ごめんね急に話に割り込んで」
「いえ、ご意見をお聞かせ願いたいですわ」
「ーー俺はリアーヌのリアルラックも相当高いと思ってるんだけど……それはギフトとは関係ないのかな?」
「……え、私リアルラック高いんですか⁉︎」
「ーー少なくともうちの商談的には相当高いよ? 冗談じゃなく毎回リアーヌ同行させてくれって言われるほどには、前回の仕入れは幸運に恵まれてた」
「ーーつまり『豪運』にはリアルラックを上げる効果もある……?」
「そう思ってたんだけど……?」

 首を傾げ合う二人を見つめ、ビアンカはやるせなさそうにため息を吐き出した。

「……どうしたの?」
「こういう事態になると分かっていたら、以前の貴女と今の貴女との違いをもっと細かく観察しておくべきでしたわ……!」
「ーー私のこと実験動物みたいに扱うじゃん……」
「それが巡り巡って、より良い未来への足がかりとなるかもしれませんのよ⁉︎」
「ーービアンカ……あんまりアロイス様の研究にのめり込むの、良くないと思うな……?」
「ーーいいえ、これは私の研究ですわ? 過去に失われてしまった部族や民族たちの中にだって、とくに大切にされていたギフトがあるんですの! それを紐解いてなぜそうだったのかを考えていけば、現代社会の問題を解決する糸口がみつかる可能性が高いんですのよ⁉︎」
「……そっかぁ?」
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